自民・小林政調会長の教育改革論? 批判殺到

通信制高校「N高等学校」の生徒が自民党の小林鷹之政調会長と語り合う、というニコニコニュースの企画の中で、小林会長の発した教員免許制度を見直して教育改革を進める…との主張が批判を招いていると「女性自身」が記事にしています
政治家たちはとかく教育論を語りたがります。たとえば政治改革とか、経済政策、社会保障改革などは、より幅広く深い見識が必要であったり、各種法令に通じていないと語れないといった制約があるのに比べ、教育問題ははるかに取り組みやすく映るからでしょう。小林会長は「自分は学校教育を受けたので教育のことは判っている」と考えたのでしょう


9月8日に公開された、自民党・小林鷹之政調会長(51)のインタビュー動画。その中で飛び出したまさかの発言が波紋を広げている。
問題の発言が飛び出したのは、ニコニコニュースでのこと。「私たちの未来はどうなる?」をテーマに、N高グループの高校生が小林政調会長に直球質問という企画だった。
小林政調会長は“総理大臣になって何でも一つ政策できるとしたら?”という質問に対して、「教員免許のルールを取っ払い、色んな職種で頑張って退職された方が学校の教師となり、仕事の誇りや面白さ・苦しさを自分の言葉で子どもたちに伝えるような教育が必要」と回答。それが若い人たちのチャレンジの源となる好奇心を伸ばし、折れない心を育むと考えていることを力強く語った。
この発言に対して、Xでは《教員をなめてる》との批判の声が続出。
《教育現場は崩壊するな》
《沢山お勉強してきたはずなのになんでこんな薄っぺらなことしか言えないんだろう》
《自民党の政調会長が教育と教員の資格についてこの認識では、日本の子供の学力水準もダダ下がりになるだろうな》
《国語や数学や体育をきちんと教えるのは特殊技能であり免許が必要でしょう》
《自民党が教育を劣化させて自分たちに都合よく操ろうとしているのが透けて見える》
(以下、略。女性自身の記事から引用)

上記の批判に対し、小林会長はSNSで次のように釈明しています

先日の高校生たちとのニコニコ動画でのやりとりの中で、一部誤解を招きうる発言があったようなので、少し補足いたします。私は、教員免許制度は必要なものだと考えています。そもそも、国力の根幹は人づくり、すなわち教育だと考えています。
高校生からの質問に対する返答の中で、「既に退職された様々な職種の方々からも、仕事に対する誇り、面白さ、苦労したことなどを自分の言葉で子ども達に伝えて頂くことで、更なる好奇心や挑戦心を育むことに繋がるのではないか」という思いを伝えました。
学校現場で生徒と向き合う教員の方々の日頃のご尽力には心から敬意を表しておりますし、教員の質を担保するための教員免許制度は大切だと考えております。

「教員免許のルールを取っ払う」と主張していたのに、SNSでの釈明では随分トーンダウンした内容に変化しています
そもそも小林会長は日本の学校教育というものをまったく理解しておらず、知識もないのが上記の記事と釈明で丸判りです
学校教育はあらかじめ策定された計画により、1年に何コマの授業をし、どのような単元で何を習得・学習させるか、事細かく決められています。1年生時に習う漢字の字数まで決まっています
こうした計画に基づいて学習を進めた上で、生徒の習熟度(理解度)を測り、評価するまでが「教育」です
さまざまな職業経験を持つ人を招いて経験談を語らせるにしても、どのようなテーマをどこまで掘り下げ、語らせるかは講師任せになってしまいます。これは文部科学省の言うところの「教育」ではありません。あらかじめ何をどう語るのか、生徒に何を学ばせるのか、それこそ教科書のように決め決めでやるのが「教育」なのです
また、こうした経験談を語らせた場合、多くの人たちは自己満足に陥り、単なる自慢話大会で終わってしまいます。これでは「教育」たりえません。「自分の苦心談、経験談を語ればこどもたちが何かを学んでくれるだろう」ではダメなのです。何を伝えたいのか、学ばせたいのか明確にし、それを最もふさわしい形で学年齢に応じた表現、話法で語ってもらう必要があるのですが、外部の人たちに「小学3年生に理解できる内容、レベルで語ってください」と依頼したところで、できないはずです
小林政調会長が小学校から大学まで、いわばお客さんとして通っていたにすぎず、学校教育を実践している教師の活動そのもを理解していないのでしょう。そのような生半可な知識で教育論を語るのは大間違いです

(関連記事)
大阪市公募校長パワハラで更迭
大阪の民間人校長が3カ月で辞任
民間人校長候補に盗撮歴発覚
ニセ教員免許で採用 近藤被告に懲役3年6月判決
ニセ教員免許で採用 過去にも6校の学校で勤務
ニセ教員免許で採用 過去に少女買春で教員免許失効
わいせつ事案で私立高教員の免許取消し 裁判で争いに
児童ポルノで停職男を小学校講師に採用