古河介護施設殺人 弁護側「動機解明されてない」
古河市の老人ホームで高齢男性2人を殺害したとして無期懲役が求刑されている赤間恵美被告には、7月7日に判決が言い渡されます
検察の論告求刑については前回、当ブログで取り上げたところですが、弁護人の最終弁論に触れた記事が見つかりましたのでそちらを紹介します
なお、赤間被告は裁判を通して黙秘権を行使しており、まったく供述もせず、被告人質問も行われていません
殺人2件で無罪を主張する弁護側は「仮に有罪だとしても、事件の動機や経緯は何も証明されていない」として刑の減軽を求めた。判決は7月7日。
検察側は論告で、被害者とされる2人の男性を殺害した具体的な動機は見当たらず「点滴から空気を注入できる状態で狙いやすかった以外の事情を想定しがたい」と述べた。
その上で、家庭の事情でブランクのある看護師として働かざるを得ず、職場の不満を精神科医に吐露しており、「ストレスから八つ当たりのように殺害したのは余りに理不尽」と非難した。
要介護高齢者を狙い、用意したシリンジ(注射筒)で隙を見て多量の空気を注入した点から計画性は十分に認められ、「殺害に向けた強固な意思は明らか。弱者に対するあわれみのかけらもない犯行」と強調。亡くなる兆候などが一切なかった2人について「味わった苦痛や恐怖、無念は察するに余りある」と被害結果は重大とした。
死刑求刑の可能性に言及する場面もあった。被害者が2人または1人だった殺人事件の量刑傾向と今回の事件を比べ「有期懲役を選択することはあり得ず、無期懲役以上が相当」と主張。被害者2人の殺人事件でも死刑の事例はあったが例外的であり、「この点は慎重な判断が必要」として無期懲役を求めた。
弁護側は最終弁論で、具体的な量刑に触れず「刑の重さを考える上で重要な事件の動機や計画性が全く証明されていない」と繰り返し、「不確かなことで人を重く処罰してはいけない」と訴えた。被告は境界知能や発達障害の傾向があるとし、「殺人2件の量刑に何らかの影響を与えるか考えなければならない」と投げかけ、「一日でも早く家族の元に戻れるような判決を求める」と締めくくった。
起訴状などによると、被告は同市の老健施設「けやきの舎(いえ)」で20年5月30日に鈴木喜作さん=当時(84)=に、同7月6日に吉田節次さん=当時(76)=に、いずれも点滴用チューブにシリンジをつないで空気を注入し、空気塞栓(そくせん)による急性循環不全で殺害したとされる。
被告は21年11月、スーパーで牛肉など計5000円相当を万引したとして窃盗の罪にも問われ、起訴内容を認めている。
(茨城新聞の記事から引用)
赤間被告が黙秘して何も語ろうとしないのですから、「動機が解明できていないじゃないか?」と弁護人から突っ込まれても無理な注文です
検事があれこれ想像して動機をでっち上げるわけにもいきません
強いて挙げるなら、赤間被告が事件前に精神科を受診し、医師にあれやこれやと不満をぶちまけていたとされる内容から、ある程度の動機を憶測するのは可能でしょう。が、それもあくまで検事の推測や心証にすぎないのであり、本当の犯行動機であると実証できません
黙秘するのは被告の権利ですから、それ自体批判するのは誤りです。ただ、積極的に無罪を勝ち取ろうとするなら、無罪であるとアピールする必要もるのでは?
過去の裁判でも、殺害方法が特定されていなくても殺人を認め有罪とした判例もありますし、遺体が発見されなくても殺人を認めた判例もあります。検察が犯行動機を特定できなくても、殺人を認めた判例もあります
なので、「犯行動機や計画性が立証されていないから無罪とすべき」といった主張は到底通用するものではありません
おそらく赤間被告は己の抱える葛藤や不全感、コンプレックスなど、言語化して他者に伝えるのが不得意な女性なのではないか、と思われます
公判の場で、検事からズバズバと質問されるとパニックになってしまうと恐れ、黙秘の選択をしたのか?
だとしても、2人の命を奪う行為が容認されるはずもなく、7月7日の判決では求刑通り無期懲役判決が言い渡されるものと予想します
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