飯能市一家殺害 斎藤被告は「知りません」と否認

斎藤淳被告(43)は映画作りを手掛けていたものの挫折し、無職のまま飯能市の自宅に1人で暮らしていました。両親は離婚し、父親は既に家を出ており、母親も斎藤被告から追い出される形で家を出たとされます
自宅近くに住んでいた米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさんに斎藤被告は敵意を抱き、車を傷つける行為など繰り返していた、とされます。その理由は判然としません。ビショップさんからは弁護士を介し、このまま近隣に斎藤被告が居住し続けるのは迷惑なので自宅から退去するよう、申し入れがされていたとも報じられています
その結果なのか、斎藤被告は2022年12月、ビショップさん宅に斧を持って押しかけ、1家3人を殺害して逮捕、起訴されています
事件から3年以上経過し、ようやく斎藤被告の裁判が始まりました


埼玉県飯能市で2022年、親子3人を殺害したとして、殺人や非現住建造物等放火などの罪に問われた無職斎藤淳被告(43)の裁判員裁判の初公判が16日、さいたま地裁(井下田英樹裁判長)で始まった。起訴内容について被告は「知らないことです」と述べ、弁護側は「斎藤さんは犯人ではありません。仮に犯人だとしても責任能力はありません」と無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、被告は何らかの出来事により被害者への報復感情を抱き、被害者側への器物損壊事件を起こし、その後の逮捕などを経てその感情を強くし、殺人事件を起こしたと指摘。被告に精神疾患があることは争わないとしたが、事件の1、2カ月前から凶器の準備をし、事件当日に前もって被害者宅の防犯カメラの配線を切断していたことなどを踏まえ「責任能力が著しく低下していた状況にはなかった」と主張した。
一方、弁護側も冒頭陳述で被告について「仮に犯人だとしても心神喪失であり、被告が知らないこと、つまり犯人ではないとはっきり言いました。責任能力がなければ罪にはなりません。斎藤さんの精神疾患がどのように影響を与えたかを判断してほしい」と訴えた。
起訴状などによると、被告は22年12月25日、飯能市の自宅近くの民家の敷地で、この家に住む米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(当時69)、妻の森田泉さん(同68)、長女で都内に住んでいた森田ソフィアナ恵さん(同32)の3人を、おのをたたきつけるなどして殺害。さらに、この家に放火したなどとされる。
検察は被告の精神状態を調べるため、起訴前に約10カ月間の鑑定留置を実施。この結果を踏まえ、被告に刑事責任能力があると判断して起訴した。
公判は予備日を含め計8回の予定で、精神鑑定をした鑑定医への証人尋問や被告人質問などがある。判決は3月16日に言い渡される。
(朝日新聞の記事から引用)


斎藤被告に対しては起訴前に検察が精神鑑定を実施しており、その結果を踏まえて起訴しています。なお、弁護人の申し立てによる公判前に2度目の精神鑑定が行われました
最初の精神鑑定はおそらく斎藤被告の精神障害を限定的には認め、妄想念慮を抱えて入るものの、日常生活に支障はないとの判断だったと思われます。これを受けて検察は刑事責任と問えると考えたのでしょう
弁護側は最初の精神鑑定結果に同意せず、2度目の精神鑑定を求め、そちらでは斎藤被告に相当程度の精神障害があるとの結果であったと推測されます。ゆえに弁護人は心神喪失を主張し、刑事責任能力がないと裁判で争う構えです。また、斎藤被告の犯人性についても争う(つまり、斎藤被告以外の第三者による犯行の可能性があると)方針です
斎藤被告がなぜ、ビショップさん家族を目の敵にしたびたび嫌がらせを繰り返したのか、その理由や背景については報道されておらず、公判の中で明らかにされるのでしょうか?
検察の冒頭陳述でも、この点は「何らかの理由により」とぼかされており、明らかになっていません
ただ、犯行動機については被告が語らない以上、特定できないのは珍しくなく、むしろ検察官が勝手に作文して動機を決めつけるは避けるべきです。なので、判らないことは判らないとしたまま、裁判をするのは問題ありません
次回の公判からは、精神鑑定を担当した2人の医師がそれぞれの鑑定結果について証言をすると思われます

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