飲酒運転事故で家族3人が死亡 被告に懲役20年判決
飲酒運転や過度の速度超過による運転で悲惨な事故が繰り返されています。しかし、裁判所は危険運転致死傷罪の適用に極めて消極的であり、過失運転致傷罪という従来の交通事故と同じ罪名で比較的軽い判決を下す場合がしばしばです
当ブログで繰り返し指摘しているように、新しく設けられた危険運転致死傷罪を適用すると刑罰が重くなり、過去の判例と大きな食い違いが生じるのを裁判官は気にしているためです。裁判官に過去の判例を重視する考えが染み付いている結果でしょう
これでは危険運転致死傷罪を新設した意味がありません
2024年5月、飲酒運転のトラックが中央分離帯を乗り越えて暴走し、乗用車に衝突する事故があり、2歳のこどもを含む家族3人が死亡する事故がありました。逮捕された鈴木吾郎被告は飲酒運転を否定したものの、前橋地裁は鈴木被告の飲酒運転を認定し危険運転致死傷罪の上限にあたる懲役20年の判決を言い渡しています
群馬県伊勢崎市の国道でトラックを飲酒運転して車に衝突させ、家族3人を死亡させたなどとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)に問われた同県吉岡町の元トラック運転手、鈴木吾郎被告(71)の裁判員裁判で、前橋地裁は13日、求刑通り懲役20年の判決を言い渡した。懲役20年は危険運転致死傷の法定刑の上限となる。被告は飲酒運転を否定し、弁護側は法定刑の上限が懲役7年の過失運転にとどまると主張していた。
起訴状によると、被告は2024年5月6日、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態でトラックを走行させ、中央分離帯を乗り越えて対向車線にはみ出して乗用車と衝突。運転していた塚越寛人さん(当時26歳)と長男湊斗ちゃん(同2歳)=いずれも前橋市、塚越さんの父正宏さん(同53歳)=同県渋川市=を死亡させ、別の車を運転していた50代女性にも軽傷を負わせたとされる。
検察側は論告で、運転前の勤務先の検査で被告からアルコールは検出されなかったが、事故後の車内から220ミリリットルの焼酎の空き容器2本が食事のゴミと一緒に袋に入った状態で見つかったと指摘。被告は検査後に飲酒して事故を起こし、当時の血中アルコール濃度は基準値の5倍以上と推定されるとした。
事故直前には他の車に割り込まれたことに怒って時速90キロまで急加速させるなどしていたとし、「自己中心的で身勝手な犯行だ」と批判した。
これに対し、弁護側は空き容器は「青汁を飲むために家から持ってきた」などと飲酒を否定し、運転開始後は道路や周囲の車の状況に合わせて的確に走行できていたと反論した。被告は最終意見陳述で、法廷で突然土下座し、遺族に謝罪の言葉を述べた。
事故を巡っては前橋地検が24年9月、被告を自動車運転処罰法違反の過失致死傷で起訴したが、遺族らが厳罰を求めて署名活動を展開。地検は捜査を続け、約1カ月後に危険運転致死傷に訴因を変更した。
(毎日新聞の記事から引用)
鈴木被告は運転開始前の職場の検査では酒を飲んでいない状態ですが、運転開始後は焼酎を飲みながらハンドルを握っていたのでしょう。しかも常習化していたと考えられます。そうまでして酒を飲まずにはいられなかったのですから、アルコール依存症と考えられます。が、アルコール依存症であっても、こうした職場のチェックを掻い潜る行動をしている以上、意図的に飲酒運転を繰り返していたと判断されます
しかも、裁判でも飲酒運転を否認し、争っています
つまり鈴木被告には飲酒運転そのものに対し、罪の意識などないのが判ります。あくまで、「単なる運転ミス。交通事故にすぎない」と押し通すつもりだったのでしょう。が、飲酒運転は犯罪です
遺族にとって鈴木被告が懲役20年になろうと失われた3人の命が戻るわけもなく、辛いだけだとは思いますが、厳罰を求めて署名活動も実施し少しでも3人の無念に晴らすため尽力した結果だと墓前に報告できると思います
今後とも裁判所が危険運転による死亡事故に厳罰を科すよう望みます
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