未解決 名古屋主婦殺害犯の黙秘について
26年前の主婦殺害事件で容疑者として逮捕された安福久美子容疑者は現在、鑑定留置となっています。おそらく2月末までの期間でしょう。そこから精神鑑定結果を名古屋地検が検討し、起訴するかどうかを判断すると推測されます
前回も述べたように安福容疑者が26年前、重篤な精神障害であったと推認される情報(精神科への入院や通院歴)はありませんので、今回の鑑定留置は精神障害の有無を調べるのが狙いではなく、黙秘して何も語ろうとしない安福容疑者の内心を探るため、精神科医や臨床心理士に委ねたのでしょう
他方で、被害者の高羽悟氏は、安福容疑者の黙秘に怒り心頭です。安福容疑者と現場に残されたDNAの型が一致しており、容疑者であることが確実視される中、いまさら黙秘して事件について語ろうとしない安福容疑者の態度を強く批判していますし、安福容疑者に自供するよう説得しない
安福容疑者の家族をも批判しています
以下、デイリー新潮の記事から引用します。長文の記事であるため、一部分のみ引用しますので、全文を読みたい方はデイリー新潮のホームページを御覧ください
黙秘権が多用され、加害者は“黙り得”という現実 名古屋主婦殺害、被害者の夫が憤慨 「遺族をさらに傷つけるつもりか」
(前略)
「26年間お待たせして申し訳ありません」
と、担当捜査員から同級生逮捕の報告を受け、「事件解決」と思われたのもつかの間、罪を認めた容疑者が一転、口を閉ざす……。その一報を知った高羽さんは、やり場のない怒りを覚えた。
「憲法でも保障されている権利だということは理解しているつもりです。それでも正直に話をし、早く裁判に出て、判決をもらって刑務所に行く。それこそが安福が私たち遺族に対して見せるべき誠意だと思うんです。にもかかわらず黙秘したという事実は反省もなく、自己保身に走っているということに他ならない。だから求刑できる最大限の重い刑にしてもらいたい」
怒りの矛先は安福容疑者の親族にも向かった。
「なぜ安福にきちんと話すように説得ができないのか。家族にも腹が立っています」
安福容疑者は事件発生時、夫とまだ小さかった息子2人と共に暮らしていた。そんな土曜日の白昼、刃物を手に高羽さんの自宅へ向かい、奈美子さんの首を複数回刺して殺害。その際に手にけがをしている。当時、捜査に関わっていた愛知県警の元幹部が語る。
「犯人は現場のアパートから逃走した際、約500メートルにわたって1メートルほどの間隔で血痕を残しています。相当の出血量です。法医学の専門家を現場に連れて行き検証してもらったところ、縫合を伴う治療を必要とするけがで、病院に行かないと治らない可能性があったと。でも安福は病院に行っていないみたいだね」
安福容疑者は事件後、家族や周囲には事件のことを話していなかったというが、それだけのかげをしていたら、気付かれる可能性もあっただろう。高羽さんが訝(いぶか)しげに語る。
「安福の夫が、仕事で単身赴任とかしていたのであれば、けがに気付かなかった可能性はあるでしょう。でも少なくとも子供は気付くはず。その時は母親(久美子容疑者)から、例えば『包丁を使っている時にけがした』とうそをつかれていたとしても、今は大人です。彼らも26年間母親からだまされ続けたことになるわけだから、今回の逮捕を受け、遺族に償ったらどうかと説得をすべきではないのか。母親がそんなひどい犯罪に関わり、黙って生きてきて、容疑まで認めたのに、お前ら家族全員で遺族をさらに傷つけるつもりかと問いたいです」
(以下、略)
「容疑者・被告人は裁判で有罪が確定するまで無罪の推定を受ける」というのが日本の司法の建前です。そして黙秘する権利も憲法によって保障されています
なので、現時点で有罪が確定していない安福容疑者の家族までも批判する高羽氏の発言は、「行き過ぎ」と眉をひそめる方もいるのでしょう
ただ、稀に刑事事件の容疑者の親族が取材に応じ、「容疑者がいかに悲惨な境遇で育ち、社会の底辺で辛酸をなめてきたか」を語り、世間の同情を得ようとするのも1つの法廷外戦術です。4人を拳銃で射殺し金品を奪った永山則夫死刑囚の事件でも、彼の生い立ちがいかに過酷なものであったかをメディアが繰り返し報道し、世間の同情を呼ぶ役割を果たしました
同様に、事件の被害者遺族がメディアを介して容疑者・被告人を批判し、世間に理不尽さを訴えるというのも「あり」です。それらを禁じてしまったなら報道が成り立ちません
もちろん、そうした世間の同情や怒りに裁判官や検察官は流されないよう自らを戒めているはずです。が、世の中の空気というものは無視できません
いまさらメディアに、「安福容疑者の家族をつかまえ、その胸の内を聞き出して記事にしろ」などと求めるつもりはありませんが、すでにいくつものメディアが押しかけているはずです。それでも取材に応じず、沈黙を守っているのでしょう
ならばそれも加害者家族側の意思であり、1つの答えです
強いて憶測するなら、安福容疑者の家族は衣類やいくらかのお金を留置場に差し入れしただけで、面会もしていないのでは?安福容疑者の方から面会は断っているとか
安福容疑者は家族と会わず、言葉も交わさず、1人で裁判に臨み胸の内を明かさないまま判決を受け、ひっそりと服役する覚悟なのかな、と勝手に仮説を立ててみます
してみると、安福容疑者の黙秘の意味は、「口の出さず言葉にせずとも、ただ察してほしい」という高羽氏へのメッセージなのかもしれません
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