埼玉老人ホーム殺人 「死刑になりたかった」

かつて勤務していた老人介護施設に侵入し、高齢女性2人を殺害した容疑で逮捕されている木村斗哉容疑者(22)は、取り調べで「死刑になりたかった」と供述していると報じられています
ただ、その語るところは二転三転し、「被害者に恨みはなかった」とか「施設や被害者の側に原因がある」と言い出すなど、矛盾もあります
特段、精神障害を疑うべき言動はないので、事件後の混乱と精神的な浮き沈みを繰り返している状態なのかもしれません。犯行時は出入り口のナンバーキーを解除した上、手袋やマスクを着用し、凶器となるナイフも持参しており、十分に計画的な行動ができていたものと推測されます。もし精神障害による犯行なら、どこかちぐはぐな行動が見られるはずで、整然とした犯行は不可能です


埼玉・鶴ヶ島市の老人ホームで入所者の女性2人が殺害された事件で、逮捕された元職員の男が、殺人の疑いで再逮捕されました。
木村斗哉容疑者(22)は2025年10月、鶴ヶ島市の介護付き老人ホームで、入所者の上井アキ子さん(当時89)を首を絞めるなどして殺害した疑いで再逮捕されました。
木村容疑者はこれまでの調べで「施設や被害者に恨みはない」と話す一方で、「施設や被害者に原因がある」「死刑になりたかった」などと話すこともあり、供述が変遷しているということです。
木村容疑者は別の入所者の女性を殺害した疑いなどで逮捕されていて、警察は動機の解明を進めています。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)


上記の報道で気になったのは、「死刑になりたかった」という願望です。無差別の通り魔的犯行をする犯罪者の中には、この「多くの人を殺して死刑になりたかった」と死刑願望を語るケースが散見されます
もちろん、「死刑になりたかった」と語る殺人者に何らかの共通点がある…との前提であれこれ共通点捜しをするのは不毛であり、それぞれの個人史の中で何に絶望し、何に失望し、死を望むに至ったのか、なぜ死刑を求めるのか、をまず解き明かすべきでしょう
木村容疑者は22歳と若く、人生に絶望するほど長く生きたわけでもありません
キリスト教文化圏では自身が「原罪を背負っている」といった罪の意識から死を望んだり、キリストの死になぞらえて「処刑されることへの憧れ」を語る者(キリスト教では自殺を罪と見なし、これを禁じています。自殺は神による救済を信じない背教者の行いだと)がいたりするのでしょうが、それが日本人の心情に当てはまるとは思えません
法務省の法務総合研究所研究部報告50号は「無差別殺傷事犯の研究」で、173ページにもなりますが、いわゆる統計的な手法が中心で無差別殺傷事犯の年齢、片親家庭か、IQとか、性格傾向、非行歴などデータを分析した内容です。これは先述したように、「死刑になりたい」と無差別殺人を起こす者の共通項を探るやり方です。が、これで明確な特徴が掴めたりはしません
インターネット上に公開されていますので、関心のある方は一読ください


この他、インターネットで検索して見つけた論文はいずれも、無差別殺人事件から幾つかを選び、「犯人に共通する何か」を抽出して若者の生き辛さとか、他者とのつながりの希薄さを指摘する内容に留まります。研究の方向性が間違っているのではないかと言いたくなりますが、「それじゃ、お前がやってみろ」と反論されると自分の手には余ります
ざっくりとした印象では、「なぜ死刑になりたいと欲して無差別殺人に走る者がいるのか、日本では十分な研究がされていない」のでしょう
心理学研究など志す方がいたら、研究テーマとして取り組んで欲しいところです

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