韓国のロケット打ち上げ成功 得意満面?
11月27日、韓国の宇宙ロケット「ヌリ」の4号機が打ち上げられ、搭載の衛星を所定の軌道に投入したと報じられています
前回、当ブログでも指摘したように「ヌリ」の3号機打ち上げが2023年5月ですから、随分と間隔が空いています。これが予算の制約によるものなのか、技術的な問題なのか、よく判りません
ただ、今回の成功を受け、各韓国メディアは本格的な宇宙ビジネスに参入したかのような得意満面の報道を繰り広げています
商用として信頼を得るには10回連続して打ち上げを成功させる必要があると言われ、韓国が2回連続の成功で手を叩いて喜び、宇宙ビジネス参入で皮算用を始めるのは早すぎると思うのですが
韓国型ロケット「ヌリ」の4回目の打ち上げは韓国宇宙産業が民間中心体制に本格的に転換される分岐点と評価される。ハンファエアロスペースが設計から製作、組み立て、運用まで全過程を引き受けて遂行し、民間主導の宇宙ビジネスモデルが現実化段階に入ったという分析だ。
航空宇宙業界によると、今回4回目となる「ヌリ」の打ち上げは、ハンファエアロスペースが民間主導で国内で初めてロケット製作から組み立て、打ち上げ、運用まで全過程を遂行した事例として記録された。
今回の成果は単純な技術検証を越え、韓国がスペースXのように「宇宙輸送」市場に本格的に進入できる転換点を用意したという意味がある。特に大学、研究機関、民間企業が開発した衛星を民間のロケットで打ち上げる生態系が韓国でも本格的に稼働し始めた。
グローバル市場ではスペースXが再使用型ロケット技術で打ち上げコストを画期的に引き下げ、宇宙輸送市場を先に確保している。これに対抗してハンファは独自の垂直系列化生態系を構築している。宇宙専門組織「スペースハブ」を中心にロケットと発射インフラ、衛星製作、データサービスまで全過程をグループ内で遂行する方式だ。衛星打ち上げに続いて衛星基盤の偵察・通信・データ分析など高付加価値分野にまで事業を拡張するという戦略だ。
また、今後の5・6回目の「ヌリ」の打ち上げを通じて、山火事・洪水予測、港湾物流追跡、都市インフラ監視などに活用する衛星を順次打ち上げる計画だ。農作物生育状態を精密分析したり、小さな火を早期に捕捉して災害を予防したりするサービスも可能と予想される。衛星通信網構築事業も本格的な議論の段階に入った。従来の移動通信とは違い衛星通信は地球全域を連結でき、ローミングやUSIMの変更なく使用できる「国境のない通信環境」を実現できるという点で注目される。
軍事分野でも宇宙技術の接続が活発だ。ロケットエンジンや段分離技術など宇宙ロケット技術は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と技術的に似ている。ヌリ号は液体燃料基盤でICBMとは区別されるが、ハンファの防衛産業事業で核心技術の応用の可能性が高いという分析だ。
一方、今回の打ち上げには韓国航空宇宙産業(KAI)とHD現代重工業も主要な役割を遂行した。KAIは次世代中型衛星開発、「ヌリ」1段目タンク製作、組み立てを担当し、HD現代重工業は発射台システム全般の設計から構築、運用までを独自の技術で遂行した。
(以下、略。中央日報の記事から引用)
引用から省略した部分では、宇宙ビジネスの規模が2035年までに280兆円規模に拡大する(マッキンゼー・アンド・カンパニーの予想)を持ち出し、そこに割って入る気満々の記事になっています。つまり商売のことばかりで、科学への貢献といった側面はすっぱりと抜け落ちているのが特徴です
韓国の方針としては中・小型衛星打ち上げビジネスを展開し、大型衛星を打ち上げる中国やアメリカ、ヨーロッパとは違う路線を目指す、というものです。ただ、ビジネスとして成立させるにはより低価格でロケットを製造できるようにするとともに、成功率を90%以上に引き上げなければなりません
イーロン・マスク率いるスペースX社はファルコンロケットを年に160回打ち上げるという、驚異的な取り組みをしており、コストダウンも徹底しています
今後、韓国は「ヌリ」を2回打ち上げ、以降は新型ロケットに切り替える予定だそうです。が、年に1度の打ち上げではコストダウンなど覚束ないわけで、宇宙ビジネス参入は彼らが思い描いているより遥かに難しいはずです
韓国「ヌリ」4号機打ち上げ
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