執行猶予付き判決の直後に女子中学生にわいせつ致傷

世の中にはさまざまな犯罪者がいるものの、執行猶予付き判決を受けた足で再犯に至るケースは稀です(過去にも確かにこうした事件はあります)
平野悠容疑者(23)は前橋地裁太田支部で、ストーカー規制法違反や性的姿態撮影処罰法違反で拘禁刑2年6月執行猶予5年の判決を受け、釈放された後、にさいたま市へ鉄道で移動、帰宅途中の女子中学生を尾行したとされます。女子中学生がマンションのオートロックのドアを通り抜ける際に押し入り、「殺す」と脅して体を触ったものです


女子中学生に暴行を加えたとして、埼玉県警捜査1課、浦和西署の合同捜査班は21日、暴行の疑いで住居不定、無職の男(23)を逮捕した。県警は23日、容疑を不同意わいせつ致傷罪に切り替えてさいたま地検に送致する予定。男は犯行直前に群馬県の前橋地裁太田支部で執行猶予付きの判決を受け、釈放されていた。
逮捕容疑は、20日午後4時45分ごろ、さいたま市中央区のマンション敷地内で、帰宅途中だった同区在住の女子中学生に対し、後方から近づいて口を押さえ、首に腕を巻きつけて引き倒すなどの暴行を加えた疑い。調べに対し、「女性が一人で歩いているのを見かけ、体を触りたくなった。抱き付いたことは間違いない」と容疑を認めている。
前橋地裁太田支部などによると、男は犯行当日、性的姿態撮影処罰法違反やストーカー規制法違反の罪に問われ、拘禁刑2年6月、執行猶予5年の判決が言い渡されていた。
県警によると男は性的な目的で女子中学生の後をつけ、マンション敷地内で「殺すよ」などと脅迫して犯行に及んだ。女子中学生が抵抗し、男は逃走。犯行直後に女子中学生の父親が「娘が男から口をふさがれ、殺すよと言われた」と110番。防犯カメラの精査などから犯行を特定し、横浜市内で確保された。
2人に面識はなく、女子中学生は下半身に軽傷を負った。県警で詳しい状況を調べている。
(埼玉新聞の記事から引用)


埼玉新聞は神奈川新聞とともに、報道では容疑者の氏名を伏せるのを原則としています。それはメディアの方針なので構わないのですが(別の報道で容疑者の氏名は確認できますから)、埼玉県内や神奈川県内の読者は不便と感じないのでしょうか?
特に容疑者が3人も4人もいる事件の報道で、全員が匿名では誰が誰やら判らなくなってしまいます
話を戻し、どうしてそこまで平野容疑者が少女へのわいせつ行為に執着するのか、謎です
執行猶予5年というのは最も長い扱いであり、裁判官が「再犯の可能性が高い被告」だと認識しているからこそ、5年もの期間を設定しているわけです。痴漢行為や盗撮を繰り返す性犯罪者、ストーカー行為をエスカレートさせている者などに執行猶予期間は長めとなります
当然、平野容疑者は判決言い渡しの際に執行猶予の意味を説明されたはずであり、執行猶予期間内に再犯に至れば執行猶予が取り消され、原判決の拘禁刑2年6月が執行され(刑務所に収監され)ます。さらに新たに再犯分の刑罰も加わります
平野容疑者のわいせつ行為で被害者は負傷していますので、不同意わいせつ致傷罪に問われ実刑が科されるのは確実です
なお、この事件について、とあるブログでは「この事実は、多くの人々に少年犯罪に対する更生制度の有効性や、刑罰のあり方について改めて考えるきっかけを与えています」と書いている方がいるのですが、平野容疑者は23歳であって少年犯罪の範疇には含まれません。また、更生制度の不備を指摘しているのですが、保護観察付き執行猶予制度への言及はないため、ブログ主は保護観察付き執行猶予制度を知らないのだと思われます
本件も裁判官が執行猶予期間5年とするなら、保護観察付きの執行猶予とすべき事案であったと考えられます。裁判官がなぜ保護観察付き執行猶予としなかったのかは不明ですが、せっかく保護観察制度が存在するのですから活用すべきでしょう
もし平野被告に保護観察付き執行猶予が言い渡されていたなら、判決言い渡しの後で保護観察所に出頭する必要があり、当日の行動が変わっていた(被害者とは出会わなかった)と考えられます

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