未解決 名古屋主婦殺害犯の精神鑑定は必要?

テレビのワイドショー・ニュース番組では名古屋主婦殺害事件について、さまざまなコメンテーターが発言をしています。さまざまな立場や見識から事件について語ることも必要だと思って見ています
ただ、心理学者などからコメントを取るのは随分と酷な感じがします。安福容疑者については詳細な報道もなく、彼女がいかなる人間なのかも不明な状態で、専門家としてコメントしろというのは欲張りすぎでしょう
精神科医であれ、犯罪心理学者であれ、直接問診もしていない容疑者について突っ込んだコメントはできません。あくまで一般論を語るだけです
しかし、テレビとしてはズバズバと切り込むようなコメントを求めるわけで、番組を見ていて精神科医や心理学者の方たちが気の毒でなりません


コメンテーターで出演の亀井正貴弁護士はMCの宮根誠司氏に「警察が任意ですけどDNAの鑑定をさせて下さいと言ってきた。安福容疑者にとっては26年経って、かなり自分に捜査の手がのびてるというプレッシャーになって出頭ということなんですかね?」と聞かれると「これは決定打だと思うんですよね。一般的にDNA鑑定で資料を出してくれませんかと言うような問いかけというのは、かなりプレッシャーがかかると思います」と即答。
今回の事件で悟さんではなく妻の奈美子さんに攻撃の刃が向けられた事について聞かれると「私はあまり見たことがないですね」と答えた上で「おそらく、ご主人に対する恨みなのか、あるいは、ご主人を好き過ぎて強い嫉妬が被害者に向かったのか、だけど、対象の選定に対する疑問がありますから、私は一定の責任能力の疑いは持つべきであって。おそらく鑑定留置をかけて、ちゃんと精神構造の流れというのを解明しておくべき事案だと思います」と説明。「動機が解明しにくいということですから、他の事件でも本来、被害者に行くべきなのが別のところ(被害者)に向いてしまうというのはある。この乖離の部分をいかに精神構造(の分析)で埋めていくといことですから、どこまで、そこを解明できるかというと難しいものがありますね」と話していた。
(スポーツ報知の記事から引用)


「鑑定留置すべき」と亀井弁護士は述べています
しかし、安福容疑者が美奈子さんを殺害した動機を自ら説明できるのであれば、鑑定留置は必要ないだろうと自分は思います。もちろん、安福容疑者の語るところが「真実」というわけではなく、かなり回りくどい説明だったり、真相をぼかした物言いだったりするのかもしれません。そのぼかした物言いから捜査担当者が安福容疑者の真意を推察する能力があれば、およその見当がつくはずです
ただ、警察官は容疑者が語った内容を調書にまとめることばかり気を取られていますので、「容疑者が語ろうとしない何か、に着目しろ」と求めても対応するのは難しいのか?
精神分析の場合、語られた内容ばかりを追いかけることはしません。むしろ、語られないこと、語ろうとしないことにこそ重要なものが潜んでいると考えます
また、精神科医も精神病といった病理については専門家ですが、本件の安福容疑者の精神構造を解き明かせと要求されては、手も足も出ない可能性があります
ですから精神鑑定をしようと考えても、一体誰に担当してもらうのか、検察官も迷うはずです
かつては福島章とか小田晋といった精神鑑定の大家が日本には存在しており、猟奇的殺人事件などはこの二人のどちらかに鑑定を依頼するのが定番でした

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