アディーレ法律事務所殺人 渡辺容疑者の動機は

今年の7月1日、池袋のサンシャイン60にあるアディーレ法律事務所内で同社の事務員を殺害し逮捕された渡辺玲人容疑者(50)は、2か月間の鑑定留置となっています。その期間は9月半ばですから、とっくに鑑定留置は終了しているか、あるいは期間をさらに1か月延長したものと推測されるのですが、何ら報道がありません
事件を振り返るため、逮捕時の模様を報じた記事を貼ります


渡辺容疑者は1日昼、「サンシャイン60ビル」31階の法律事務所内で、同僚の芳野大樹さん(36)(豊島区南長崎)の喉や首などをナイフで複数回刺した容疑で緊急逮捕された。
捜査関係者によると、2人は数年前から勤務し、現在は別の部署に所属。フロアは同じだったが、席は離れていた。トラブルは確認されておらず、事件当日も接点はなかったという。
渡辺容疑者は6月上旬、知人に「人を刺して刑務所に行く」と話し、連絡を受けた父親が警察に相談していた。渡辺容疑者は調べに「約1か月前にナイフを購入した」と供述。事件後、出頭した際には3本のナイフを所持していた。自席から直行して、芳野さんを無言で背後から襲っており、警視庁が事件に至った経緯を詳しく調べている。
(読売新聞の記事から引用)


殺害された芳野さんは36歳で仕事もテキパキとこなし、職場のリーダー格という存在でした。対する渡辺容疑者はやる気の感じられない窓際族で、仕事も遅く同僚の手伝いもしないという、「働かないオジサン」だったようです
2人は同じフロアで勤務していますが、職務上はまったく別の部署であり接点がありません
しかし、渡辺容疑者は「(芳野さんから)繰り返し嫌がらせを受けていた」と供述し、「いつも監視されていた」とも主張しています
ただ、実際は芳野さんを監視していたのは渡辺容疑者の方なのでしょう
テキパキと仕事をこなし、職場のリーダー格として周囲からも信頼されていた芳野さんは、いわば渡辺容疑者にとって「理想の自分」だったと思われます。つまり、理想の姿に憧れる渡辺容疑者(主体)と理想的な社員=芳野さん(客体)が入れ替わっており、監視しているはずの渡辺容疑者(主体)が監視される側(客体)に入れ替わっています
こうした現象を精神分析では羨望と呼ぶのですが、専門的な話はともかく、こうした憧れには強い嫉妬・敵意が伴います
憧れる対象・理想像が即ち自分ではなく他者だからです。どうしようもなく悔しく、恨めしく、憎たらしく、消し去ってしまいたいとの思いが殺意になっても不思議ではありません。芳野さんが職場にいる限り、渡辺容疑者は芳野さんを妬み続けなければならず、悔しい思いを噛み締め続けなければならないのですから
ただ、渡辺容疑者は犯行当日まで出勤しており、日常生活が破綻していたとは考えられませんので、統合失調症のような重篤な精神障害を疑うのは無理があります(犯行後も自分で交番に出頭しており、錯乱状態ではなかったのでしょう)
鑑定留置の結果がどうなるのか不明ですが、刑事責任を問うことはできるものと推測します

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