84歳女性殺害 千葉の中学生は少年院送致

今年の5月、千葉市で84歳の女性が通りすがりの男子中学生に背後から刃物で刺され、殺害される事件がありました
逮捕された中学3年生の少年は「家にいたくない」旨の供述をしていたようですが、その背景や家庭環境など報道されないままでしたので、当ブログとしても取り上げにくく放置してきました
この度、千葉家裁で少年審判があり、少年院送致の決定があったと報じられていますので取り上げます


千葉市若葉区の路上で5月、近くに住む84歳の女性が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の非行内容で家裁送致された市内の中学3年の少年(15)について、千葉家裁(地引広裁判長)は10日、少年院に送致する決定を出した。少年院に対しては、処遇期間を相当長期間とするよう勧告した。
少年は5月11日午後5時5分ごろ、同区の路上で、刃物で高齢女性の背中を突き刺して殺害した疑いで翌日逮捕された。少年は県警の調べに「家庭環境に不満があった」「少年院に行きたかった」という趣旨の供述をしたとされる。
決定は、少年は無関係の高齢女性をナイフで背後から刺しており「被害者にとっては理不尽というほかない」と非難。家族への悪感情から家を出るために無関係の人を殺そうとした動機も「極めて自分勝手なもの」とし、刑事処分が相当として検察官送致(逆送)とすることも「考えられないわけではない」とした。
一方、事件後も少年が深く反省できていない原因として、家庭環境などの「少年に帰責できない事情に影響を受けた部分が相当程度ある」と指摘。観護措置期間中の変化をみると、保護処分によって矯正できる可能性も「ないとはいえない」として保護処分が相当と判断した。
その上で、少年の問題性などを考慮すると、少年院に送致し、相当長期間の矯正教育を受けさせるのが適当と結論づけた。
少年の逮捕・送検後、千葉地検は少年の精神状態を調べるための鑑定留置を実施した。7月18日に刑事責任能力が問えると判断して家裁送致していた。
(朝日新聞の記事から引用)


中学生がこんなひどい事件を起こすのか、と思われる方も少ないないのでしょう
未成年者による殺人事件は太平洋戦争集結後の時期が多かったのですが、その後も年間200件前後で推移してきました。つまり新聞沙汰にはならないものの未成年者による殺人は一定数、あったというのが現実です
ただし、そうではあるものの、個々の事件を見ればあまりに簡単に人の命を奪う犯行であったり、倫理の欠片もない非道な犯行だったりとさまざまな問題を含んでいます
本件の場合、家庭の状況や親との関係がどうであったのかが重要ですが、家庭裁判所の審判結果は公開されませんので、詳細は不明のままです
ただ、逮捕後は鑑定留置が行われていますので、取り調べの中で不可解な言動があったり、精神状態を疑うような振る舞いが見られたのかもしれません
刑事事件の手続きでは刑事責任を問えない状態(精神障害など)があれば不起訴とし、裁判そのものは行われません。しかし、少年審判の場合は要保護性を問うのが主眼ですから、たとえ精神障害が認められたとしても審判が行われ、家庭裁判所が何らかの決定を下します。自分が経験した例では、15歳の少女に統合失調症の疑いがあるとして不処分の決定を下した後、精神保健福祉法による措置入院の手続きをした事件がありました
さて、上記の記事件では「相当長期の矯正教育が必要」とされていますので、おそらく20歳になるまでを目処として少年院が個別的処遇計画を
作成すると推測されます。「少年院に送っても1年くらで出てくる」とか言う人もいますが、それは実務を知らない人の誤解です

(関連記事)
佐世保高1女子殺害事件を考える16 医療少年院で収容継続
佐世保高1女子殺害事件を考える13 審判結果の是非
佐世保高1女子殺害事件を考える12 医療少年院送致
留萌女子高生殺害 小西被告に懲役23年判決
留萌女子高生殺害 19歳の共犯の実名公表
留萌女子高生殺害 監禁手伝った共犯者は少年院送致
留萌女子高生殺害 女2人を殺人容疑で逮捕
男女中学生の強盗致死事件 少年院送致決定
男女中学生の強盗致死事件 監禁致死容疑で家裁送致
男女中学生の強盗致死事件 主犯は当時13歳中学生
広島少女遺棄事件 主犯少女に懲役13年判決
広島少女遺棄事件 7人で集団暴行か?
日進強盗殺人事件を考える5 懲役8年以上13年以下
日進強盗殺人事件を考える1 強盗目的を否認