神戸マンション殺人 谷本容疑者を鑑定留置

神戸市でストーカー行為を繰り返した末、オートロックをすり抜けてマンションに侵入し女性を殺害した谷本将志容疑者について、神戸地検は鑑定留置を請求しています
ここ最近、鑑定留置をして精神鑑定を求めるケースが目に付くのですが、昔に比べて異常な犯罪が増えている…というわけではなさそうです
公判で被告の責任能力が争点になるため、予め精神鑑定を実施してるという側面があるのでしょう
ただし、谷本容疑者は犯行前まで運送会社で問題なく勤務しており、重篤な精神障害を抱えていたとは考えられません。おそらく責任能力云々ではなく、谷本容疑者の奇橋極まりない行動について精神科医による見解を得るのが狙いと推測します


犯罪者心理に詳しい新潟青陵大学大学院の碓井真史教授は「心理学では“認知の歪み”と言います」としたうえで次のように話す。
「ストーカーにはさまざまなケースがあります。元恋人や元夫が復縁を迫ってしつこく追いかけたりしますが、街中でたまたま見かけて好意を持ち、名前も知らないのに執着することもあり得ます。認知の歪みがあると、嫌われるような行動でも“相手もそれを待っているはず”などと自分に都合よく考えてしまうのです。女性に危害を加えるのは、このタイプが多い。女性を思いどおりにしたいという支配欲が強いのです」
コミュニケーション力を評価されていたというから、普通に声をかければよかったのではないか。
「そうしなかったのは、いくつかの可能性が考えられます。経歴や条件を書き込むようなマッチングアプリには自信がなかったのかもしれません。あるいはストーキング自体を楽しんでいた可能性もあります。被害者の勤務先周辺を何日もうろついて出退勤を見るなど、まるでゲームを楽しんでいるかのようです」(碓井教授、以下同)
5年前はつきまとうだけだったのに、3年前は首を絞める暴行に至り、今回は刃物で刺すまでエスカレートした。
「刃物で脅せばおとなしく話を聞いてくれるのではないか、と考えた可能性はあるでしょう。過去の失敗を踏まえてゲーム感覚で“今度はうまくやろう”とレベルアップしたつもりだったのかもしれません。これは罰金や実刑判決では治りません。治療する必要があったと思います」
夏休みをフル活用した身勝手で残忍な犯行。2022年の事件で実刑判決だったとしても刑期満了しているほか、保護観察がついていたとしても犯行を防げた保証はない。再犯防止に向けた治療やカウンセリングを受けていれば……と考えずにはいられない。
(以下、略。週刊女性の記事から引用)


まず、「保護観察がついたとしても反抗を防げた保証はない」と記者は書いているのですが、そこは保護観察付き執行猶予にする際、保護観察所が遵守事項を設定し、「ストーカー行為を繰り返さないよう医療機関で治療を受ける」と本人に義務付ける(本人にストーカー行為を繰り返しているとの自覚を持たせ、治療の動機づけをする)というのが道筋です。治療を受けさせないまま、月に1度保護観察官にところへ出頭させるだけでは意味をなしません
また、犯行がエスカレートしているかのような記事の書き方になっているわけですが、本当にそうなのか、よくよく検討する必要があります
確かに本件では被害者を躊躇なく刺殺しており、殺人事件であるのは間違いないにしても、谷本容疑者はストーカーとしての己の欲望を満たすために行動していたはずで、殺害そのものが目的ではなかったはずです。つまり、好みの女性を物色し、後をつけ、どこに勤めているのか、どこに住んでいるのか1つ1つ突き止め、女性の領域にじわじわと迫るのが快楽なのです。ターゲットとなる女性を殺害してしまったのでは、その快楽を見ずから断ってしまうことになり、谷本容疑者の本望だとは考えられません
おそらく殺意はなく、刃物で脅し従属させ、彼女の部屋へ入り込むことこそ谷本容疑者の狙いだったのではないか、と
この場合、女性の部屋に入り込む⇒セックス以上の意味を持つと精神分析の側からは考えられます。いわば女性の部屋は女性の子宮と同じ存在であり、そこへ入り込むことで性的な欲望が満たされる…といった夢想を谷本容疑者は追いかけていたのかもしれません
女性とセックスするだけの関係を求めているのではなく、もっと根源的な胎内回帰願望のような欲求を抱えていたのでは。これは前にも書いたように母親から見捨てられた体験が大きく影響しており、セックス以上のもっと根源的な結びつきを得たいとの希求でしょう
谷本容疑者にとって帰るべき場所は神戸であり、母親に受け入れてもらうことだったのではなかったのか、というのが自分の仮説です
こう書いてしまうと飛躍しすぎ、と受け取る方も多いと思います。が、精神分析とはどれだけ突飛であろうと、本人がそうと納得するかどうかが重視されます
ただ、不幸にして女性に抵抗され、刃物で刺し殺してしまった(もちろん被害者女性が抵抗したり、悲鳴を上げるのは当然であり、彼女に落ち度はありません)というのが、谷本容疑者の言い分なのでは

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