戦争遺品 ネットオークションに大量出品

時事通信の記事に、「戦争遺品がネットオークションサイトに大量に出回っている。散逸を防ぐためにも国が収集する施設を作るべき」との主張がありました
以前、当ブログでは長崎の原爆資料館の話を書きました。寄贈される原爆被害関連の遺物が多すぎ、整理も分類もできない状態にあるのだとか
8月になると原爆被害者を取り上げたニュースが目に付くのですが、肝心の原爆資料館がこの状態では何ともお粗末な気がします。お粗末と表現するのは語弊があると思うものの、長崎の原爆資料館には学芸員が3人(うち臨時雇1人)ですから、資料の整理もままならないのがよく判ります
毎年、長崎市は多大な費用をかけて原爆被害者の追悼式典を行っているわけですが、式典規模を大幅に縮小して費用を圧縮し、原爆資料館の学芸員を増やして対応してはどうか、と思ってしまいます
学芸員は単に展示物の整理や分類を行う職務ではなく、本来は原爆資料の研究を担う立場です。肝心の研究もできない状態なのに、毎年賑々しく式典を行い、平和宣言なるものを市長が読み上げる…のに多額の費用を投じるのはどうか、と
戦争関係の遺留品の扱いについても、国費を投じてハコモノを建設し、そこの遺留品を大量に収集してもどうなるものか、と懸念します
通常展示と年に数回の特別展くらいはできるにしても、それが有効活用なのかは疑問です。学芸員を大量に雇用し、研究活動をさせるならともかく(もちろん、費用がかかります)


終戦から80年を迎える中、ネットオークションでは軍刀などの戦争遺留品が大量に出品され、散逸に歯止めがかからない。
ネット上の売買では遺留品の出所が分かりにくく、遺族に返還できないケースも多い。専門家は「国が専用の施設を設立し、遺留品を保護するべきだ」と訴えている。
米国の大手オークションサイト「イーベイ」では、旧日本軍の軍刀や防空頭巾といった遺留品が売買されている。「第2次世界大戦 日本 オリジナル」と日本語で検索すると、2万件以上がヒットする。軍刀は260ドル(約3万8000円)、ガスマスクは600ドル(約8万9000円)の値が付いている。
戦争遺留品のネット販売を巡っては、厚生労働省が約10年前、遺族や民間団体の要請を受けて出品の自粛を呼び掛けた。オークションサイトの運営会社にも自主規制を求めたが、あるサイトで「旧日本軍」と検索すると元特攻隊員の水筒や千人針など3500件以上がヒットするなど事実上野放しのようだ。
ネット上では収集家による売買が繰り返され、元の持ち主が分からない遺留品が増えている。遺留品を遺族に返還する活動を行う米国のNPO法人「キセキ遺留品返還プロジェクト」の代表ジャガード千津子さんは「遺留品がいつ誰によって、どこから持ち帰られたかの情報を得ることが非常に難しい」と顔をしかめる。
ジャガードさんによると、出品される遺留品の数は数年前とほぼ同じ一方、遺族に返還できる数は激減している。「今はネットオークション上の95%ほどが出所不明の遺留品だ」と話す。
駒沢大の加藤聖文教授(日本近現代史)は、戦争遺留品の散逸に強い危機感を示す。加藤教授によると、遺族らが民間の資料館に遺留品を寄付しようとしても、収納スペースが足りないなどの理由で断られるケースが多いという。受け入れられなかった遺留品は捨てられたり、ネットオークションに出品されたりしているとみられる。
加藤教授は「戦争関連施設は歴史認識の違いから設立が難しい場合もある」とした上で「終戦から間もなく80年となり、戦争の是非を問う局面ではなくなった」と指摘。「あの戦争は何だったのか。遺留品を通じて皆で考える施設を国が造るべきだ」と話している。 
(時事通信の記事から引用)


日本に進駐してきたいわゆる進駐軍が、あれやこれやと土産として持ち去ったものも多いのでしょう
ただ、防空頭巾や軍刀にどれだけの戦争遺留品としての価値があるのか疑問です。旧日本兵の使っていた水筒を100個、公費を使って収集する意味はないはずで、1個あれば十分です
ましてや、これらの戦争遺留品を収集して展示する施設を東京都内のどこかに建設するとなれば、数百億円の公費が必要となります
戦争の記憶を語り継いていかなければならないとの使命感は理解します。が、単に戦争遺留品を並べて展示するだけでは、その役割は果たせません。戦争遺留品を大量に集めるという、収集自体が目的化するのは本末転倒でしょう
有志がお金を出し合い、展示施設を作るろうというなら反対はしませんが、国の施設となればその目的や運用方針などなどモメて収拾がつかなくなるのでは(軍国主義を賛美している、などと横槍を入れる政党が出てきます)
どこの国にもマニア、コレクターがいるわけで、そうした好事家がネットオークションで戦争遺留品を買い漁るのを中止させるのは不可能です
ポケモンカードだろうと、特攻隊員のハチマキであろうと、金を出して買おうとする人はいるのですから
戦没者の遺品を取り戻したいと思う遺族の気持ちを無視する気はないのですが、だからといって公費を投じてネットオークションに参入し、日本政府が戦争遺留品を買いまくるべきだとは思えません

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