性犯罪者データベース 私立学校はほとんど利用せず

性犯罪で教員免許が失効した者をリストアップしたデータベースを文部科学省は運営を始めました。が、私立の幼稚園や小中高では利用が低調だと報道されています。全国の私学のうち75%が利用しておらず、学内の教諭が性犯罪歴を有しているのかまったくチェックしないまま、というお粗末な実態が明かされています
児童・生徒の安全を守ること以上に優先すべきものはないはずであり、その認識の甘さに愕然とします


私立の幼稚園や小中高校を運営する学校法人などを対象にした文部科学省の調査で、回答した75%にあたる5480法人が、教員採用の際に児童生徒へのわいせつ処分歴の有無を国のデータベース(DB)で確認していなかったことがわかった。教員による児童生徒性暴力防止法は、DBでのチェックを義務付けており、法令違反となる。
同法でDBでの確認を義務付けたのは、児童生徒へのわいせつ行為で懲戒解雇や免職となった元教員が再び教壇に立つことを防ぐのが狙い。DBは2023年度から運用が始まり、公立は教育委員会、私立は学校法人が利用登録し、採用の判断材料に使う。
文科省はDB開始1年にあわせ、昨年5~8月、全国の私立学校を運営する8164法人に23年度の活用状況を調査。7258法人から回答があった。今回、私学でのDB未登録が多いため調査した。
文科省は今年3月、私学を所管する都道府県や政令市を通じ、DB使用の徹底を求める通知を出していた。
調査によると「(DBの利用)登録をしていない」が3062法人、「登録をしているが活用できていない」が2418法人で、回答した法人の75%の5480法人がDBを使っていなかった。使わない理由は「義務が課せられていることを知らなかった」「教員免許の有効性を確認するシステムと勘違いした」などだった。
公立は全教育委員会が利用登録をしている。ただ、同省は、全ての採用で使っているか確認していない。
教員によるわいせつ事件は公私立を問わず起きている。名古屋市と横浜市の市立小学校教員2人は6月、女子児童の下着の盗撮画像などを教員らのSNSグループチャットで共有したとして愛知県警に逮捕された。
学校の法令順守に詳しい淑徳大の坂田仰教授(教育制度論)は「私立学校に法令順守を指導する自治体の人材が十分でない。国は、DB確認をしていない学校法人の公表など、学校の対応を促す仕組みを作るべきだ」と指摘する。
(読売新聞の記事から引用)


一般論として、公立学校の教諭をしていた際に盗撮や強制わいせつで懲戒処分を受けた人物が、その後、私学の教員採用に応募してまんまと採用されるケースが考えられます。あるいは学習塾の講師など、教育関連事業に入り込む可能性があります
なので、新採用の教員のみならず、すでに就労している教員の中にも性犯罪の前科を抱えている者が紛れ込んでいるかもしれません
文部科学省のデータベースは児童・生徒への性暴力で教員免許状を失効・取り上げになった者、2498人が登録されています。連日のように教師による性犯罪が報道されており、直近では年間300人もの教員が性犯罪で懲戒処分を受けていますので、登録される者はますます増えるのでしょう
また、私立の小中学校では教諭による性犯罪があったとしても、公にすると学校の対面が傷つくとして警察に届け出たりせず、こっそりと処分して決着させてきたケースもあったのでは?
公立の学校に比べて性犯罪に厳しく対処する姿勢に欠けているのではないか、と懸念されます

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