中国メディア「熱血アニメ不振は日本の視聴者高齢化のせい」

レコードチャイナの記事に、「日本アニメから熱血ヒーロー物が消えた」と指摘し、その原因は日本のアニメ視聴者が高齢化しているためだとか、「日本社会の活力が失われた結果熱血アニメがウケなくなった」など適当な理由を挙げています
当ブログでは以前から、中国メディアによるアニメーション作品や漫画作品への批評は低レベルすぎる、と指摘してきたところです。が、またもやトンチンカンな批評を出しており、何も進歩していないと思うばかりです
「日本社会の活力が失われている」との言い分は、彼ら中国人の願望でしょう。どこを見て言ってるのかと
高齢化の進捗と経済停滞の影響は中国の方が遥かに深刻な状況にあるわけで、鏡を見てから言ってもらいたいものです


2025年3月16日、中国のQ&Aサイト・知乎に「2020年以降、『ぼっち・ざ・ろっく!』や『葬送のフリーレン』のようなアニメ主人公が『熱血』から離れた傾向にあるのではないか?」との話題が掲載された。
これに回答したあるユーザーは、「それは日本人が疲れてしまったからだ。アニメの生産国である日本自体が、以前のような情熱を失っている。ただし『熱血系』の作品が世界的に消えたわけではない。むしろ、日本以外の国では今も人気がある。
今期の新作アニメが始まる前、ほとんどの人が『BanG Dream!Ave Mujica』が今期トップになると確信していた。
しかし、実際に再生数を稼いだアニメは『俺だけレベルアップな件』の第2期だった。同作は、韓国のウェブ漫画を原作とする、典型的な熱血バトルアニメ。どれほど熱血なのかというと、なんとメインヒロインが登場しないほどである。普通、バトルアニメでも恋愛要素やヒロインとの絡みが入るものだが、この作品にはそういった要素がほとんどない。物語はひたすら戦闘シーンが続き、恋愛どころか、よくある水着回やお色気要素のあるエピソードすら存在しない」と述べた。
続けて、「『BanG Dream!Ave Mujica』が『俺だけレベルアップな件』に敗れたのは、単に脚本の問題だと考える人もいる。しかし、データをを詳しく調べると、実際にはそうではないことが分かる。『俺だけレベルアップな件』は、中国の動画共有サービス・bilibili(ビリビリ)で約3週間遅れで配信されたにもかかわらず、初週から『BanG Dream!Ave Mujica』を上回る再生数を記録していた。しかも、配信の遅延や違法視聴への流出、続編作品であることによる新規視聴者の減少など、不利な要素が多かったにもかかわらず、多くの視聴回数を獲得した。つまり、唯一の説明できることとしては、このような熱血系の作品は、視聴者層が非常に広く今でも十分な需要があるということだ」と論じた。
その上で、「では、なぜ日本では熱血系アニメが流行らなくなったのか?問題は作品そのものではなく、日本のアニメ視聴者にある。
あるネットユーザーの統計によると『俺だけレベルアップな件』は、世界的には今期の総合評価で2位だが、日本のアニメコミュニティーでは評価が低い。つまり、日本の視聴者が熱血系アニメを好まなくなったことがはっきりと示されている。
この傾向は『鬼滅の刃』の時期から顕著になっている。以前は『進撃の巨人』のように、男性向けの作品がアニメ市場を支配していた。
しかし『鬼滅の刃』をきっかけに、アニメ市場は女性向け作品の比重が大きくなっていった。これにより、男性視聴者も女性向け作品を見るようになり、かつてのような熱血バトルアニメが主流ではなくなったのだ」と推察した。
(以下、略。レコードチャイナの記事から引用)


長々と引用しましたが、相変わらず中身がありません
「俺だけレベルアップな件」をやたら持ち上げていますが、しょーもない駄作です。日本のアニメファンの評価が低いのも当然で、やたら派手で空虚なバトルシーンが盛り込まれているだけの、こんな作品のどこが面白いのかと思うばかりです
日本以外の国では、この空虚でバカバカしいバトルシーンがウケるのでしょう。が、そこに新しさなどありません。日本のアニメファンからしたら見る価値もなく、語るべき価値もない作品でしかないのです。中国の視聴者はこんな低レベルな作品にワクワク、ドキドキしているのか、と
中国では劇場版アニメ「哪吒之魔童閙海」が大ヒットしているそうですから、「俺だけレベル…」のような、中身のないバトルアニメがウケるのも頷けます
他方で、「葬送のフリーレン」は脱力系でも日常系でもなく、よく練られたストーリー構成と秀逸なキャラクターづくりがされ、作画のレベルも格段に高い作品です。であるからこそ、世界一アニメーション作品にうるさい日本のアニメファンを魅了できたのであり、「俺だけレベル…」とは段違いです
来年1月から「葬送のフリーレン」の新シリーズが始まりますので、楽しみです
さて、日本のアニメファンが「熱血系アニメ」を見限ったわけでもありませんし、高齢化によって好まれる作品が変わったと決めつけるのも早計でしょう。おそらく作り手側の意識の変化が大きく影響しているのではないか、と推測します
単純な完全無欠にして最強のヒーローなど描くのは退屈すぎて、日本のアニメーターたちの好むところではなく、さまざまな工夫を凝らして描いてきました。なので、次には新たな形(従来とは異なる描き方)での「熱血系アニメ」が登場するのかもしれません

「俺だけレベルアップな件」からの抜粋

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