池袋地下アイドル殺害事件 精神鑑定結果から考える

文春オンラインの記事に、諸岡宏樹著「実録 性犯罪ファイル猟奇事件編」(鉄人社刊)からの抜粋として、2022年7月に起きた「池袋地下アイドル殺害事件」が引用されています
この文春オンラインの記事をきっかけに当ブログの記事にもアクセスが殺到し、昨夜はブログが閲覧できない状態になりました。週刊誌がネタ切れの幕間を埋めるため、過去の猟奇殺人事件を引っ張り出すのはあるあるです
ただ、この事件については当ブログも1度取り上げただけで、細かな背景や公判の模様など報道を追っていたわけではありませんので、改めて周辺の情報など集め言及しようと思います
まずは宮城祐太被告がどのような人物だったのか、を取り上げます


宮城容疑者は、見沼区にある築50年の木造2階建て、家賃6万円ほどのアパートで、母親と2人で暮らしていた。近所の住民によると、
「10年ほど前から60歳を超えたぐらいのお母さんと住んでいました。息子さん(容疑者)は170センチメートルぐらいで、ちょっと小太り。会ったら挨拶はしますが、口数の少ないおとなしい人という印象です」
別の住民は容疑者親子について、
「2人とも働いてるね。すごく早朝だったり、夕方から出かけたりしていたから、24時間営業のコンビニや夜から営業する居酒屋あたりじゃないかな。容疑者は服装からして、サラリーマンという感じもしなかったから」
(週刊女性の記事から引用)


以下、相馬獄長さんのブログに書かれた傍聴録を要約とさせてもらいつつ、さらに自分の見解も加えて書きます
公判では精神鑑定を担当した人物の証言があり、宮城被告の鑑定結果を説明しています
その特徴として軽度の知的障害が指摘されています。IQは73。いわゆる知的障害者と判断する国の基準はIQ70以下です。ただ、これが絶対的な指標となり、知的能力を指し示すの解釈するのは早計です。言語の発達や計算能力、記憶をしまたそれを思い出す能力など、さまざまな知的活動の能力がところどころ低くなっているため、学校生活で落ちこぼれるケースも少なくありません
宮城被告の場合は、計算能力に問題があり、複雑な会話や交渉事、読み書きに困難な面があったため就業に苦労した、と判明しています。ただ、決まり切った動き、対応、表面的な会話などに支障はなく、コンビニエンスストアのアルバイト店員としては十分、稼働できたようです
続いて、性的サディズムやマゾヒズムの傾向が指摘され(これらを別々に分けず、表裏一体のものと精神分析では扱います)。加えて、フェティシズムの傾向もあったと指摘されています。これは被害者女性に経血の提供を要求し、それを飲む行為に宮城被告が執着を示していたゆえ、のようです
その他、怒りを爆発させやすいなど、感情統制が十分にできない面なども指摘されていますが、割愛します
総じて精神鑑定結果としては、被害者女性を盲目的に愛着し交際関係にあると誤信していたわけではなく、醒めた感覚で接していたと説明しており、独占したり自分のものにできないと分かっていた…と結論付けています。それでも自分の欲求に従わせたいと欲し(つまりは、宮城被告が望むプレイを彼女と2人で興じることを求めた)、被害者女性の奴隷として扱われ、罵られ、体にタバコの火を押し付けられるなどなど、マゾ的な性交渉をかなえたかったようです
なので、この事件の外見であるところの、暴力的な男が一方的に地下アイドルの女性を蹂躙し、暴行し、殺害して首を切断した…との印象とは随分と異なる真相があったと精神鑑定結果で明かされています
だとしても宮城被告の犯行が擁護されたりはしません。自らのが望む変態プレイに引き入れようとし、拒絶されたので殺害したことに変わりはありません

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