帯広女性教諭殺害事件 差し戻し審で懲役12年判決
2022年5月、帯広で女性教諭が殺害された事件で逮捕、起訴された元高校教諭片桐朱璃は1審の釧路地裁で懲役6年6月の判決を受けました。殺害された女性教諭と不倫関係にあり、別れ話がこじれた挙げ句「殺してほしい」という女性教諭の言葉を受けて犯行に及んだ同意殺人と釧路地裁が判断したためです
しかし、高裁では被害者である女性教諭の心理面に関する審議が不十分である(同意殺人という1審の判断は疑問だ、と)指摘され、差し戻しになっていました。釧路地裁でのやり直し裁判では同意殺人を認めず、片桐被告に懲役12年の判決を言い渡しています
しかし、高裁では被害者である女性教諭の心理面に関する審議が不十分である(同意殺人という1審の判断は疑問だ、と)指摘され、差し戻しになっていました。釧路地裁でのやり直し裁判では同意殺人を認めず、片桐被告に懲役12年の判決を言い渡しています
高校教諭だった片桐朱璃被告(38)は2022年5月、帯広市で元同僚の宮田麻子さん(当時47)の首を車のシートベルトで締めて殺害するなどした罪に問われています。
◆釧路地裁は「同意殺人罪」適用し懲役6年6か月の判決
釧路地裁で行われた1審では、「同意殺人罪」が適用され懲役6年6か月の判決が言い渡されました。
しかし控訴審で札幌高裁は「1審判決は宮田さんの心理状態などを総合的に検討する視点を欠いていて不合理」として、審理を釧路地裁に差し戻していました。
差し戻し審で弁護側は、あらためて「同意殺人罪」の適用を求め、検察は「宮田さんは被告だけが生き残ることには同意していない」として「殺人罪」の適用を求めていました。
◆差し戻し審で釧路地裁は「殺人罪」を適用し懲役12年の判決
20日の判決で釧路地裁は「被害者は被告に執着していて、被告のみが生き残ることを許容していたとは考えづらい」として「殺人罪」を適用。
「被害者の力が抜けてから10分以上首を締め続けるなど被告の殺意は強固で、遺体を遺棄したことも尊厳を軽んじる身勝手な犯行で軽視できない」として懲役12年の実刑判決を言い渡しました。
裁判員の男性
「決定的な証拠がない中で、被告の話をもとに進めていく難しさがあった」
補充裁判員の女性
「差し戻しっていうパターンがあるんだというところからだった。普通の事件に比べると複雑さがあると感じた」
◆裁判員裁判の差し戻し審は、道内で2例目
判決の差し戻しが裁判員の判断に与えた影響や、裁判員裁判の判決を差し戻すことの是非について、元札幌地裁裁判官の内田健太弁護士は、札幌高裁の判断は裁判員制度の目的に則っていると説明します。
元裁判官・内田健太弁護士
「裁判所法第4条で、上級審の裁判所の判断は、下級審の裁判所を拘束すると定められている。今回の判決も『同意の有無』については、おおむね札幌高裁の判断内容に沿った判断になった」
(北海道放送の記事から引用)
片桐被告の言い分としては、宮田麻子さんが別れ話に応じようとせず、逆に離婚するようしつこく迫られ精神的に追い詰められたと主張しています。が、それも不倫を続ければ関係を精算するのが難しくなり、最後はドロドロになると判っていたはずです
宮田さんが殺してほしいと明言したのか、「一緒に死んでほしい」と言い出したのかは不明ですが、それでも片桐被告は宮田さんを殺害して林の中に穴を掘って埋めているのですから、遺体を隠して罪を逃れようとする意志があったのでしょうし、宮田さんと心中する気などなかったのは明らかです
同意殺人かどうかはともかく、片桐被告が殺人の痕跡を隠そうとしたのは事実ですから殺人罪に問われるのは当然でしょう
もし同意殺人だったというなら、片桐さんをシートベルトで絞殺した直後に自首するべきです。あるいは後追いで自殺するか
結局、自分だけ生き延びようと欲し、犯行を隠そうとしたのが片桐被告の罪、と言うほかありません
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