みちのく記念病院事件　殺人を隠蔽で元院長ら逮捕: 夾竹桃日記

2025年02月15日

みちのく記念病院事件　殺人を隠蔽で元院長ら逮捕

入院患者による殺人事件を隠蔽した容疑で、青森県八戸市にある「みちのく記念病院」の元理事長・院長だった医師と、死亡した患者の主治医だった医師の２人が逮捕されています

殺人事件は２０２３年３月、入院中のアルコール依存症だった患者佐々木人志被告（５８）が当時７３歳の男性患者を歯ブラシの柄で何度も突き刺し、殺害したものです

佐々木人志被告は昨年７月、懲役１７年の判決を受けています。殺害の動機は「人を殺せば病院から出られる」というものでした

青森県八戸市の「みちのく記念病院」で２０２３年３月、入院していた男性患者が相部屋の男に殺害された事件を巡り、死亡の経緯を隠したとして、県警は、当時院長だった医師の男（６１）と、その弟で男性患者の主治医だった医師（６０）（いずれも八戸市）について、犯人隠避容疑で逮捕状を取った。

県警は１４日午前、元院長から事情聴取を始めるとともに、弟の医師の自宅にも捜査員を派遣した。同日にも２人を逮捕し、事件の隠蔽いんぺいを図った経緯や動機を調べる。

捜査関係者によると、２人は共謀して２３年３月１３日、入院患者の高橋生悦さん（当時７３歳）が院内で殺害されたことを知りながら、県警に通報せず、うその死因が書かれた死亡診断書を遺族に交付するなどして事件の隠蔽を図り、相部屋の男を隠避した疑いが持たれている。

高橋さんは歯ブラシの柄で顔を突き刺されていたが、病院は「転んだ」などと家族に説明し、死因を「肺炎」とする死亡診断書を渡していた。対応に疑問を持った病院職員からの内々の通報で、県警が同日、事件を把握。司法解剖の結果、高橋さんの死因は頭部や顔面の損傷と判明した。

県警は１４日午前９時半頃から、八戸市内にある元院長の自宅を捜索。約１時間後、元院長を自宅から捜査車両に乗せた。午前９時過ぎからは、みちのく記念病院の捜索も実施。約２０人の捜査員が入った正面玄関のあたりでは、病院の利用者や職員らが、不安そうな表情を見せていた。

（読売新聞の記事から引用）

佐々木人志被告の裁判については別途、取り上げます

さて、「みちのく記念病院」の方です。この「◯◯記念病院」という名称は全国各地にありますが、資本関係などはなく、それぞれが独立した医療法人によって営まれています。笹川良一の記念財団から寄付を受けると、その見返りとして「記念病院」との呼称をつける決まりのようです。つまりは「笹川良一記念病院」との意味合いなのでしょう

さて、なぜ殺人を隠蔽したのかとなると、遺族から病院側の責任を問われるのが嫌だったから、と想像されます

青森県八戸市の「みちのく記念病院」で、入院中の男による同室の患者の殺害を隠蔽しようとしたとして犯人隠避の疑いで当時の病院長ら2人が逮捕された事件で、病院側が葬儀会社を決め、患者の遺族が会社の変更を打診すると拒否していたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。

県警は、病院側が遺族を介さず遺体を葬儀会社に引き渡す準備をすることで、殺人事件の発覚を避ける狙いがあったとみて捜査している。

逮捕されたのは当時病院長で、病院を運営する医療法人「杏林会」理事長の石山隆容疑者（61）と、弟で、殺害された男性の主治医だった哲容疑者（60）。

殺人罪で実刑が確定した男の判決によると2023年3月12日深夜、同じ病室の男性＝当時（73）＝の顔に歯ブラシを突き刺し殺害した。捜査関係者などによると、男性の死亡が確認された頃、病院側は遺族に「ちょっと転んじゃったみたい」などと連絡。遺族は自ら葬儀の手配を申し出たが、病院側に拒まれた。

病院が決めた葬儀会社で確認した男性の顔は包帯で覆われ血もにじんでいたが、説明は一切なかったという。

（産経新聞の記事から引用）

死亡診断書は肺炎と書かれていながら、遺族への説明は「ちょっと転んじゃったみたい」との話ですから、遺族が不審に思うのは当然です

また、歯ブラシで顔面を何度も突き刺されており、顔には生々しい傷跡が残っていたはずで、その顔に包帯で巻いて隠そうという稚拙な手口です。ありのまま遺族に話し、病院として責任を明らかにして慰謝料や葬儀費用など負担すれば、金額で折り合えるかどうかはともかく、決着を図ることができたでしょう

なぜ、小細工をして隠蔽を図るという愚かな選択をしたのか？

逮捕された兄弟のうち、どちらが隠蔽を提案したのか、今後の取り調べて明らかになるはずです

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