中国アニメ「哪吒2」 2100億円の大ヒット

中国の劇場版アニメ「哪吒之魔童降世」は2019年に公開され、中国国内で大ヒットしました。中国メディアは中国以外の国でも好評を博した、と報じていますが、日本ではまったく話題にもなっていません。日本での公開時は「ナーザの大暴れ」というタイトルでした
哪吒(ナタ)は封神演義にも登場する神で、中国では馴染深い存在です。しかし、封神演義を理解する日本でもまったく人気はなく、ましてや欧米文化圏で理解を得るのは困難でしょう。アメリカなどに暮らす中国系の人たちが映画館へ足を運んだくらいなのでは?
その続編が公開され、中国ではこれまでに2100億円の興行収入を記録していると報じられています。日本での公開予定は未定ですが、人気を得られないのは確実です


2019年上映の「哪吒之魔童降世」は50億元(約7億ドル)の興行収入により、同年の中国映画市場で最大のブラックホースになった。さらに北米での上映後、哪吒という中国の伝統的な神話のキャラクターは徐々に世界の観客の元に向かった。
5年後、続編の「哪吒之魔童閙海(Ne Zha2)」が間もなく、豪州と北米で上映される。
オンラインプラットフォームのデータによると、1月29日上映開始の「哪吒之魔童閙海」の興行収入は2月7日現在で65億元を超え、中国映画史上トップとなった。
哪吒シリーズの成功は優れたアニメ制作だけでなく、作中で示される全人類が追い求める共通の価値のためでもある。
(中略)
映画に登場する「結界獣」のアイデアは、三星堆遺跡と金沙遺跡の青銅人像から得られた。これらの独特なデザインは視覚的な神秘性を増し、古蜀文明への興味を引き起こす。また本作は太乙真人のイメージを新たに解釈した。古代中国の神話によると、太乙真人は四川綿陽の乾元山で修行し仙人になった。そのため創作チームは太乙真人を四川省の方言を話す喜劇的なキャラクターと設定し、映画にユーモア感と地域色を与えた。
劉氏は、「このような改作によりキャラクターがより活き活きとし、味わい深くなる。また気楽な雰囲気の中、四川文化の魅力を感じてもらえる」と述べた。
専門家は、中国のアニメ映画は近年急速に発展し、国際市場に徐々に進出してはいるが、より深い世界的な影響力を持つためには文化の適応、市場マーケティング、配信チャネルなどの挑戦に直面する必要があるとした。
夏氏は、「哪吒シリーズの成功は、中国のアニメ映画が現地の観客という基礎だけでなく、国際市場で競争する潜在力を持つことを示している。これは一つの始まりに過ぎないかもしれない。文化イノベーションと市場戦略の最適化を結びつけることができれば、将来的により多くの中国産アニメが世界市場で頭角を現すだろう」と締めくくった。
(中国網日本語版の記事から引用)


この作品はアメリカとオーストラリアで公開が決まっているそうです
が、おそらく映画館に足を運ぶのは中国系の住民であり、あるいはよほどのアニメーションマニアだろうと思います
「哪吒…」がどのような作品か、動画をアップしました。本編とは異なりますが、作品の世界観などは判るはずです。何度も書いているように、これが日本で大ヒットするとは考えられません。上記の記事では「哪吒シリーズの成功で中国アニメは国際市場で頭角を現す」と自信満々のコメントです。ただし、そうはならないのでしょう
世界中のアニメファンがこの作品に夢中になったりするはずもなく、むしろ嗜好の差異が明確になるだけでは?中国アニメがなぜ中国以外の国でウケないのか、考察するには良い題材になりそうです

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