備蓄米放出へ 農水省の政策ブレまくり

記事のタイトルには農水省の政策がブレまくっていると書いたわけですが、責任の所在がどこにあるのかはっきりしません
自民党には農家や農協の代弁者であるコメ議員が何人もいて、政府の農業政策にあれこれ口出すをするのは毎度の話です。昨年、コメ不足と価格高騰が問題になった際、農水大臣は早々と「備蓄米の放出は考えていない」と表明し、さらにコメの不足感を煽ったイメージがありました。これも自民党のコメ議員が備蓄米放出に反対し、「米の価格高騰を歓迎」していたからでしょう
農水省とて、自民党のコメ議員の了承なしには政策を実行できないわけで、どうしても後手に回ってしまいます
当時、農水省の官僚も自民党のコメ議員も「新米が出回り始めると価格は落ちつき、供給不足も解消する」と予想していたはずです
しかし、米の販売価格は下がらず高止まりした状態が続き、政府としては国民の批判をかわすためにも何らかの対策を講じる必要に迫られ、コメ議員らを説得して備蓄米放出にこぎ着けたのだろうと想像します


《コメ不足、価格高騰の原因は農水省》、《農水省に国民殺される》──。目下、農林水産省に対する怒りの声がXに殺到している。2月14日、政府が放出する備蓄米に関して数量などの入札概要が公表される予定だ。現在、東京都心ではコメ5キロの小売価格が4000円から5000円台と異常な高値にある。この価格がどこまで下がるのか、はたまた全く下がらないのか、大きな注目が集まっている。
どれほど急激にコメの価格が上がったのか、改めて振り返ってみよう。総務省の「小売物価統計調査」によると、2023年には東京23区内でコシヒカリ5キロが平均2300円台で販売されていた。
2024年に入っても4月は2384円だったが、7月に入ると2600円台を突破。そこから急激に上昇する。農水省は「新米が出回れば価格は落ち着く」と楽観的な見通しを繰り返したが、11月には3985円、12月には4018円に達した。国民から悲鳴が上がるのは当然かもしれない。
農水省は備蓄米の放出を決め、「コメの価格を大幅に下げてほしい」という国民の切実な要望に応えているかのような姿勢を見せている。だが価格が実際に下がるのか、下がるとしてもどの程度なのかは未知数との指摘も多い。担当記者が言う。
「あくまでも農水省の見解ですが、昨年のコメは豊作だったことになっています。しかもコメの価格は高騰が続いているため、本来であれば順調に集荷され、新米が小売店に届けられるはずでした。ところが現実はあべこべで、年末の集荷量は前年を21万トン下回り、しかもその行方を農水省は把握できませんでした。これが“消えたコメ”問題と呼ばれ、備蓄米の放出と密接な関係があるのです」
(以下、略。デイリー新潮の記事から引用)


昨年の秋口には、「外国人観光客が増えた影響で米が足りなくなっている」などと、都市伝説めいた説明がなされていました
訪日外国人が増えたのは事実ですが、彼ら彼女らが3食コメのご飯を食すはずもなく、まったくでたらめな話です
訪日外国人の数で試算した数字では、インバウンド効果によるコメの消費は約3万1千トンほどに過ぎず、上記の記事にあるような「消えたコメ21万トン」に及びません
なので、インバウンド効果を除外しても約18万トン近いコメがどこかの倉庫に仕舞い込まれているのでしょう
大手外食チェーンがコメを確保するために買い集めたのか、大手スーパーが買いだめしているのか、転売で儲けようと考えた業者が押さえているのか、そのどれもが同時に行われているのかもしれません
なお、21万トンの備蓄米放出が決まったからといって、スーパーの店頭在庫が値下がりするとは限りません。高値で仕入れた商品なので、当面は販売価格が維持され、その後は仕入れ価格の下落とともに販売価格が下がる…と期待されます

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