千葉の女子高生自殺 教師のパワハラと無責任対応
千葉県の県立高校に通っていた女子生徒が昨年の10月13日に自殺した件で、千葉県教育委員会は生徒の訴えを無視して適切な対応を取らなかった担任教師を減給10分の1(3か月)、不適切な英語の授業をした教科担任教師を減給10分の1(1か月)の懲戒処分としています
この他、校長や教頭もそれぞれ処分を受けたと報じられています
また、千葉県の教育長は学校教師による不祥事が続いたことへの責任を取るかたちで、任期途中に辞任を表明しました
(前略)
県教委によると、女子生徒は23年5月に学校が実施したいじめアンケートに「先生にばかにされ、みんなの前で恥ずかしい思いをするので英語の授業に出たくない」などと記載。7月の授業評価アンケートでも、英語の授業でつらい思いをした旨が記されていた。
英語教諭は生徒を起立させた上で、短い例文を暗唱できないと立たせ続ける授業も行っていた。他の生徒からも「こんなの小学生でもできると言われた」などとの指摘があった。
女子生徒は9月にも国語の作文で「死んでやろうかと思った」などと書いていた。しかし、国語教諭は生徒が亡くなるまで作文を見なかった。
女子生徒は英語教諭との関係が原因で、英語の授業をたびたび休むようになった。10月11日には英語の授業時にトイレに行ったまま戻ってこなかったため、昼休みに担任から指導を受けた。担任は単位が取れないと進級に支障があるため、通信制の選択肢を提示。その上で「自分で勝手にやってくれ」と突き放すような発言をした。
翌日、女子生徒は自ら担任に連絡を入れ学校を欠席。担任は保護者に連絡せず、両親は女子生徒の欠席を知ることができなかった。帰宅しない女子生徒を心配した両親は警察や学校に相談したが、見つからなかった。女子生徒は13日に自ら命を絶った。
第三者委の報告書は英語教諭の指導方法について「生徒たちにとっては人格を否定されたと思うような言動があった」と指摘。担任についても「英語の授業に適応できない生徒を非難する言動をした」とし、12日の欠席を保護者に伝えなかったことを問題視した。
今回の事案では、教頭や校長ら管理職に情報が共有されていなかったことも問題とされた。生徒が授業の改善を訴えたアンケートも管理職が把握しておらず「責任感が欠如している」と指摘した。
学校の不適切な対応による自殺事案を受け、県教委は再発防止策を強化。管理職への研修を行ったほか、児童生徒に教員との関係に悩んだ際、県教委に直接相談できる仕組みを導入した。
(千葉日報の記事から引用)
言いたいことは山程ありますが、それでは散漫になってしまうので絞って書きます
英語教師の不適切な授業について、教頭も校長も把握しておらず、教科担任を替えてほしいとの生徒の声も無視されまし
第三者委員会の報告書にもあるように、不適切な授業のやり方を続けた結果がこれです
当ブログで繰り返し書いていますが、教頭や校長は個々の教師がどのような授業をやっているのか、教室に入ってこれを確認しようとはしません。してはならないという不文律があるのか、文部省の通達でもあるのでしょうか?
本件で校長や教頭も管理責任が問われていますが、その後は教室に入って教師の授業のやり方をチェックするよう改めたのでしょうか?
おそらくやっていないのでしょう。なぜやらないのか、自分にはまったく理解できません
自分も小学校から高校まで過ごした中で、教頭や校長が授業中の教室に入ってきたという体験はなく、ノーチェックだったと記憶しています
不適切な指導が生徒を自殺へと追い詰めたのですから、不適切な指導を発見し、教師に注意を与え、指導方法を改善させる取り組みが必要なのに、なぜ実行しないのでしょう
教師への研修とか、精神訓話とかで改善できるものではないのです
生徒1人を自死に追い詰めておきながら減給10分の1(1か月)とか、処分の甘さにも驚かされます。が、これも過去の懲戒処分の例に習う必要があるため、本件だけ加重な処分を課すわけにはいかなかったのでしょう
それで、この英語の担当教師は自身の授業のやり方をどう改めたのか、が気になるところです。おそらく、「オレの指導についてこれなかった奴が悪い」と開き直っているのでは?
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