和歌山カレー事件 第二次再審請求抗告棄却
和歌山カレー事件で死刑判決が確定している林真須美被告は、これまでに3度の再審請求をしています
2021年に和歌山地裁に申し立てをした第2次再審請求は2023年に和歌山地裁で棄却され、その後大阪高裁に抗告していたものの、今年1月27日付けで棄却されたと報じられています
第3次の再審請求はこれから審議が始まります
27年前、和歌山市で4人が死亡した毒物カレー事件で、林真須美死刑囚(63)が、再審=やり直し裁判の請求を和歌山地裁に棄却され大阪高裁に申し立てていた即時抗告について、高裁は退ける決定を出しました。決定は27日付。
高裁は、「林死刑囚側が主張する新証拠は、すでに提出され確定判決でも参酌されたものであり、新たに発見された証拠には当たらず、請求を棄却した地裁決定の判断に不合理な点は認められない」と判断しました。
1998年7月、和歌山市内で夏祭りに参加した住民らが、急性ヒ素中毒となり、4人が死亡、63人が重軽傷を負った毒物カレー事件では、林真須美死刑囚が殺人などの罪に問われました。
裁判では、現場で見つかったヒ素と林死刑囚の自宅から見つかったヒ素が同一だとする鑑定結果が決め手となり、死刑が確定しています。
林死刑囚側は判決確定後の2009年に再審を請求しましたが、和歌山地裁と大阪高裁がこれを棄却。その後、最高裁に特別抗告していましたが、これを取り下げ、2021年、和歌山地裁に新たに再審を請求していました。
林死刑囚側は、死亡した4人について、青酸化合物を死因とする当初の解剖結果が存在すると推測されるが、これが裁判に提出されておらず、カレーに青酸化合物も混入していたとすれば、第三者の犯行だと主張しています。
和歌山地裁は、2023年に請求を退け、その後、大阪高裁に即時抗告していました。
(読売テレビの記事から引用)
この第2次再審請求は元判事だった弁護士が担当し、「死刑判決の元になった和歌山地裁の判決は杜撰すぎる」と批判し、冤罪をひっくり返す新証拠があるとして申し立てたものです
それが上記の記事にある「被害者は(シロアリ駆除用のヒ素による中毒ではなく)青酸化合物による中毒死」だとする「新証拠」でした
林真須美宅から発見されたとするヒ素による殺人事件ではなく、青酸化合物を混入させた第三者による犯行だ、との主張ですが論理が飛躍しすぎています。大阪高裁は「1審の死刑判決を覆すような新証拠とはいえない」と退けています
大阪高裁の決定を不服として、弁護側は最高裁に特別抗告すると思われますが通用しないと思われます
これとは別に第3次の再審請求がされており、そこでは目撃証言の信憑性(林死刑囚がカレー鍋に何かを投入する姿を見たと証言はあったものの、現場では木立が邪魔になって玄関先にいた林死刑囚の姿は十分に目視できない、と主張)や、林死刑囚の毛髪からヒ素が発見されたとする鑑定結果の信憑性(カレー鍋にヒ素を投入した際、湯気とともにヒ素の一部が髪に付着したとした検察側の主張への反論)などが、死刑判決をひっくり返す根拠として挙げられています
弁護人は死刑判決をひっくり返そうと懸命に取り組んでいるのは理解できますが、事件の構図自体の見直しを迫るくらいの画期的な新証拠を出さないと再審請求は通らないのでは?
追記:再審を認めなかった高裁の決定を不服として、1月29日付けで最高裁に特別抗告をしています
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