韓国人遺族「靖国神社合祀訴訟」 最高裁で棄却

韓国人遺族らによる「靖国神社に合祀されて精神的苦痛を受けた」として合祀の取り消しを求めた訴訟が繰り返されています
当ブログで2019年に取り上げた訴訟(第二次訴訟)は東京地裁で原告側の要求が退けられています。その後、東京高裁でも敗訴となり、最高裁に上告していたのですが、本日最高裁は上告を棄却する決定を言い渡しています
原告団は、「日本政府から靖国神社に合祀する」との通知もないまま合祀されてしまい、遺族の気持ちを踏みにじられたと主張していたのですが、韓国人の軍人・軍属はもちろん、日本人の軍人・軍属に対しても当時、「靖国神社に合祀してよろしいか?」といった意向確認は行われていないのであり、差別的な扱いがあったわけではありません
大勢の戦没者である軍人・軍属を合祀する流れの中で、個別に遺族側の確認するなどできなかったのであり、また朝鮮戦争もあって遺族と連絡を取ることすら困難だったでしょう


第2次世界大戦中に旧日本軍の軍人・軍属として従軍し、靖国神社に合祀(ごうし)された韓国人の遺族27人が、日本に合祀の取り消しなどを求めた訴訟の上告審で、日本の最高裁は17日、遺族側の上告を棄却した。
遺族は父親や兄弟が、韓国侵略を正当化する場所として批判される靖国神社に事前の通知なしに合祀されたのは認められないとして2013年に提訴した。
最高裁は1959年の合祀から提訴までに20年以上が経過しているため、不法行為から20年で賠償請求権が消える「除斥期間」が適用されるとし、上告を退けた。
一審、二審では原告の権利と利益が侵害されたとみなすことはできないとし、遺族側を敗訴とした。
しかし、今回最高裁は靖国神社への合祀による原告の権利と利益侵害については判断を示さなかった。
最高裁は2011年にも、韓国人の遺族が合祀の取り消しなどを求めた訴訟の上告審を棄却している。
原告のパク・ナムスン氏は判決後、記者団に対し、「あきれて言葉が出ない」と涙ぐみながら話した。
パク氏は「父親が亡くなったと教えてくれなかっただけでなく、靖国に合祀したことはまったく知らされなかった」とし「合祀するのであれば、遺族に知らせ同意を得るのが当然ではないか」と怒りをにじませた。
そのうえで、賠償金を求めるわけでもなく、父の名誉のために名前を抜いてほしいという要求を認めない日本の法律は大したものだなどと皮肉った。
原告側の弁護人は、判事の多数は民法の除斥期間を適用して上告を棄却したとし、権利行使をできなくする非常に不当な結論と批判した。
そのうえで、遺族が合祀を了解していないことに加え、戦前の靖国神社の役割などを踏まえれば、家族を追悼する平穏な精神生活の維持が妨害されたとする遺族の主張には理由があると指摘した三浦守裁判官の意見を紹介した。
市民団体「民族問題研究所」のキム・ヨンファン対外協力室長は、「遺族は靖国神社での合祀に同意しておらず、日本政府が韓国政府に靖国神社に関連する資料を渡したのが1990年代後半と2000年に入ってからだったため、除斥期間の適用は話にならない」と指摘した。
(韓国・聯合ニュースの記事から引用)


1990年以降、韓国国内で靖国神社をことさら敵視する風潮が生じ、靖国神社こそ日本の軍国主義や右翼思想の根幹だと決めつけ批判が繰り返されてきました。その際には、「靖国神社にはA級戦犯の位牌が祀られている」などとデタラメが報道を韓国メディアは繰り返しています
靖国神社は神道形式の神社なので、故人の位牌を祀ったりはしません
その流れで「合祀を取り消せ」と主張が起こり、日本政府や靖国神社を相手取った訴訟が提起されました(第一次訴訟)
ここで第一次訴訟を振り返ると、東京地裁は原告の請求を棄却していますが判決の中で、「原告らが合祀に強い拒絶意志を示すことは理解できる」とした上で、1988年の自衛官合祀訴訟の最高裁判決を引用し、「強制的に信教の自由を妨害されない限り、他の宗教に寛容であるべきだ」との見解を示し、「今回の合祀は(韓国人遺族の信仰への)強制的妨害に当たらない」との判断を示しています
つまり、「靖国神社が合祀するのは靖国神社の宗教行為であり、韓国人遺族がキリスト教を信仰していたとしてもその信仰の自由を侵害するものではないので、靖国神社の宗教行為を許容しなさい」との内容です
ただ、靖国神社を敵視する韓国人遺族にはそのような「寛容」などあるはずもなく、第一次訴訟での敗訴を受け、今回の第二次訴訟に至っているわけです。記事にもあるように第二次訴訟でも敗訴したため、第三次訴訟を来年には起こすのでしょうが、争点も工夫しないまま訴訟を起こしたところで棄却されるのがオチです。日本の裁判は判例に積み重ねですから、過去の判例を無視して韓国人原告団勝訴の判決がいきなり下されたりはしません
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