三菱UFJ銀行 貸金庫泥棒の元行員逮捕
貸金庫の管理者である立場を利用し、貸金庫に預けられていた金塊を窃取した容疑で、元三菱UFJ銀行社員の今村由香理容疑者が逮捕されています
4年半にも渡って犯行を繰り返していながら、それに気づかなかった銀行の管理責任も重大です
三菱UFJ銀行の貸金庫から金塊約20キロ(約2億6000万円相当)が盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された元行員の今村由香理容疑者(46)が金塊を質店で現金化し、別の被害品の穴埋めをしていたことが警視庁幹部への取材でわかった。約4年半にわたり60人以上の顧客の金塊や現金(総額約17億円)を盗んでは穴埋めする自転車操業を続けていたとみている。
警視庁幹部によると、今村容疑者は昨年9月頃、東京都練馬区の練馬支店で、管理業務を担当していた貸金庫から顧客2人が預けていた金塊約20キロを顧客鍵の「予備鍵」などを使って盗んだとして、14日に逮捕された。容疑を認めている。
被害品の金塊は都内など計7か所の質店に持ち込み、約1億7000万円を借り入れていた。逮捕前の任意の調べには、「別の客から盗んだ被害品の 補填ほてん に充てた」などと供述していた。
今村容疑者のスマートフォンには、貸金庫内の金塊などを撮影した画像が記録されており、警視庁は顧客の訪問に備えて原状回復することで、発覚を免れようとしていたとみている。
今村容疑者は2008年頃から競馬などにのめり込み、13年には東京地裁に民事再生手続きを申請し、適用されていた。その後、少なくとも5年以上前からFX(外国為替証拠金)取引を繰り返し、約10億円の損失を出すなどして、借金も抱えていた。
事件は顧客からの問い合わせで昨年10月末に発覚。同行は同11月、今村容疑者を懲戒解雇とし、翌12月には警視庁に告発していた。
(読売新聞の記事から引用)
今村容疑者は貸金庫の鍵(顧客に渡す鍵の複製=予備)を預かる立場にあり、この予備鍵は紙の封筒に入れて顧客と行員が割印をした状態で支店に保管されていたそうです。銀行では定期検査として封筒が破られていないかどうか、確認していたものの、封筒を開けて中の鍵が本物の予備鍵であるかどうかまでは確認していなかったのだとか
それにしても大事な鍵を紙の封筒に入れて割印し保管、という手段には驚かされます。しかも割印がしてあるから、誰も封を切ってまで中身を確認しないとか、いつの時代だよと言いたくなります
鍵の持ち出しについて電磁的な記録が残る形式の保管庫(誰が持ち出したか社員のIDが記録される)などあるのですが、なぜ導入しなかったのか謎です
また、今村容疑者が競馬にのめり込んで借金を抱え、自己破産していたのにも驚かされます。さすがにその時点で家族は気がついたのでは?
銀行員は他行のカードローンなど借り入れサービスを利用できない、といった話も聞きます。もし借り入れをすれば、情報がすぐに勤務先の銀行に伝わり、何のために借り入れしたのか、執拗に訊かれるのだそうです。多額の借金があると露見したら、銀行に勤務し続けるのは難しくなるでしょう(クビにはできないので、銀行以外の系列企業へ転籍でしょうか)
銀行経営の何たるかを語る資格など自分にはありませんが、あまりに杜撰すぎて頭がクラクラします。よくもまあこんな鍵の管理でやってられるな、と。また、行員が多額の借金を抱えて自己破産しているのに、銀行側がまったく気づいていなかったとすれば、それも問題でしょう
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