中国の将棋界 八百長・買収など不正で41名処分
日本では将棋人気が高まる一方、囲碁の人気は低迷しています。流行り廃りは常にあるものですから、一喜一憂しても仕方がありません
古くから続いている対戦競技が、新たな才能の持ち主(羽生善治、藤井聡太ら)の登場により、戦術が大きく書き換えられるのを目撃できるのですから、同時代に生きていて良かったと思えるほど尊い経験です
他方で、酷い事態に陥っているのが中国将棋とも呼ばれる「象棋」の世界です
中国で人気のある対戦競技、象棋は12世紀頃にほぼ現代の形になったとされます。が、国土の広い国だけに各地でさまざまな形の象棋が行われていたようです
文化大革命の際には、払拭すべき過去の遺物との扱いを受け、廃れてしまいました(文化大革命は過去の文化を徹底破壊を呼びかけ、全国に設置されていた孔子廟が破壊され、多くの古典書籍・絵画・墨跡が燃やされています)
1970年代に入ってようやく象棋が復活し、その後はスポンサー企業の支援も受け、全国規模の大会や上級者によるリーグ戦も開催されるようになりました
ところが、この象棋では八百長、買収が公然と行われていたと暴露され、多くのトップ棋士が処分を受ける事態になったと報じられています
2025年1月12日、魯中晨報は象棋(中国将棋)における不正スキャンダルで多くの全国チャンピオンを含む計41人が処分を受け、このうち3人は永久追放となったことを報じた。
中国国家体育総局棋牌運動管理センターは12日、象棋の不正スキャンダルに関する調査結果を公表し、41人に対する処分を発表した。このうち、趙鑫鑫(ジャオ・シンシン)、汪洋(ワン・ヤン)、鄭惟桐(ジョン・ウェイトン)の全国チャンピオン3人が終身出場禁止処分を受けて永久追放となった。特に趙は17歳だった2005年に「象棋特級大師の称号を金銭で買った」として告発され、称号剥奪やランクポイントの抹消、1年間の出場停止処分を受けた「前科」を持つという。
記事は、「録音門」と呼ばれる一連のスキャンダルの発端は23年4月ごろにネット上で拡散した音声録音にあると説明。録音には中国象棋特級大師の王躍飛(ワン・ユエフェイ)と郝続超(ハオ・ジーチャオ)が「王躍飛と王天一(ワン・ティエンイー)が試合操作に関与していたことや、試合中に特殊な手段を使った可能性」について語る様子が収められており、象棋界や愛好者の間で大きな波紋を呼んだとした。また、同年10月には、象棋の著名人である柳大華(リウ・ダーホア)と党斐(ダン・フェイ)がSNSで実名告発し、一連の不正行為に対する徹底的な調査を要求する騒動も起きたと伝えた。
その上で、今回の処分対象者41人を精査したところ、少数の例外を除き、この10年余りの全国チャンピオンがほぼ全員「黒」だったことが分かったと紹介。同センターの蓋紅艶(ガイ・ホンイエン)副主任が調査結果を発表する中で、不正行為の発生した試合が全国象棋個人選手権、全国象棋男子甲級リーグなどトップクラスの大会に及び、選手は主にランク昇格、賞金の分配、ランクポイントの向上を目的として試合操作を行っていたほか、仲介者を通じてチームメートや対戦相手を買収し、全国団体戦に参加することで昇格資格を得るなど、公平性を損ねる行為も確認されたと明かしたことを伝えた。さらに、一部の選手がコーチを兼任し、仲介者として取引に積極的に関与していたほか、コーチ自身がチーム成績向上のためにチーム全体で資金を集めて試合操作を行った事例もあったと説明したことも伝えた。
古くから続いている対戦競技が、新たな才能の持ち主(羽生善治、藤井聡太ら)の登場により、戦術が大きく書き換えられるのを目撃できるのですから、同時代に生きていて良かったと思えるほど尊い経験です
他方で、酷い事態に陥っているのが中国将棋とも呼ばれる「象棋」の世界です
中国で人気のある対戦競技、象棋は12世紀頃にほぼ現代の形になったとされます。が、国土の広い国だけに各地でさまざまな形の象棋が行われていたようです
文化大革命の際には、払拭すべき過去の遺物との扱いを受け、廃れてしまいました(文化大革命は過去の文化を徹底破壊を呼びかけ、全国に設置されていた孔子廟が破壊され、多くの古典書籍・絵画・墨跡が燃やされています)
1970年代に入ってようやく象棋が復活し、その後はスポンサー企業の支援も受け、全国規模の大会や上級者によるリーグ戦も開催されるようになりました
ところが、この象棋では八百長、買収が公然と行われていたと暴露され、多くのトップ棋士が処分を受ける事態になったと報じられています
2025年1月12日、魯中晨報は象棋(中国将棋)における不正スキャンダルで多くの全国チャンピオンを含む計41人が処分を受け、このうち3人は永久追放となったことを報じた。
中国国家体育総局棋牌運動管理センターは12日、象棋の不正スキャンダルに関する調査結果を公表し、41人に対する処分を発表した。このうち、趙鑫鑫(ジャオ・シンシン)、汪洋(ワン・ヤン)、鄭惟桐(ジョン・ウェイトン)の全国チャンピオン3人が終身出場禁止処分を受けて永久追放となった。特に趙は17歳だった2005年に「象棋特級大師の称号を金銭で買った」として告発され、称号剥奪やランクポイントの抹消、1年間の出場停止処分を受けた「前科」を持つという。
記事は、「録音門」と呼ばれる一連のスキャンダルの発端は23年4月ごろにネット上で拡散した音声録音にあると説明。録音には中国象棋特級大師の王躍飛(ワン・ユエフェイ)と郝続超(ハオ・ジーチャオ)が「王躍飛と王天一(ワン・ティエンイー)が試合操作に関与していたことや、試合中に特殊な手段を使った可能性」について語る様子が収められており、象棋界や愛好者の間で大きな波紋を呼んだとした。また、同年10月には、象棋の著名人である柳大華(リウ・ダーホア)と党斐(ダン・フェイ)がSNSで実名告発し、一連の不正行為に対する徹底的な調査を要求する騒動も起きたと伝えた。
その上で、今回の処分対象者41人を精査したところ、少数の例外を除き、この10年余りの全国チャンピオンがほぼ全員「黒」だったことが分かったと紹介。同センターの蓋紅艶(ガイ・ホンイエン)副主任が調査結果を発表する中で、不正行為の発生した試合が全国象棋個人選手権、全国象棋男子甲級リーグなどトップクラスの大会に及び、選手は主にランク昇格、賞金の分配、ランクポイントの向上を目的として試合操作を行っていたほか、仲介者を通じてチームメートや対戦相手を買収し、全国団体戦に参加することで昇格資格を得るなど、公平性を損ねる行為も確認されたと明かしたことを伝えた。さらに、一部の選手がコーチを兼任し、仲介者として取引に積極的に関与していたほか、コーチ自身がチーム成績向上のためにチーム全体で資金を集めて試合操作を行った事例もあったと説明したことも伝えた。
(レコードチャイナの記事から引用)
1人や2人の不正ではなく、全国チャンピオン経験者3人を含め41人が処分を受けるという大事件です
全国チャンピオンという地位すら売り買いされていたわけで、真っ当な勝負など存在しなかったと言えるのでしょう
日本の将棋界に例えるなら、「タイトル保持者とA級棋士が八百長に関わっていた」という話になります。これでは将棋界そのものが成り立たなくなります
中国で幅広い人気を得ている象棋ですから、これで競技そのものが廃れたりはしないせよ、今後の公式戦を維持するのは難しくなりそうです。競技者である棋士が不正に関与していない、と担保できないと「また八百長ではないか」との目で観られてしまいます
昨年夏に中国のプロサッカー界での八百長事件が暴露され、120試合で不正が行われたとして選手やコーチ、クラブ職員の43人が永久追放処分になっています。手っ取り早く金が手に入るからと、不正に手を染める者が少なくないのは彼の国の国民性なのでしょうか?
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