福岡アビスパ 金監督就任に抗議する声

サッカークラブ、福岡アビスパに招聘され監督に就任した金明輝氏は、かつてサガン鳥栖監督時代に選手へのパワーハラスメントを繰り返したとして問題になった人物です。この結果、サッカー指導者を務めるために必要となるS級ライセンスが取り消され、A級への降格処分となり、日本サッカー協会による更生プログラム(パワーハラスメント防止のための講習)を受講しています
その後、町田ゼルビアのコーチを経てアビスパ福岡の監督に就任しています
日本サッカー協会としては規定に則り、処分を実施したうえでリカバリーのための講習も受講済みですから、監督就任には何の問題もないとの構えです
ただ、そうやってサッカー指導者は汚れた靴下のように洗濯して出直しができますが、パワーハラスメントを受けサッカーを断念せざるを得なくなった人たちは「勝手に辞めていったのだから」と放置されたままです
これではプロのクラブであれ大学や高校であれ、サッカー指導者によるパワーハラスメントが繰り返され、そのたびにサッカーを断念する若者が生じるだけの悪循環です


サガン鳥栖時代のパワーハラスメント(パワハラ)行為で話題を呼んだ金明輝監督の招へい、『株式会社ふくや』のスポンサー契約満了により、注目を集めているアビスパ福岡。川森敬史代表取締役会長などクラブ幹部への批判が止まないが、金明輝監督就任の可能性が報じられた2024年11月の時点で、ホームタウンの福岡市に苦情が寄せられている。
1月5日にXで拡散された画像によると、福岡市には市民やアビスパサポーターから以下のような問い合わせがあったという。
「チームスローガンとして『子供たちに夢をと感動を』と言っているクラブが、パワハラ行為で処分された金明輝監督を招へいすることを、福岡市は容認するのか?」
「福岡市がアビスパ福岡に出資している目的は、市民クラブとして市民に夢を与える存在であると同時に、青少年の健全な育成に寄与することにあるのでは?金明輝監督を招へいは公金を使う出資の目的に反するのでは?」
こうした声に対して、市の担当者はクラブの公式発表前ということもあり、「現時点ではクラブから公式に発表されている情報はないとお聞きしております」「アビスパ福岡は今後も市民スポーツの振興等に貢献いただけるものと考えております」といった回答にとどめている。
この問い合わせと市の回答内容を巡っては、ネット上で「福岡市に言っても…」「クラブに言うべき」「こういうことをする人がいるから、スポンサー離れるのでは?」などと否定的な意見がある一方で、「Jクラブが地域に根差すのであれば、こうした声には応えるべき」「パワハラ監督を招へいするのは、いかがなものかという市民の声が反映されている」という声も。一部では「アビスパ福岡への公金出資を止めるよう求めるならば、市に言うしかない」と一定の理解を示すコメントも見受けられる。
福岡市はJリーグの地域に根ざしたホームタウン制により、本市のスポーツ文化の振興、青少年の育成並びに地域経済の活性化を目的として、アビスパ福岡に出資している。ただ過去に「青少年の育成」という目的に反する行為で処分を受けた金明輝氏の監督就任により、一部の市民等は出資の停止を望んでいるようだ。
(FOOTBALL TRIBEの記事から引用)


アビスパ福岡の運営側の独善も問題でしょう。「クラブが決定したのだから、外野は口出しするな」という態度です
すでに地元企業がスポンサーを降りてしまい、影響が出ています
確かに日本サッカー協会のパワーハラスメント更生プログラムは受講済みでしょうが、2度とパワーハラスメントはしないとの保証などありません。そのような人物をなぜ監督に据えようとするのか、クラブの役員会の決定には疑問しか浮かびません
サッカーから離れますが、プロ野球の星野仙一は闘将と称賛される存在です。が、同時に選手への鉄拳制裁でも知られていました。野球を報じるメディアもその鉄拳制裁の部分には極力触れず、彼の人情味とか人心掌握術など、もっぱら美談として記事にし続けたわけであり、大いに反省するべきだと自分は思います
「勝てば名将」という誤った認識があるため、少年野球や高校野球での体罰がいまだに続いているのです。パワーハラスメントを繰り返す人間は指導力が欠如しているのですから、監督やコーチとして不適格であり、こうした人物を排除しない限りスポーツ指導の場での体罰やパワーハラスメントは駆逐できないと考えます
リカバリーのための講習会さえ受講すれば、またS級ライセンスを申請し認定してもらえる…という日本サッカー協会の体制は根本的な考えが甘すぎると感じるばかりです(もちろん、日本サッカー協会は厳格な審査を実施している、と主張するのでしょうが)

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