北九州市中学生刺殺 心神喪失だと指摘する意見

北九州市のマクドナルド店内で男女の中学生を刃物で刺し、女子中学生を死亡させた平原政徳容疑者を福岡県警は女子中学生殺害の容疑で再逮捕しています
平原容疑者は女子中学生殺害を否認しているそうです
この手の事件では容疑者の供述が二転三転するのは珍しくありません
当初の逮捕容疑であった男子中学生の殺害未遂は認めていたましたが、これも供述をひっくり返す可能性があります
平原容疑者について、インターネットのニュースサイトでは「心神喪失だから刑罰を科せられないだろう」とのコメントを発する人たちがいます
まだ現時点で心神喪失だと決めつけるのは早計であり、今後の精神鑑定を経て検察が判断することです


福岡県北九州市のファストフード店で去年12月、中学3年の男女2人が刺され、女子生徒が死亡した事件で、福岡県警は9日、男子生徒に対する殺人未遂の疑いで逮捕されていた無職の男を女子生徒に対する殺人の疑いで再逮捕しました。
再逮捕されたのは北九州市小倉南区の無職、平原政徳容疑者(43)です。
北九州市小倉南区のマクドナルドでは去年12月14日夜、レジの列に並んでいた中学3年の男女2人が何者かに刃物で刺されて中島咲彩さん(当時15)が死亡し、男子生徒(15)も深い傷を負いました。
警察は周辺の防犯カメラやドライブレコーダーの映像計百数十件をつなげて解析して容疑者の足取りを追う「リレー捜査」などから平原容疑者が事件に関与した疑いが強まったとして、発生から5日後の12月19日、警察は男子生徒に対する殺人未遂の疑いで逮捕し、その後送検しました。
逮捕当時の調べに対し平原容疑者は「確かにその行為を私はしました」と容疑を認めていますが、取り調べの際に激高することもあるということです。
平原容疑者の自宅などを警察が家宅捜索したところ、模造刀を含めさまざまな刃物が数十本見つかり、押収されました。
このうち犯行に使ったとみられる車から見つかった刃渡り10センチほどの刃物には血痕が付いていて、その血痕は「被害者2人のものとみて矛盾がない」との鑑定結果が得られているということです。
またこれまでの捜査で、平原容疑者は帽子やマスクなどで顔を隠すことなく犯行に及び、先に男子生徒を襲い、その直後に中島さんを刺したとみられることがわかっています。
中学生2人と平原容疑者の間に面識はなかったとみられる一方、事件前に平原容疑者の車が現場周辺を何度も行き来していたことがわかっていて、警察は今後、犯行に至った動議や経緯のほか、計画性の有無などをさらに詳しく調べ、事件の全容解明を目指すことにしています。
(テレビ西日本の記事から引用)


「精神障害だから心神喪失で無罪になる」とコメントしている人たちに、もちろん具体的な根拠などなく、ただ報道された情報のみに依存して「心神喪失だ」と決めつけているにすぎません。コメントをしている人たちというのは拘置所にも刑務所にも入った経験のない方ですから、本物の心神喪失の容疑者なり被告人と接した経験はないのでしょう
法務省の矯正施設で勤務してきた自分からすれば、この程度で心神喪失を認めるなどありえない、と映ります。これは単に自分の経験だけで判断しているのではなく、それ相応の学習と臨床経験を積んだ上での判断です
自分の仮説は当ブログに書いたところで、現時点では変わりません。平原容疑者は何者かとの闘いを続けており、敵を脅すために大音量で軍歌を鳴らし、爆竹を鳴らし、多数の刃物を購入して武装していたと考えます。数十本の刃物を用意しなければならないほど、強大な敵だと平原容疑者は感じていたのでしょう
平原容疑者の命を狙う敵、財産を含めすべてを奪おうとする敵、執念深く狙い続けてくる敵、などなど自らを脅かす存在との闘いが続いていたものと考え、その妄想(物語)の中に入りこまないと理解できません
そこから中学生刺殺には飛躍があるのですが、おそらく強大な敵から中学生(もしくはこども)を殺せ、と命じられたか、取引があったものと推測します。自分が敵からの攻撃を免れるためには、中学生を殺すしかないと思い込むようになり、犯行に至ったのでは?
この被害妄想が直ちに心神喪失の裏付けになる、というものではありません
平原容疑者が電話をして食事の出前を依頼するなど、一定程度社会生活の枠内で行動できており、昼も夜も区別ができず、自分が誰であるかも認識できない支離滅裂な精神状態であったとは考えられないからです
真に心神喪失と認めるには、検討識を失い自分がどこの誰であるかすら失念し、強大な敵に使役されて抗えない精神状態にあったと認められる場合です。なので、被害妄想が平原被告にあったとしても、心神耗弱によって刑を減刑する程度ではないか、と考えます。検察としてはぎりぎり無期懲役を求刑するのでは?(つまり死刑の求刑は回避するということです)
後は裁判官と裁判員の判断によるところで、本件では求刑通の無期懲役に対し、平原被告が被害妄想に影響されていた事情を汲み懲役30年の有期刑を選択するのかもしれません

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