海老名こども3人殺害 母親自殺を図る
神奈川県海老名市で母親がこども3人を殺害し、自身も自殺を図ったところを止められる事件がありました。母親は逮捕され、3人の殺害を認めているのだとか
無理心中を図ったのでしょう
その原因は9歳になる長男に不登校だったと朝日新聞が記事にしています
神奈川県海老名市国分南3丁目の住宅で、住人の小中学生3人が死亡した事件で、長男への殺人容疑で逮捕された母親で会社員の林敦子容疑者(49)が「子育てに悩んでいた」と供述していることが海老名署への取材で分かった。厚木児童相談所は、林容疑者から2023年3月に「長男の不登校とかんしゃく」について相談を受け、継続支援中だったという。
児相によると、林容疑者は長男と計12回、面談に訪れ、最後に訪れた24年10月には長男はおおむね通学するようになっていたという。12月にも面談予定だったが、25年1月に延期していた。三瓶哲史・子ども相談課長は「継続支援中のお子さんが亡くなったことについて、お子さんのご冥福を心よりお祈りします。大切な命が失われたことに強いショックを受けています」と話した。
また、海老名市教育委員会によると、24年11月、長男が通う小学校の臨床心理士にも、この家庭から子育てに関する相談があったという。
署は12月31日、死亡した長女と長男の死因は脳挫傷と窒息、次女の死因は窒息だったと発表した。署によると、3人は何らかの方法で首を絞められ、長女と長男は鈍器のようなもので頭を殴られたとみられる。
事件は同29日夜、3人が倒れているのを帰宅した夫が発見し、119番通報。消防が駆けつけた際、自殺を図る林容疑者を夫が止めていたという。搬送先の病院で、中3の長女莉子(りこ)さん(15)と中1の次女茉子(まこ)さん(13)、小4の長男怜生(れい)さん(9)の死亡が確認された。
(朝日新聞の記事から引用)
小学4年生の長男が不登校になったため、おそらく母親はパニックを起こしたものと想像します
小学生で1か月や2か月、学校を休んだところで大した問題ではありません。ただ、林敦子容疑者はそう思えなかったのでしょう
不登校=落ちこぼれ、引きこもり、人生の落伍者みたいに受け止めてしまい、同時に子育てに失敗した母親という烙印を押されくらいショックだったと推測されます
当ブログで何度も言及していますが、学校に配置されているスクールカウンセラーのほとんどは「不登校だから早急に何とかしなければ」という考えは持っていません。時間をかけ、じっくりと問題を解消させる方向で対処します
児童相談所がどのような対応をしていたのか不明なので、そこは書きません
ところが親の方は、1日学校を休んだだけでパニックを起こしたり、腕を引っ張ってでも登校させようとするケースがあります。また、「不登校なんてこどものわがままだから、殴り倒してでも学校へ連れて行くべきだ」などと主張する市長がいたりします
不登校が問題になって30年、40年経つわけですが、このように不登校への理解は浸透していません
敦子被告にすれば、児童相談所やスクールカウンセラーの対応は生温く、問題と向き合っている気がしなかったのでしょう
長男の不登校の要因が不明なので、とやかくは言いませんが、スクールカウンセラーは「急がない。焦らない」方針だったと考えます。ただ、その方針が敦子被告には理解できず、受け入れがたいものであったのか?
まずもって親の側の、「学校に行かないことが問題」という考え方があまりに狭量すぎますし、「学校に行くようになれば問題は解決」との考え方もあまりに浅薄すぎます
問題の本質は「学校へ行く。行かない」ではなく、「何をもって学校へ行き辛くなってしまったか」という原因の方にあります
敦子容疑者自身、不登校の経験などなく、生真面目な性格の人で、「学校へ行きたくない」という長男の主張がまったく理解できず、無理心中を図るまで不安と絶望感に苛まれてしまったとすれば実に痛ましい事件です
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