アニメ「ブルーピリオド」感想
大晦日に見ていたNHKの番組(フランスの漫画喫茶にカメラを持ち込み、そこに訪れる客たちにインタビューを試みる)で、男性客の1人が漫画「ブルーピリオド」の新刊をやっと買えたと喜んでいる姿がありました。漫画喫茶の1階部分は漫画や日本の菓子・カップ麺など販売しており、漫画好きの息子とその母親が経営しているのだそうです
「ブルーピリオド」は名前だけ聞いたことがあり、未読の作品です。アニメ化もされているとのことで、大晦日から1月1日にかけ、全編を視聴しました。原作漫画の方はこれから読むつもりなので、まずはアニメの方の、感想なりを書いておきます
「ブルーピリオド」とは、画家パブロ・ピカソがキュビズムの画風を確立させる前、青い色調の絵画ばかりに取り組んでいた「青の時代」を指すことばで、いわば芸術家の揺籃期との意味合いでしょう
自分の好きな漫画のジャンルは、若者が何かに熱中しその道を極めようと七転八倒するストーリーです。将棋の素材にした「3月のライオン」や、ピアニストを目指す少年を描いた「4月は君の嘘」、最近ではコスプレに本気で打ち込む高校生を描いた「その着せ替え人形は恋をする」など、好きな作品です
そうした意味で、「ブルーピリオド」も自分の好きな作品のカテゴリーに含まれるのですが、無条件で好きな作品とは言い難いところがあります
主人公が嫌い、という意見
「ブルーピリオド」の感想が書き込まれたサイト、ブログなどを見ると、主人公の八虎が好きになれない、苦手なキャラだとのコメントが結構あります
一見、軽薄そうな態度で喫煙や飲酒もありの高校生で、「ワル」とも付き合い、それでいて成績優秀というリア充です。しかし、高校生活に満たされないものを感じ、大学進学をおぼろげながら意識している設定です
このリア充設定に違和感を覚え、共感できないと主張する声があります
また、高校2年生で美術に目覚め、そこから最難関の東京芸大の美術学部油絵専攻に合格するとのサクセスストーリーが荒唐無稽だ、との声もあります
東京芸大を目指すからには中学生から芸大受験のための塾に通い、高校もそれなりの専門コースに進んで、というのが当たり前ですから、高校2年から付け焼き刃で東京芸大に合格というのは、いくらなんでも無理がありすぎると感じるのでしょう
原作漫画作者の山口ひつじ氏も東京都立芸術高校から東京芸大に進んだという、超エリートの経歴を有し、その経験が作品のベースになっています。なので、山口氏も東京芸大に集まる数々の図抜けた才能を目の当たりにし、影響を受けたのでしょう
東京芸大の油絵専攻科は2浪、3浪してやっと合格できる難関ですが、それでも毎年高校3年生で現役合格する者が数名いてます。若くとてつもない才能の持ち主が隣にいるというだけで、嫉妬や羨望、あるいは畏怖させ覚えるのかもしれません
ただし、主人公の八虎がとてつもない才能の持ち主であるかどうか、アニメでは東京芸大合格までが描かれているだけなので、はっきりしません。おそらく大学に進学後、己の目指す絵画表現を模索して大いに悩みもがき、苦闘する展開が待っているものと考えます
なので、異世界アニメのチートすぎる能力を駆使して無双するような、ご都合主義展開にはならず、高校時代のリア充ぶりなど些末なエピソードでしかないのです
物語の出だしで主人公に共感できず、すぐに投げ出してしまうのはもったいない気がします
ですから、物語の出だしですんなり入り込める人は満足度が高く、入り込めない人には縁のない作品です
それにしても、「ブルーピリオド」のような漫画作品、アニメ作品を世に送り出せるのは日本だけであり、つくづく独自の文化を気づいている国だなと思います。中国や韓国から「ブルーピリオド」が誕生することはないでしょう
追記:仕事で知り合った人物の中に東京芸大出身という人がいました。「ブルーピリオド」という作品に出会えるのなら、もう少し東京芸大の話を聞いておけばよかったな、といまさらながら思います
「ブルーピリオド」とは、画家パブロ・ピカソがキュビズムの画風を確立させる前、青い色調の絵画ばかりに取り組んでいた「青の時代」を指すことばで、いわば芸術家の揺籃期との意味合いでしょう
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東京芸大の油絵専攻科は2浪、3浪してやっと合格できる難関ですが、それでも毎年高校3年生で現役合格する者が数名いてます。若くとてつもない才能の持ち主が隣にいるというだけで、嫉妬や羨望、あるいは畏怖させ覚えるのかもしれません
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『ブルーピリオド』を美大卒業生・石舘波子が見てみた!
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