皇族華頂宮を詐称か 怪しいYouTuber
元皇族を詐称して金銭を集めたり、詐欺話に巻き込もうとする犯罪はこれまでにも繰り返されてきました
いずれバレる犯行なのですが、中にはすっかりと信用してしまい、ニセ皇族に騙される人もいます。古典的詐欺の見本であるM資金を騙る詐欺にも、元皇族を称する人物が登場し仲介役を務めるのがテンプレートになっています
今度は旧宮家である華頂宮の子孫を名乗る怪しい人物が跋扈している、との話です
2021年からYouTubeで活動を開始し、約11万人の登録者数を誇る「華頂宮チャンネル」。出演するのは、「旧皇族・華頂宮」の末裔を名乗る華頂博一(かちょうひろかず)氏。皇族の秘話を語りつくすスタイルで人気を博す、日本初の“殿下系YouTuber”だ。YouTubeだけでなく、全国各地で有料の講演活動を行い、時には300人の聴衆を集めるなど、ここ数年にわたり精力的に活動してきた。
「華頂宮とは、戦後に廃止された11宮家の一つである『伏見宮家』の分家にあたります。1924年(大正13年)に第4代博忠王が独身のまま22歳で薨去したことから、華頂宮家は断絶。しかしその後の1926年(大正15年)、博忠王の弟・博信王が臣籍降下するにあたり、華頂侯爵家を創設して華頂宮家の祭祀を継承しました。そのため、華頂姓の子孫は今も存在します」(宮内庁関係者)
華頂氏と華頂宮家をつなぐ客観的証拠は一度も示されず
博信氏を祖父にもち、博信氏に養育されたという華頂氏。YouTube動画も、皇室の謎に迫るテーマのものが多い。さらに「祖父から聞いた」とした上で、歴史認識についても言及している。
「おじいちゃんは、慰安婦の問題は、基本的に軍は関与していないよと言っていた」(〈激動の時代になる〉より)
旧皇族である伏見博明氏が総裁を務める一般社団法人『日本文化振興会』で、「副総裁」の肩書きを持ち、名刺も所有していた華頂氏。ところが、ある視聴者はこう首を傾げるのだ。
「これまで、華頂殿下と華頂宮家をつなぐ客観的な証拠が示されたことは一度もない」
次々と浮上する“不審点”
そこで「週刊文春」は華頂氏の周辺を徹底取材。華頂氏を10年以上前から知る人物や、副総裁職を任せていた「日本文化振興会」事務局長、家系図で確認できる博信氏の孫の男性らに話を聞いた。すると、不審点が次々と浮上したのだ。
思い起こされるのは、2003年に世間を賑わせた「有栖川宮詐欺事件」である。
「断絶した『有栖川宮』を名乗って偽の結婚披露宴を挙げた男女が招待客から祝儀などを騙し取ったとして詐欺罪で逮捕され、懲役2年2カ月の実刑判決を受けました。裁判長は『皇室、皇族を敬う参会者の心情に巧みに付け入る悪質な犯行』と結論づけています」(社会部記者)
「週刊文春」記者は華頂氏に話を聞くべく携帯を鳴らした。すると華頂氏は――。
電話の後、華頂氏の多くの講演会を主催していた一般社団法人「厩戸ノ華頂」に取材依頼のメールを送付。その2日後、「華頂宮チャンネル」はチャンネルごとYouTube上から削除され、「厩戸ノ華頂」が12月に予定していた華頂氏の講演会も「都合により中止」とHP上に記載されたのだった。
(以下、略。文春オンラインの記事から引用)
いざ、詐称がバレたときは「ネタでやっていた」とでも釈明するのでしょうか
戦後、11の宮家が皇族の身分を失ってからは、旧皇族ながらも民間人として慎ましく暮らしている人もいれば、怪しい連中に担がれて詐欺商法の広告塔になった人もいます
浮き沈みはあれど、その血筋を尊ぶ人たちは大勢います。自称華頂博一なる人物のYouTubeに群がった人たちの多くは、本物の旧皇族であると信じたのでしょう
現時点で判明しているのは華頂博一の名で講演会を開催したことや、「日本文化振興会」の副総裁に就任したことで、詐欺罪に問われるかどうかは微妙な線です
一般社団法人「日本文化振興会」というのは代々旧皇族の方が総裁を務めている団体ですが、総裁とは別に会長というのが存在し、現在は中国生まれの気功師が会長をしています。それだけで何かうさんくさい団体のように思えてしまいます。「振興会」の運営費用は寄付金で賄われているのでしょうから、寄付金を集めるためにも旧皇族というブランドが求められるのでしょう
ただ、実害がないとしても放置はできません。新たな詐欺行為に華頂宮家というブランドを利用する懸念があるのですから
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