自民党政調会長「学生が103万円まで働くのはおかしい」

衆議院選挙後、国民民主党の主張する「103万円の壁を178万円まで引き上げる」政策を巡って自民・公明・国民の3党協議が続いています
が、自民党も公明党も財務省に洗脳されてしまっているのか、178万円までの引き上げに難色を示し、さまざまな理由・理屈を並べて渋っています
自民党の茂木幹事長などは早々と、「120万円への引き上げが妥当な線」と打ち出し、協議を牽制しています。つまり、120万円まで引き上げるのであれば財務省も妥協せざるえを得ない、との意見表明なのでしょう
しかし、120万円で妥協したなら国民民主党は多大な批判を浴びるはずです。「口だけ大将かよ」、「言ってみだだけか?」と
さらに追い打ちをかけるように、自民党の小野寺五典政調会長が、「学生が103万円まで働くのはおかしい。学生は勉学するのが本分」と言い出し、問題の本質を何も理解していないかのような態度です


自民党の小野寺五典政調会長は15日、北海道で開かれた党の会合で講演し、「年収103万円の壁」の引き上げをめぐり、アルバイトをしている大学生らを扶養する親の税負担への対応が課題となっていることについて、「根本おかしい」と疑念を呈した。
「103万円の壁」の引き上げは、国民民主党の先の衆院選での看板政策で、自民党が衆院選で大敗して「少数与党」となったことを受け、与党と国民民主党が引き上げで合意し、3党で詳細を協議している。
講演で小野寺氏は、「学生が103万円を超えて働くと、父親の扶養から外れ、父親の税金が多くなるということで、103万以上働かないようにしようという話がある」と説明。
その上で、「野党各党は壁をとっぱらえとか言うが、根本おかしいなと思う。なんで学生が103万円まで働かないといけないのか」と強調した。
また、「学生に十分学業に専念できるような支援をすること。本来はこれを国会でやるべきではないか」と述べた。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)


小野寺政調会長の真意がどこにあるのかは不明ですし、上記の記事は講演会での発言を切り抜いたものですから、軽々に批判するのは誤りでしょう
しかし、記事を読む限りは「103万円の壁を引き上げるべし、というこれまでの議論と議論の前提を理解しているのか?」との疑問を抱く人が出るのも当然です
また、「学生に十分学業に専念できるような支援をすること、本来はこれを国会でやるべきではないか」との発言も、「いやいや、政権与党である自民党がやってこなかったくせに、何をいまさら言い出すのか」とツッコみたくなります
であるなら、学生や短大生、これに準じる専門学校生を扶養している世帯に対し、50万円の特別減税措置を講じればよいだけです。これで103万円の壁が153万円になります(学生を扶養している世帯だけが対象ですから、不満の声も出るでしょう)
とにもかくにも、財務省は103万円の壁を是が非でも維持したいのであり、やむを得ない場合は120万円で妥協という考えだと思われます。自民党も公明党も財務省の考えに盲従しており、120万円以上に引き上げる気がないのでは?
こうした財務省の頑なな態度こそ、財政の硬直化をもたらしている本質でしょう。「103万円の壁」は1995年に定められたもので、その後は改定されないままです。もう四半世紀経っているのですから、見直して当然なのでは?

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