元大阪地検検事正 裁判で強姦否認し争う構え
大阪地検検事正だった北川健太郎被告は、酒に酔った部下である女性検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交罪で起訴されました。初公判では反省の弁を述べ、争わない方針を表明していました
しかし、一転して「同意があったものと当方は解釈していた。無罪を主張する」と争う方針を示した、と報道されています
大阪地検のトップである検事正を務めていた弁護士の男が、酒に酔った当時の部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている裁判をめぐり、男の弁護人が10日、大阪市内で会見を行い、「抗拒不能だったという認識は被告になく、当時は同意があったと考え、故意がなかった」として無罪を主張すると明かしました。
会見を行った中村和洋弁護士によりますと、北川被告は初公判で「公訴事実を争わない」と語ったことについて、「事件関係者を含め、検察庁にこれ以上の迷惑をかけたくないという思いだったが、その後の一部の事件関係者に生じた情報漏洩などにかかるあらぬ疑いや、(初公判後の)検察庁に対する組織批判により、このような方針が間違っていたのではないかと悩み、自らの記憶と認識に従って主張することにした」ことから、裁判で無罪を主張することに考えを改めたということです。
弁護側は、「客観的な行為自体は争わないが、(被害女性が)抗拒不能な状況だったかどうかは疑わしく、被告に故意はなかった」として、今後裁判で争う方針だということです。
無罪の主張に転じたことに対し、被害者の女性検事は「どこまで愚弄し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう。いよいよ実刑判決が見えてきたことに焦り、自己保身ゆえに再び否認に転じたのだと思います。検察トップが犯した重大な罪と、被害者を傷付け続ける無反省で無神経な言動に見合った長期の実刑判決を求めます」と書面にてコメントを発表しました。
(中略)
女性は今年2月にPTSD=心的外傷後ストレス障害と診断され休職を余儀なくされたことを明かした上で、「もっと早く罪を認めてくれていたら、私はもっと早く被害申告ができて、経験を過去のものとして捉え、新しい人生を踏み出すことができた」と訴えました。
■「金目当ての虚偽告訴では」内偵捜査中に“二次被害”と訴え…副検事を刑事告訴も
さらに、「北川被告の内偵捜査中、事件の関係者である1人の女性副検事が被告側に捜査情報を漏洩し、被告が当初弁解していた内容に沿うように事実と相違する供述をしていたことが分かった。そして検察庁職員やOBに対して、『事件当時、酩酊状態ではなかったので行為に同意があったと思う。PTSDの症状も詐病ではないか。金目当ての虚偽告訴ではないか』などと、私を侮辱し誹謗中傷する虚偽の内容を故意に吹聴していたことが分かった」と明かしました。女性は検察庁内で“二次被害”に遭ったとして、この副検事による一連の行為について刑事告訴しています。
12月10日には2回目の公判が開かれる予定でしたが取り消しになり、非公開での協議が行われていました。
来年1月末にも期日間整理手続きを行い、争点の整理などをする方向で調整しているということで、次回の公判期日は未定です。
(以下略。読売テレビの記事から引用)
裁判の前に争点整理が行われ、そこで北川被告は起訴内容を認め争わない方針を表明していたはずです。準強姦容疑を否認して争うとなれば、この先の公判でさまざまな証拠を出し、証人を呼んで証言させる必要が生じます
そうなれば大阪地検の元検事など、多くの関係者が証言に立つこととなり、組織に与える影響も大きくなります
北川被告が一転して「故意はなかった(あくまでも同意の上での性交だった)」と言い出した真意は謎です。しかし、自分の名誉を守りたいのか、組織に与える影響を逆手にとって元検事、現職検事らが証言しにくい状況にしてしまおうと悪知恵を働かせたのか?
ただ、「同意があった」と主張しているのは北川被告だけです。「性交することに同意し、刑事告発したり賠償請求はしません」との同意書を取り交わしてた事実はなく、あくまで北川被告の思い込みでしかありません
以前は泥酔した女性を強姦しても、「明確な拒否の意思を示さなかったから同意があったと(加害者側が)思い込んでも当然である。よって無罪」という判決が下されていた時期があります
強姦罪から不同意性交罪へと法律を改正する際にも、法制審議会では「被害者側が明確な拒絶の意思を示さない場合、罪に問えないのではないか」との意見が根強くあったそうです。法制審議会メンバーの頭が古いのか、頑固なのかは判りませんが、重要なのは明確な同意の意思表示がない限り拒絶しているものと扱い、被害者を保護する法的根拠を設けることでしょう。なぜ、加害者が言い逃れをする余地を残そうとするのか、意味不明です
話を戻して、北川被告には彼なりの考えや言い分があると思います。が、世間一般の人間にとっては北川被告のプライドなどどうでもよいのであり、開き直って醜態をさらしているようにしか見えないはずです
もし立場が逆で北川被告が現職の検事なら、一度は罪を認めながらも開き直って態度を翻す被告を許さず、とことん追及したのではないか、と想像します
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