校長室に児童ポルノ 北村被告に懲役9年判決

北村被告に対し東京地裁は懲役9年の判決を言い渡しています
今回は求刑公判の模様を報じた記事を貼って、裁判の争点を明確にした上で、判決についての論評を書いた記事を貼ります
集英社オンラインが求刑公判の模様を報じた記事では、弁護人の最終弁論に対し傍聴人からたびたび野次が飛んだと書いています。他のメディアはこうした法廷の雰囲気というものを記事にはしませんので、貴重な報道だと思います
最終弁論では開き直りとしか思えないような主張が展開されました。もちろん、弁護人の独断ではなく、事前に北村被告の言い分を汲んだ上での弁論であり、つまりは北村被告の本音がそこで開陳されていると解釈できます


弁護側の主張「断ろうと思えば断れたが、断らずに自分の意志で行っている」
検察側は準強姦致傷の被害者Aさんについて、「被告人から最初に性的行為を受けたのは13歳、本件犯行当時は14歳で、性交も交際も経験はありませんでした」と指摘。
さらに学年主任や部活動の顧問である被告人が圧倒的上下関係を利用した執拗で悪質な犯行と断罪した。
一方、北村被告は「Aさんと交際し、同意があった認識だった」などと釈明。
これに対し検察側は「犯行時、Aさんは無表情で被告人と目も合わせていない。苦痛から苦悶の表情を浮かべて涙も流していた。不同意であることは明らか」とし、Aさんが性行為で負った全治1週間の外陰部粘膜障害の主原因が、電動マッサージ機を押し当てたことだったことを明らかにした。
検察側の論告中、女性裁判員は頭を抱え、眉間にシワをよせていた。
それでも弁護側は「Aさんは被告人に明確に拒絶したことも嫌だと言ったこともない」、「Aさんは『用事がある』など適当な嘘をついて準備室に行くのを断ったことが何度かあったと証言した。つまり、断ろうと思えば断れたが、断らずに自分の意志で行っている」などと弁明。
これを聞いていた傍聴席の高齢男性が「嘘ばっか言うなよ!」と怒声交じりのヤジを飛ばした。
「相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」
しかし、被告代理人の鬼畜と言わざるを得ない弁護は延々と続く。
「Aさんは行為の際、キスに対しては明確に拒絶を示しているが、後に『一番痛かった』とした陰茎の挿入は拒絶しなかった。一番痛いはずの挿入を拒絶せず、キスには拒否反応を示していることから、Aさんが挿入を受け入れざるを得なかった心理状態にあったとは言えない」
「Aさんは卒業後も北村さんと会い、徒歩でラブホテルに行っている。本当に『行為を断れば学校生活に影響が出る』と思うのであれば、合理的ではない。もし卒業後も不安があったのなら、卒業後も北村さんとメールのやりとりをし、SNSのフレンド申請に応じるのは不自然と言えます」
「抵抗しようと思えばできるものの、あえて自分から行動を起こさなかったに過ぎない可能性を否定できません。相思相愛でなくても性行為は同意して受け入れるというケースもある」
この間、傍聴人から何度もヤジが飛んだ。ため息をつく傍聴人も続出し、法廷は異様な雰囲気に包まれた。
最後に北村被告は証言台に向かい、こう話していた。
「AさんBさんには、長年にわたる苦痛とこれからの人生の影響…本当にお詫びをしようもなく、申し訳なく思います。親御さん、家族の皆さんにも…信頼を裏切り、同様の苦しみを与えてしまいました。本当に…償いようのない大変なご迷惑で、お詫びの言葉も本当に見つかりません」
(集英社オンラインの記事から引用)


「被害者と同意があった」とか、「恋人同士として付き合っていた」と北村被告は公判の中で繰り返し主張し、「呼び出したら断らず自ら進んで特別教室にやってきたのだから彼女たちもセックスしたかったはず」だから、情状として汲んで減刑しろ、というのが北村被告の本音でしょう
ただ弁護人から北村被告に、「裁判官の心証を良くするため、最終陳述では被害者とその保護者にきちんと謝罪するように」と助言され、形の上だけの謝罪をしたのかもしれません
腹の中では、「いまさら訴え出るとか、何してくれるんだ。オレのキャリアを潰しやがって」と不満タラタラなのでは?
さて、弁護士ドットコムでは判決の中で特筆すべき点をいくつか指摘していますので、一部を引用します


公判では、強姦致傷罪が成立するかどうか、次のような争点があった。
弁護側は、Aさんが被告人を拒否できる状態にあったと主張した。しかし、判決では、Aさんは性的知識に乏しかったことや、Aさんの証言、Aさんが「抵抗を諦めてしまう状態にあった」という精神科医の証言などを重視し、これを一蹴した。
2つ目の争点として、Aさんが拒否できない状態にあったことを、被告人が認識していたかどうかで、検察側と弁護側で対立していたが、判決では次のように厳しく断じた。
「被告人は認知のゆがみや成人向けビデオの影響でAさんの心情がわからなかったなどというが、中学教師として順調に昇進して校長になるなど破綻なく社会生活を送っているのに、認知能力に問題があってAさんの状態や心情を認識できなかったとは到底いえない」
3つ目の争点は、Aさんに「ケガ」が生じたかどうかだった。これについても、裁判所はAさんの動画を検分した法医学の専門家の診断を認め、Aさんに全治まで数日ないし1週間を要する傷害を負わせたと判断した。
(弁護士ドットコムの記事から引用)


上記のように判決ではAさんに対する強姦致傷罪を認める判断を下しています
強姦罪(準強姦罪)の時効は10年ですが、強姦致傷罪の時効は15年です。そのため裁判所が強姦致傷と認めなければ、北村被告には時効が成立し罪に問えない状況でした。ただし、校長室の机の中に児童ポルノを録画したビデオカメラを置いていたので、児童ポルノ法違反(所持)には問われます
北村被告は判決に納得せず、控訴するものと予想します。それこそが、北村被告にまったく反省がない証でしょう
ただし、判決の中で「校長にまで出世したのだから認知能力に問題があったとはいえない」とした部分は誤りではないか、と自分は思います
何度も書いている北村被告はサイコパス(精神病質者)であり、他者の痛みと不快感とか苦しみが理解できず、共感性を著しく欠いた人間だと思われます。その意味で認知能力(この場合は情動とか情緒)に大きな欠損があったのではないか、というが自分の仮説です

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