滋賀県警 証拠品を杜撰保管

警察は犯罪捜査のため証拠となる物や捜査上必要と考えられるものを押収する権限を有します(もちろん、裁判所の発行する令状の裏付けがあってですが)
ただ、押収した証拠物品が適切に管理されているかは別で、これまでにも証拠品を紛失したとして問題になる件がたびたびありました
犯罪を立証する重要な証拠であったり、遺族にとってかけがえのない遺品であったりします
これらの物品は警察側が台帳に記載した上、適切に管理するよう義務付けられています。犯罪捜査が終結した時点、あるいは公判で判決が確定した後、返却しなければならないからです(犯罪に使われた凶器や違法薬物など返却するのに不適切と考えられるものは所有者の同意を得た上、廃棄処分となります)


滋賀県警は、去年10月から今年3月にかけて、彦根警察署など7つの警察署で、拳銃や模造拳銃、大麻や刀剣、折り畳みナイフなど、様々な証拠物件が3000点以上見つかったと発表しました。
検察庁への送致など適切な手続きがされないまま、長年署内に保管されていたとみられます。
発見の経緯は、去年10月に彦根署で雨漏りがあり、その際に署員が施錠されたキャビネットの中から、証拠として登録されていない拳銃を見つけていました、その後、全ての警察署の倉庫等で一斉点検を実施していました。
古いものは昭和50年代、新しいものは平成26年ごろで、時効を迎えた事件の証拠物件やそうでないもの、また1500件を超える事件資料も見つかりました。

何が見つかったのか
彦根警察署が最も多く、計2221点でした。
拳銃、模造拳銃、モデルガン、エアガン、実包、覚醒剤、大麻、違法薬物、注射器、刀剣類、現金、衣類、ナンバープレートなど

守山警察署は計887点
大麻、注射器、モデルガン、刀剣類、包丁、衣類等

高島警察署は計623点
模造拳銃、モデルガン、救命索発射銃、空薬莢、折りたたみナイフ、衣類等

長浜警察署は封書など計51点
木之本警察署は模造拳銃、モデルガン、刀剣類など計28点
東近江警察署は据置金庫、衣類、バイク部品など計11点
大津北警察署は、シンナー入りの一斗缶、衣類など計8点でした。
滋賀県警の竹谷均刑事部長は「多数の証拠物件等が適正に管理されていなかったことは誠に遺憾であり、県民の皆様にお詫び申し上げます。再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
(MBSニュースの記事から引用)


また、滋賀県警かと思ってしまいます。過去にも滋賀県警における不祥事等を取り上げてきました
それとは別に、当ブログで繰り返し書いているように、警察の留置場は管理が杜撰でたびたび被疑者が自殺をしたり、留置担当の警察官が被疑者にわいせつ行為をしたりと、問題が明るみに出ます。警察署長で留置場まで足を運び、その管理実態をつぶさに確認するような署長がいないためです
今回の証拠品の杜撰な管理についても、警察署長が証拠品の管理が適切に行われているか、口出しするケースはほとんどなかったのでしょう
県警本部も各警察署に定期的な監査を実施しているはずですが、そこまでは見ていなかったものと思われます
証拠品として台帳に記載がないまま、倉庫に放り込んでおく行為がまかり通っていたのですが、おそらく現場の警察官はその杜撰な扱いを知っていたはずですし、現場から叩き上げの課長たちも黙認していたのでしょう
管理職の中には大物ぶって、「オレは細かいことに口出しはしない。部下を信じて任せている」などと言う人がいたります。ですが、それは管理責任を放棄しているだけで褒められたものではありません
業務の中で杜撰な扱いになっているもの、根拠法令に基づかないやり方をしているものをきちんと指摘し、改めさせてことの管理職です
本件のような事態は、歴代の警察署長がいかに無能だったかを証明しているに等しく、遡って10年前、20年前に署長を務めていた者の責任を問いたいところです(すでに退職してしまっている元署長の管理責任を問えないのですが)
こうした証拠品の杜撰な扱いも冤罪事件を生む温床となるわけで、改善してもらわないと困ります

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