中国で大流行 1分ドラマ
中国ではスマートフォン向けに配信されている1分のショートドラマが大流行しているそうです
この短時間ドラマは中国だけでなく、世界各国で作られるようになり、日本でも制作・配信が始まっているのだとか
1分で完結するものもあれば、続きものもあって数十話で完結するものもあり、課金して視聴する仕組みです
中国で「微短劇」と呼ばれるスマートフォン向けのショートドラマが爆発的な人気を博している。1話当たり1分程度で、「隙間時間」に楽しめると若者を魅了。制作コストが低く新規参入が急増し、昨年の市場規模は約374億元(約8千億円)に。「文化強国」を目指す中国当局も新たなソフトパワーとして注目し始めた。
「中国のハリウッド」と言われる浙江省東陽市横店鎮の映画スタジオ、横店影視城。総面積約30平方キロの広大な敷地に明清時代の王宮、紫禁城(故宮)や秦の始皇帝の宮殿など巨大な屋外セットがそびえる。映画界の巨匠、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の大作の撮影にも使われた。
雑居ビル内のスタジオをのぞくと複数の微短劇の撮影が行われていた。オフィスや病院、警察署など簡素な間取りのセットが並び20人ほどのチームが急ピッチでカメラを回す。
横店影視城関係者によると、微短劇のブームの始まりは2021年ごろ。「テレビは恋人同士になるまで何話も引っ張るけれど微短劇ならすぐ成就」(女性視聴者)とテンポの速さが受けた。
(共同通信の記事から引用)
話の続きが気になってついつい課金して観続けてしまうという、人間の心理に則る商売なのでしょう
ただ、上記の記事にある受精の意見のように、「テレビは恋人同士になるまで何話も引っ張るけど微短劇ならすぐ成就」でよいのか、と思ってしまいます。誤解があったり、行き違いがあったり、思い込みや言葉のアヤがあって気持ちが伝わらない場面を丁寧に描いてこそ、恋愛ドラマは成立するわけで、それをすっ飛ばして何があるのかと
これは映画やドラマを早送りで視聴する、という人たちど同じで、結末を早く知りたいだけなのでしょう
ミステリー映画で途中をすっ飛ばし、トリックを暴いて解決させるシーンだけ観るのと同じです
確かに「どのように映画やドラマを観ようと自由だ」との考えはありますが、それでよいのかと
映画やドラマは役者の演技だけでなく、音楽や背景、そして間合いを楽しむものです。1分ドラマを観て満足する人たちは役者の沈黙の演技とか間合いなどに我慢できないのでしょう。中国人のように機関銃かと思うほど早口で台詞をまくし立て、ストーリーが早足で展開するドラマでなければ気が済まない人たちの嗜好です
間合いとか余韻といった演出を理解できないのでは?
流行りものに飛びつき、「これが新しいのだ」と思って満足できる人たちにはウケるのでしょうが、自分は観たいと思いません。上映時間2時間の映画なら2時間かけて観る派です
例えば以下の、「白い巨塔」における財前教授の回診とエンドロールを重ね合わせたシーンですが、全部で3分の長さです。これが1分ドラマであれば1分の枠内に無理やり押し込めるか、3話に分割して配信するのでしょうか?視聴者は財前教授がのし上がり、地位を築いた過去と重ね併せながら観るシーンですが、3分通して視聴できるからこそ演出として味わえる構成になっています。1分ドラマにそのような演出効果は期待できないのでしょう
白い巨塔 ー 財前教授の総回診
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