理化学研究所が光方式の量子コンピューター開発

量子コンピューターが理化学研究所に設置され、運用されたと伝えたのが昨年の3月です。さらに富士通が国産機として初となる量子コンピューターを開発、理化学研究所と大阪大学で運用されています。この他にも、東京大学とIBMが共同で運用している量子コンピューターが川崎にあります。これらは超伝導式と呼ばれ、ヘリウムガスで超低温に冷却した状態で使わなければならず、大規模な冷却設備が不可欠でした
ところが新規に開発された光方式の量子コンピューターは常温で稼働しますので、冷却設備は扶養となります
上記の理化学研究所の超伝導方式の量子コンピューターは64量子ビットです。量子ビット数が多いほど計算能力が高くなります
光方式の新型量子コンピューターは約1000量子ビットに相当する計算能力を有するとされ、格段に性能を向上させるのに成功したわけです


理化学研究所とNTT、Fixstars Amplifyらの共同研究グループは、新方式の量子コンピュータの開発に成功した。世界に先駆けた汎用型光量子計算のためのプラットフォームとしている。
量子コンピュータは、量子力学の原理を計算に利用することで、さまざまな問題が超高速で解けると期待され、世界中で激しい開発競争が行なわれている。
共同研究グループは、光方式による新型量子コンピュータを開発。光方式では、従来の量子コンピュータと比べて高速かつ大規模な量子計算が可能になると期待されており、これまで困難であった計算課題の解決など、量子コンピュータ研究を新たなステージに進めることができるという。
インターネットを介したクラウドシステムから利用可能で、当面は共同研究契約を通じて利用することになる。
量子コンピュータは、量子力学の原理に立脚し、量子もつれや量子重ね合わせといった量子の世界の特徴を巧妙に扱うことで、全く新しい方式のコンピュータの実現を期待されている。
その概念は1980年代に提唱され、1990年代に量子コンピュータ特有のアルゴリズムが発見されたことで注目を集めた。2000年代以降はその実現に向け、世界中で基礎研究と応用研究が行なわれている。
近年、小規模な量子コンピュータが実現されクラウドベースで提供されるようになり、理研量子コンピュータ研究センターでも2023年に64量子bitの超伝導型量子コンピュータを整備しクラウド公開している。
(以下、略。Impress Watchの記事から引用)


この光方式の特徴は汎用型としてさまざまな計算に使用できる点です。従来の量子コンピューターは数百万通りの組み合わせの中から最適解を得る、といった特定の用途で能力を発揮できるとされて、一般的なコンピューターのような汎用型ではありません
そうした制約を取り払い、より多様な用途で高い計算能力を発揮できる「使える量子コンピューター」の実現に近づいたわけです
これとは別に、産業技術総合研究所は富士通の超伝導方式の量子コンピューターと、アメリカのクエラ・コンピューティング社の中性原子方式量子コンピューターの2つを導入すると発表しています
この中世原子方式は別名、冷却原子方式とも呼ばれ、量子コンピューターの各種方式の中でも本命と言われており、日立やNECも研究に取り組んでいます
さまざまな方式を研究するというのは一見、非効率にも見えますが、そこにさまざまな技術・ノウハウの蓄積があります
最終的にどのような方式が優れているのか、定着するのかは判りませんが、光方式という日本の技術が大きな実を結んでくれたら嬉しいところです

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