新潟妻子殺害　殺害は認めるも殺人予備は否認

事件を考える
新潟市内の自宅で妻と１歳になる娘を殺害した元看護師の渡辺健被告（３１）の裁判が続いています。前回は１１月５日の５回目の公判を取り上げました
法廷では渡辺被告の不倫相手である女性が証言に立ち、いまでも渡辺被告を愛しており一緒に暮らす日を待ち望んでいると言い放っています。法廷という場で堂々と言ってのける（渡辺被告の妻はすでに殺害されていますので、彼と結婚するのに何も差し障りはないとしても）のですから、すごいメンタルです
１１月７日の公判で渡辺被告は弁護人の質問に答える形で、妻との結婚生活がいかに地獄であったか訴えています


2021年11月7日、不倫相手の自宅で午前4時半まで過ごしてから帰宅し、午前10時に目覚めた渡辺被告。
弁護側：「起きてから何をしましたか？」
渡辺被告：「２階の寝室から１階のキッチンに向かい、たまっていた洗い物を白いゴム手袋をつけて洗った」
弁護側：「春香さんと純ちゃんはその時どこにいましたか？」
渡辺被告：「妻はリビングの床に座って娘を見ていました」
弁護側：「その時にどんなやりとりがありましたか？」
渡辺被告：「『ちょっと手伝ってくれない？』と声をかけたが『すーちゃん見ているから嫌だ』と言われ、『見ているって言ってもスマホを見ているだけじゃん』と伝えたら不機嫌な顔でそっぽを向かれました」
弁護側：「その後、渡辺被告はどうしましたか？」
渡辺被告：「やってられないと思って『離婚して欲しい。いつも俺ばっかり家事をやって家のことを何もしてくれない、離婚してくれ』と伝えました。妻は最初は驚いた様子でしたが『本当に言っているの？不倫して借金を作って私の口座の金を無断で返済にあてたりしたあなたにそれを言う権利も資格もない。これまで一緒にいてくれただけありがたいと思え』と言われました」
弁護側：「そう言われてどう思った？」
渡辺被告：「我慢できないと思って、事前に家のクローゼットの中に入れておいた１本のロープを取りに行き、妻の背後に行きました」
そして妻殺害時の犯行の一部始終について語った。
弁護側：「その時、純ちゃんはどうしていましたか？」
渡辺被告：「リビングにいてこっちの様子を見ていたが、ぐったりしている妻を起こそうと亡くなった妻の頭をはたいていた」
こう話した渡辺被告は時折、声をつまらせ、涙を流しながら説明していた。
その後、純ちゃんを殺害した当時の状況についても泣きながら話した。
渡辺被告：「妻を殺害した一部始終を見ていた。生後１年だけど、もしかしたら覚えているかもしれないと思って首にロープをかけて締めた。妻の顔に見えて怖くなった」
（以下、略。新潟総合テレビの記事から引用）


この渡辺被告の供述はあくまで被告本人の主観であり、被告の言い分です。なので、「法廷で語ったのだから真実にちがいない」などと早とちりするのは控える必要があります
供述内容にもある通り渡辺被告が不倫に走り、借金もつくり、返済のため妻の預金口座から勝手に金を引き出すという、どうしようもないダメ夫ぶりを発揮しているのですから、妻が夫に当たり散らすのは当然でしょう。台所の洗い物を夫に押し付けるくらいはささやかな反抗であり、特別陰湿な報復だとは思えません
自分は今、高齢の母親の介護をしつつ、毎日洗濯をし、風呂掃除や部屋の掃除をし、買い物に行ったり、食器を洗って片付け、庭で野菜を栽培する…といった家事の分担をこなしながらブログを書いています。が、家事をこなすのは当たり前のことであって、特別だとは思っていませんし、誰かに褒めてもらおうとやっているわけでもありません
なので、渡辺被告が何を不満に思ったのか、理解できないのです。さらに、１歳の娘を絞め殺す行為に至っては正気を疑いたくなります（もちろん、渡辺被告は正気であり、殺意を持って娘を絞殺しています）
想像するに、妻の殺害を自殺に偽装し、妻が娘を道連れに心中したものと誤魔化し通せた後、不倫相手と結婚する気満々だったのでしょう。そこで娘は邪魔な存在ですから、「殺してしまえ」と考えたのでは？
法廷で渡辺被告は涙ながらに語っていますが、妻や娘を殺害するときは涙など流してはいないはずです。法廷での涙は裁判官、裁判員にアピールするためではないのか、と言いたくなります
なお、渡辺被告は殺人予備（妻子を殺すためさまざまな殺害方法を検索したり、職場から医薬品を盗み出した行為）については否認し、殺人を計画した事実はないと主張。妻子を絞殺したのは上記のように、妻になじられカッとなった衝動的な犯行だ、との言い分です
いや、そうじゃないだろう、と突っ込みたくなります

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