岡山女児殺害事件を考える 勝田州彦受刑者とは
岡山県津山市で小学生の女児を殺害し、無期懲役刑が確定した勝田州彦受刑者が、未解決だった2006年9月の兵庫県たつの市の女児への殺人未遂事件と、2007年10月の加古川市の女児殺害事件への関与を供述しています
これから再び捜査をやり直すため、事件そのものについては後日取り上げます
本日はこの勝田州彦受刑者がどのような人物なのか、書きます
デイリー新潮の記事から一部を引用します
(前略)
地元中学を卒業後、進学したのは県内の私立男子校。
「水泳の強豪校として知られた学校です。彼は水泳が得意で、スポーツ推薦で入学したんよ」(住民の1人)
高校卒業後は職を転々とする。パチンコ台の組立工、運送会社の運送員、00年の事件当時は地元ショッピングセンターの現金輸送車を運転していた。
現在は大手飲料会社に期間社員として勤務しており、同僚によれば、「無遅刻無欠勤で、トラブルは一切なかった」という。
9年間大人しく暮らし続けた勝田を、近隣住民は「更生した」と思っていた。なぜならば、
「前の事件の後、お父さんが“私がきちんと監督しますから”と近所に詫びて回った。あの立派な人の言うことに間違いはないと思うやろ」(近隣住民)
立派な人――。それもそのはず。父親は元・兵庫県警の警察官なのである。
「ノンキャリで兵庫県警に入り、定年まで立派に勤め上げたんです。捜査一課の刑事やったはずやけど。定年時の階級は警部」(同)
現役時代は、勝田家の前は夜回りの記者がズラリと並んでいたそうだ。
昨年末、この父親には更に箔が付いた。「瑞宝単光章」を受勲したのだ。危険業務従事者叙勲で、警察官など危険性の高い業務に従事した者に贈られる。
「天皇陛下から贈られた勲章と、皇居での写真を見せてもらいました」(同)
父は警察官としての心得の1つ、柔道を息子に幼い頃から教えており、結果、勝田の両腕は一升瓶のように太かったそうだ。
(デイリー新潮の記事から引用)
前回触れたように勝田被告はIQが70と、知的障害一歩手前(IQ69で知的障害者認定対象)の知的能力です。ただ、上記の記事からすればこどもの頃から柔道をやっていて腕っぷしが強く、水泳競技での活躍が認められ高校はスポーツ推薦で私立高校に進学しています
実際のところは中学で授業についていくのも困難だったと推測され、高校時代も学業の成績は振るわなかったものと推測できます
卒業後はさまざまな仕事を転々としており、事務系はダメだったため、もっぱら体を使う仕事に就いていたのでしょう。自動車の運転免許は取得していますので、読み書きは多少苦手でも、車を運転するといった動作性の部分では支障がなかったものと考えられます
ただ、仕事の憶えも良くなく、職場への適応は難しかったのかもしれません
ただ、仕事の憶えも良くなく、職場への適応は難しかったのかもしれません
上記のデイリー新潮の記事は、警察官である父親がしっかり教育しなかったから勝田受刑者が事件を繰り返すようになった、とのニュアンスで書かれています。が、「親の教育が悪い」との決めつけは安直すぎでしょう。実際、記事を書いた記者は勝田受刑者の親に直接取材はしておらず、近隣住民からの聞き取りだけで書いた記事にすぎません
津山市でも殺害事件の公判前に精神鑑定も行われています
被告の精神鑑定を行った男性医師は公判で、「面接や心理検査、知能検査などを実施した結果から、事件当時と鑑定時に、精神障害や疾患は認められない」と述べています。さらに被告の人格について、思春期前の女児が苦しむ様子に性的興奮を覚えるほか、他者への思いやりを持てない「情性欠如」の傾向があると指摘。また、被告は感情の表現が苦手で、困難に直面した際やストレスを感じた時に、他者に助けを求めることができずに葛藤し、鬱屈を内に貯め込んでしまう傾向があるため、女児を欲求不満のはけ口にしたのではないかと述べています
ただ、この鑑定医の見解は、記事にまとめる際その他の部分が切り取られてしまい、重要な部分が欠けているように感じます
被告の精神鑑定を行った男性医師は公判で、「面接や心理検査、知能検査などを実施した結果から、事件当時と鑑定時に、精神障害や疾患は認められない」と述べています。さらに被告の人格について、思春期前の女児が苦しむ様子に性的興奮を覚えるほか、他者への思いやりを持てない「情性欠如」の傾向があると指摘。また、被告は感情の表現が苦手で、困難に直面した際やストレスを感じた時に、他者に助けを求めることができずに葛藤し、鬱屈を内に貯め込んでしまう傾向があるため、女児を欲求不満のはけ口にしたのではないかと述べています
ただ、この鑑定医の見解は、記事にまとめる際その他の部分が切り取られてしまい、重要な部分が欠けているように感じます
記者にすれば「女児を欲求不満のはけ口にした」との括り方で1つの結論を得たつもりなのでしょうが、はあまりに単純化しすぎでしょう
判決文や鑑定結果が手許になるので、憶測するしかないのですが、あるいは鑑定結果にもっと詳しく書かれているはずです
なのでここで一旦区切りとし、次は犯行の態様や勝田受刑者の抱えた欲望に踏み込んで書きます
なのでここで一旦区切りとし、次は犯行の態様や勝田受刑者の抱えた欲望に踏み込んで書きます
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