岡山女児殺害事件を考える 加古川女児殺害も自供

2004年の岡山県津山市内で当時小学3年生の女児を刺殺したとして、無期懲役判決を受けた勝田州彦受刑者には、他の未解決となっている少女殺害事件への関与が取り沙汰されてきました
その1つが2007年10月に起きた加古川市の小学2年生女児殺害事件です
勝田受刑者も重要参考人として事情聴取を受けたようですが、犯行を否認。事件はそのまま未解決となっていました
ここにきて勝田受刑者が2件の未解決事件への関与を認めた、と報じられています
捜査関係者の粘り強い捜査活動の結果なのか、あるいは10年以上前に勝田受刑者に嫌疑がかかった際に詰めの捜査が甘く解決できなかったのか、微妙なところです。おそらくは勝田受刑者が無期懲役判決を受けた後も、兵庫県内で起きた未解決の少女殺傷事件に関与していると考え、兵庫県警が自供を促した結果なのでしょう


兵庫県加古川市で2007年10月、小学2年の鵜瀬柚希(うのせ・ゆずき)さん=当時(7)=が何者かに刺殺された事件で、別の女児刺殺事件で無期懲役の判決を受けて服役中の男(45)が、兵庫県警の任意の聴取に、鵜瀬さん殺害への関与を認めていることが分かった。06年9月に同県たつの市で小学4年の女児=当時(9)=が襲われ重傷を負った事件の関与も認めているという。県警は近く、たつの市の事件について殺人未遂容疑で男を逮捕する方向で調整している。捜査関係者への取材で分かった。
男は、04年9月に岡山県津山市で小学3年の女児=当時(9)=を刃物で刺して殺害。22年1月に岡山地裁で無期懲役の判決を受け、23年9月に確定した。
鵜瀬さんの事件は、07年10月16日午後6時ごろに発生。加古川市別府町新野辺の自宅前で、自転車で帰宅した際に胸などを刺されて死亡した。たつの市の事件は、06年9月28日午後6時20分ごろ、同市新宮町新宮の市道で、学習塾から歩いて帰宅中の女児が胸などを刺され重傷を負った。
いずれも目撃情報や物証に乏しく、15年以上にわたって容疑者の特定に至っていなかったが、県警は不審者の洗い出しなどの捜査を継続。刃物を使って女児を襲うという事件の特徴などから、両事件の発生当時、加古川市に住んでいた男の関与が浮かんだという。
捜査関係者によると、岡山県の事件で判決確定後、兵庫県警の捜査員が任意の事情聴取を重ねたところ、両事件への関与を認めたとされる。
県警は、男が説明した事件前後の行動と、現場の状況に矛盾がないことを裏付けるため、慎重に捜査。たつの市の事件で女児を刺したとされる20~40代くらいの人物が写った防犯カメラの映像を改めて精査するなどし、検察当局とも協議して立件に踏み切る方針を決めたという。
日常の生活圏で小学生の命が狙われた両事件は、見守りやパトロールなど地域ぐるみの防犯活動の大切さが改めて取りざたされ、防犯カメラの増設などのきっかけとなった。
(神戸新聞の記事から引用)


勝田受刑者は岡山県の事件を含めると2人の少女を殺害し、複数名の少女の腹部を刺して重傷を負わせる犯行を重ねており、凶悪犯と呼ぶべき存在です(岡山の事件で逮捕、起訴された時は、女子中学生に対する殺人未遂で懲役10年の判決を受け服役中でした)。ただ、今回発覚した事件は改めて立件・起訴されるのであり、岡山の事件とは別扱いです。すでに無期懲役刑が確定した事件と併合するわけにはいきません
前回、当ブログの記事でも取り上げたように、勝田受刑者はIQが70ほどであり、知的障害とまではいかないもののぎりぎりの線です
なので、事件を否認して罪を免れようとした狡猾な知能犯ではなく、警察官である厳格な父親から繰り返し叱責を受けて育ったため、「悪いことがバレないよう隠す」ことが習慣として身についてしまっているのかな、と想像します
本人は魔法少女物のアニメが好きで、特に可憐な魔法少女が悪者に捕まり痛めつけれるシーンに性的な興奮を覚え、そのため低学年の小学生を刃物で刺し苦悶する姿が見たくて犯行を繰り返したと考えられます
もちろん社会的に許容される行為ではなく、本来なら死刑が求刑されるべき事件です。重度の知的障害があるケースでは、情状として斟酌し減刑も考慮されますが、勝田受刑者については善悪の判断がつかないほど知的能力に問題があったとは言えないのでしょう
今後は、犯行についてどれだけ具体性のある供述を引き出せるか、が重要です。また、自供のみに頼って起訴するわけにはいきませんので、自供を裏付ける証拠、証言を集める必要もあり、なかなか大変そうです

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