清原の息子に執着するスポーツメディア

プロ野球のドラフト会議が終わり、注目されていた清原正吾(慶応大)は指名されないままでした
その結果、連日のように各スポーツメディアが「清原はなぜ指名されなかったのか」と題する記事を掲載しています。おそらくドラフト1位で指名を受けた選手より、記事の数では上回るのでしょう
「名選手の息子が優れたプレイヤーとは限らない」のは長島茂雄の息子が証明しています。野村克也の息子もそうでした
にも関わらず、野球ファンやスポーツメディアは「あの名選手の息子だから、プロ入りしたら活躍するに決まっている」など持ち上げ、執着します。ファンが清原正吾に入れ上げているのを承知しているため、各スポーツメディアも話題として取り上げざるを得ない、との事情があるのでしょうが
スポーツメディアNumberも清原指名漏れで3本の記事を掲載しています。その一部を引用します


慶應大・清原正吾はなぜ“ドラフト指名漏れ”になったのか?「もしプロを目指すなら…」自身も“社会人→プロ入り”のレジェンド・小笠原道大が証言
――今回のドラフトのもうひとつの焦点として、清原正吾選手(慶應大)が指名されるかどうか、というトピックがありました。結果的に指名はありませんでしたが、小笠原さんは率直にどう感じていますか? ドラフト前の取材では、「各球団のニーズ次第」「話題性だけで指名されることはない」といった話をされていました。
小笠原道大(以下、小笠原) 本当に戦力として評価されていたら、指名する球団もあったはずです。指名されなかったということは、実力的な意味で何かが足りなかった。そこでもう一段、明確な強みをアピールすることができれば、まだまだ可能性はある。もしプロを目指すのなら、本人にはぜひ頑張ってほしいです。
――ウエスタン・リーグの公式戦に参加しているくふうハヤテや、独立リーグのチームが獲得に名乗りをあげているようです。
小笠原 ひとつの選択肢として、そういったチームに加入して、試合に出ながら選手としての幅を広げる。たとえば守れるポジションを増やして、打撃のアベレージを高めれば、指名される確率も上がっていくはず。中学・高校の6年のブランクを考えればまだまだ伸びしろはあるはずですから、今からいい時間を過ごしてほしいですね。
(以下、略)


どこのメディアも同じですが、清原正吾に直接取材をして記事を書いてはいません。本人が取材に応じない事情があるためか、周囲の人の話を引用したり、プロ野球関係者の見立てを記事にしたりと、あれこれ工夫はしています。が、本人がドラフト指名漏れをどう受け止めたのか確認しないまま、憶測だけで記事を構成し、あたかもこれが「本当の事情」であるかのように提示するのはいかがなものか、と思ってしまいます
ドラフト会議前にも清原正吾の肉声らしきものは報じられてません。なので、以前からメディアの取材には応じない姿勢だったのでしょう
それは個人の考えや事情もあり、チーム(慶応大学野球部)の方針もあるため、良いとか悪いとか論評はできません
が、本人不在のまま社会人チーム入りだの、独立リーグ入りだのと書き立て、昨日に至っては「野球を辞めるのだろう」といった憶測の記事が飛び交うのを見ると、さすがにうんざりさせられます
本人が野球をやりたいのであればその選択をするのもありでしょうし、野球に区切りをつけ別の人生を選ぶという選択もありでしょう
「あの清原の息子だからプロで活躍するはず。その姿が見たい」と野球ファンが期待するのは理解できますが、それは勝手な願望にすぎません
自分には清原正吾の実力など判断できないため、その可能性について語るのは控えます。ただ、「まだ伸びる」と言い切れるのか、大いに疑問です。高校野球や大学野球で活躍した選手でも実際はそこがピークであり、プロ野球では通用しないまま引退、というケースの方が多いのではないでしょうか?

(関連記事)
慶応大野球部鶴岡嵩大の給付金詐欺はどうなった?
慶応大野球部員詐欺で逮捕 故鶴岡監督の孫
甲子園優勝の千丸被告 控訴審でも懲役5年
甲子園優勝校主将の転落人生
清原和博被告公判(2) 黒い交際は不問のまま
清原和博被告公判(1) お涙頂戴話を連発
元プロ野球選手清原 覚醒剤で逮
元野球選手石井浩郎参議院議員 賭け麻雀に養育費不払い
巨人の福田聡志投手 野球賭博で永久追放か
西武ライオンズ相内誠投手 喫煙飲酒発覚で処分