H3ロケット打ち上げ成功 今後は海外受注も
天候の都合で打ち上げが延期されていたH3ロケットが本日午後、種子島宇宙センターから打ち上げられ、防衛省の通信衛星を静止軌道に投入させたと報じられています
今後は海外の人工衛星や小惑星探査機の打ち上げも受注しており、運用が活発化しそうです
個人的には2026年の実施に向け計画が進められている火星の衛星フォボスとダイモスの探査が楽しみです。これは「はやぶさ」で培った技術を活かし、フォボスの土壌サンプルを採取して地球に持ち帰るという野心的なプロジェクトです
今回の打ち上げではXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」が打ち上げられました。主に防衛省が使用する衛星で、自衛隊の部隊間通信に使用される模様です。今までにも、「きらめき1号・2号」が打ち上げられており、日本の英知を結集した「天空に美しく光り輝く」衛星という意味が込められているとのことです。
今回H3がきらめき3号を届ける先は、静止軌道と呼ばれている領域です。高度は3.6万kmであり、この軌道では衛星は地球の自転と同じ速度で周回をするため、地球からほぼ同じ場所を観測し続けることができるのです。私達から見れば衛星が常に静止しているように見えることから、「静止軌道」と呼ばれています。
■続々とH3の海外受注が発表
そして、H3ロケットとして追い風となっている、海外受注のニュースが続々と発表されています。 まず、今までの海外受注としては、2018年にイギリスのインマルサット社と三菱重工の間で、H3ロケットによる通信衛星の打ち上げ契約を結んだのみとなっていました。
そして今年9月、三菱重工はフランスの衛星通信大手企業「ユーテルサット」との衛星打ち上げに合意したことを発表しました。2027年以降に衛星を複数回打ち上げる予定となっています。
さらに今年10月には、アラブ首長国連邦との間で、小惑星探査機を打ち上げる契約を受注したことが発表されました。打ち上げ時期は2028年を予定しているとのことです。今までは民間企業との契約のみでしたが、今回は初めての外国政府との契約となります。
この探査機は火星と木星の間にある小惑星帯「アステロイドベルト」を探査する予定です。6個の小惑星をフライバイして観測した後、小惑星「ユスティティア」に着陸する予定で、合計で7年をかける壮大な計画となっています。 このミッションは、小惑星を分析することで将来の資源利用の可能性を探り、太陽系の進化に関する理解を深めることに貢献します。
(スペースチャンネルの記事から引用)
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