メタノールで妻殺害 懲役18年を求刑
元第一三共社員の吉田佳右被告が妻にメタノールを飲ませ、殺害した疑いで逮捕・起訴された事件で東京地検は懲役18年を求刑しています
犯行時、自宅には妻と吉田被告、こどもしかおらず、犯行を目撃した第三者はいません。しかし、目撃者がいないということは、吉田被告の犯行ではないと立証できる人もいないわけです
「犯行を目撃した者がおらず、犯行を裏付ける直接的な証拠さえなければ有罪判決は下せない」と吉田被告が考えたのかどうかは不明ですが、結果として吉田被告自身の無罪を証明するのも難しくなってしまいました
東京都大田区で2022年、メタノールを使って妻を中毒死させたとして、殺人罪に問われた製薬大手「第一三共」元社員、吉田佳右被告(42)の裁判員裁判の公判が11日、東京地裁(坂田威一郎裁判長)であった。検察側は懲役18年を求刑し、弁護側は改めて無罪を主張して結審した。判決は30日。
検察側は論告で、研究員だった吉田被告は勤務先からメタノールを持ち出す機会が十分にあったなどとして「犯人は被告に限られる」と主張。痕跡をほぼ残さず殺害しており、「計画性が認められる」とした上で、「強い憎しみがあり、動機は身勝手だ」と非難した。
弁護側は最終弁論で、妻が自ら入手したメタノールを摂取して死亡した可能性は否定できないと指摘。普段飲んでいる焼酎に吉田被告が混入させたとする検察側主張については、確実に殺害するためには多量のメタノールが必要で、「致死量を飲ませるのは現実的ではない」と訴えた。
最終意見陳述で吉田被告は、妻の死亡について「二日酔いだと思い込んで救急車をすぐに呼ばなかったのが原因。殺意を抱いたことも、メタノールを摂取させたこともない」と述べた。
起訴状によると、吉田被告は22年1月14~15日ごろ、大田区の自宅で、殺意を持って妻容子さん=当時(40)=にメタノールを摂取させ、急性中毒で死亡させたとされる。
(時事通信の記事から引用)
薬学系の大学を出て医薬品メーカーの研究員をしていた吉田被告ですから、メタノールの有毒性についても知っていたでしょう。さらに現在はインターネットで検索すればどれだけの量を飲めば死に至るか、情報も得られる時代です
弁護人は「メタノールを使って殺害を企図するのは現実的ではない」と指摘しています。が、妻をメタノール中毒でできるだけ苦しめ、殺害するという残虐な目的を抱いていたなら、あえてメタノールを使用する可能性もあるのでは?
もちろん、吉田被告なら他の致死性の薬物を選択するだけの知識は有していたはずですし、入手できるものもあったでしょう
逆に妻の薬学部出身で薬の知識を有していたのですから、苦しんで苦しんで死に至るメタノールを使って自殺を図るとは思えません
上記の記事にもあるように、妻がメタノール中毒で苦しんでいるのに吉田被告が救急車を呼ばなかったのは、苦しみのたうち回る妻を眺めつつ復讐の達成感に浸っていた…とも考えられます
公判での詳細なやり取りが報じられていないので断定的なことは言えないのですが、吉田被告が無罪判決を得られるとは思えません。「妻が自分でメタノールを飲み、自殺を図った」と主張しているのは吉田被告だけであり、妻が自殺を図るほど悩んでいたと証言してくれる第三者はいないのです。遺書もありません
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