ススキノ首なし遺体 瑠奈被告を2度めの精神鑑定

10月1日、田村瑠奈被告の母親、浩子被告の公判で瑠奈被告が自宅で両親に罵声を浴びせている音声が証拠として提出され、法廷でその音声が再生されました。大声で怒鳴り散らす瑠奈被告の言動に、裁判員や傍聴人はさぞ驚いたものと考えられます
ただ、この公判の前、9月中に瑠奈被告に対する2度めの精神鑑定実施が決まっていたと報じられています
弁護人が請求し、裁判官がこれを認めて鑑定留置にすると決定したものです。検察側は異議を唱えられますが、精神鑑定を実施するかどうかは訴訟を指揮する裁判官に決定権があります
なお、弁護側は鑑定にあたる医師を裁判所に推薦できますので、瑠奈被告が精神障害により刑事責任能力を問える状態にはないとの鑑定結果を出してくれそうな医師を探し、推薦するのでしょう
精神鑑定は公平・中立な立場で行われるのが建前ですが、検察側による起訴前の精神鑑定の場合は「責任能力は失われていない(一定の判断能力があった)」と鑑定してくれそうな医師を選択しますし、弁護側の申し立てによる精神鑑定の場合は「精神障害の影響により責任能力が失われている(または、著しく減衰している」と鑑定してくれそうな医師を推薦します


札幌ススキノのホテルで男性を殺害するなどしたとして親子3人が起訴された事件で、実行役の田村瑠奈被告(30)の精神鑑定が行われることが分かりました。瑠奈被告が刑事責任能力を問う精神鑑定を受けるのはこれで2度目です。
この事件は2023年7月、札幌ススキノのホテルで62歳の男性を殺害し頭部を持ち去ったとして、田村瑠奈被告ら親子3人が殺人などの罪で起訴されたものです。
関係者によりますと、瑠奈被告の弁護人が刑事責任能力を調べるため精神鑑定を請求。これを受け、札幌地裁は9月、精神鑑定の実施を決定していたことが分かりました。
瑠奈被告は起訴される前にも、半年間に及ぶ精神鑑定を受けていて、これで2度目の鑑定となります。
今回の鑑定は、1回目の鑑定留置で瑠奈被告を担当した医師とは別の医師が行う予定で、開始時期や期間、場所などはまだ決まっていません。
鑑定結果は瑠奈被告の裁判で証拠として提出される見通しで、瑠奈被告の刑事責任能力の有無が最大の争点となりそうです。
(北海道文化放送の記事から引用)


下段の(関連記事)で挙げているように、当ブログでは過去に「解離性同一性障害」を主張する刑事被告人の事件を取り上げてきました
その中にはサスペンス映画や刑事ドラマを見て「解離性同一性障害」のフリをすれば刑罰を免れることができると考えた詐病で、精神鑑定で否定されたケースがあります
素人がドラマの真似をしたところでベテランの精神科医を騙すのは無理なのです
また、一部のニュースサイトへの書き込みには「瑠奈被告は多重人格であり、犯行は別人格によるものだから罪に問えない」⇒「サイコパスが野放しになってよいのか」などと煽るようなコメントが出ていたりします
こうしたコメントは刑事裁判や精神医療の現場を知らない人によるもので、無視すべき戯言です
精神障害の影響によって心神喪失が認められ、瑠奈被告が無罪判決となった場合でも、精神保健福祉法により北海道知事の決定で措置入院(強制入院)となり、瑠奈被告は入院させられます。殺人衝動という攻撃性が認められるケースなので、すぐに措置入院解除はできません。相当長期間の入院・加療となるでしょう。なので、「野放しになる」わけではありません
あるいは精神障害の影響で心神耗弱と認める判決となれば、瑠奈被告も田村夫婦も有罪とはなりますがそれぞれ刑期は減刑される扱いになります

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