女子高生の遺体を車に 計画的な殺人で懲役28年求刑
SNSで知り合った女子高生を呼び出し、車の中で強姦したうえで絞殺したとして逮捕・起訴された安栖達也被告の公判で、宇都宮地裁は懲役28年を求刑したと報じられています
被害者が1人の殺人事件で、懲役28年の求刑というのはかなり踏み込んだ判断です
男女交際のもつれで女子大生が殺害されても、懲役16年から20年という判決が出るケースが多い中で、懲役28年ですから安栖被告も弁護人も驚いてのではないでしょうか?
栃木県上三川町で昨年10月、レンタカーの車内から女子高校生の遺体が見つかった事件で、殺人や死体遺棄などの罪に問われた埼玉県熊谷市拾六間、無職安栖(やすずみ)達也被告(29)の裁判員裁判の第3回公判が7日、宇都宮地裁(滝岡俊文裁判長)であり、検察側は懲役28年を求刑した。判決は18日。
起訴状などによると、安栖被告は昨年10月17日夜、東京都新宿区の駐車場に止めたレンタカー内で、千葉県柏市の高校1年の女子生徒(当時15歳)の首を手で絞めるなどして殺害。同19日未明までに車で遺体を上三川町に運び、車内に放置したなどとされる。
これまでの公判で、安栖被告は起訴事実を認め、被告人質問では「パニックを起こし頭が真っ白になって首を絞めた」と述べた。2人はメッセージアプリで出会ったという。
(読売新聞の記事から引用)
当ブログで取り上げた報道によれば、安栖被告は女子高生の殺害も強姦した事実も認めてはいますが、犯行の詳細などは語ろうとしていません。弁護人は凶器を事前に用意するなどしておらず、素手で絞殺したのだから計画的な犯行ではなく、衝動的な犯行だったとの弁論を展開していました
女子高生を車の中で強姦したとき、「急に殺意が芽生えた」とは語っていますが、弁護人から「なぜ殺意が芽生えたのか?」の質問には答えないままです
日本の刑事裁判では計画的な殺人は刑罰が重くなり、衝動的な殺人は刑罰が軽くなります
過去の安栖被告の供述では「最初から殺すつもりだった」とも明らかにしており、強姦殺人狙いで犯行に着手したのであれば十分に計画的な犯行と解釈するべきでしょう
なぜ犯行について語らないのか、それについての自分の仮説は前回書きましたので割愛します。が、女性と交際を得て結婚するとか、自分の家庭を築くとか考えが安栖被告には欠落しており、若い女の子を弄んで殺してやろうという、いわば反社会的な色が濃く感じられます(一種の通り魔的犯行とも解釈されます)
安栖被告がこうした反社会的な考えに染まった背景に何があったのかはともかく、とても情状として斟酌すべき事情が存在するようには思えませんので厳罰に処すのは賛成です
ただ、判決は裁判官や裁判員の判断ですから、過去の判例の範囲内の量刑に落ち着くのでしょう。懲役20年から18年くらいの判決と予想します
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