京都府警本部長「殺してやる」発言で更迭される
今朝ほど、岐阜県警が風力発電反対運動の活動家の個人情報を収集した上で電力会社に渡していた件を取り上げました。裁判で負け、損害賠償の支払いを命じられたところです(実際に賠償金を支払うのは岐阜県庁ですが、警察にとって汚点です)
さらに今度は京都府警の本部長が部下に「殺してやる」発言をしたのが明らかとなり、警察庁官房付きへの異動が発令され、事実上更迭になったと報道されています
警察庁は相次ぐ不祥事で頭を抱えていることでしょう。ここ数年で、佐賀県警本部長と滋賀県警本部長(ともに女性です)が捜査担当者との考えの相違から職務不能な状態に陥り、更迭されています。奈良県警本部長は安倍元首相暗殺の責任を負って辞職し、鹿児島県警本部長は捜査情報漏えい問題で指導力が疑問視される事態に陥っていますが、まだ更迭されていません
県警本部長として各県に送り込まれるのは警察庁採用のエリート警察官僚たちです
京都府警本部長の白井利明も東大経済学部卒の警察庁採用組であり、ここまで順調にキャリアを積み重ねてきた人物のようですが、なぜ部下に対し「殺してやる」などと口走ったのか?
京都府警察本部の白井利明 本部長が部下に対し、「殺すぞ」などと発言した問題で白井本部長は3日開かれた府議会で「不適切な発言があったことは事実で、大変申し訳ない」と陳謝しました。
そのうえで警察庁から訓戒の処分を受け、今月14日付けで警察庁の長官官房付への異動の内示を受けたことを明らかにしました。
事実上の更迭とみられます。
京都府警によりますと、ことし8月から先月(9月)にかけて白井本部長が府警本部の庁舎内で部下から説明を受けている際に「殺すぞ」と発言するなど不適切な言動があったという訴えが複数の職員から寄せられ、府警はパワーハラスメントの可能性があるとして関係者への調査を進めていました。
これについて、白井本部長は3日開かれた府議会の本会議に出席し、冒頭、「府民、議員、関係職員のみなさまにご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げます。不適切な発言があったことは事実であり、大変申し訳ございません。深く反省するとともに、重ねておわび申し上げます」と陳謝しました。
そのうえで、警察職員の勤務環境を著しく悪化させ、府民からの警察への信用を失墜させたとして、3日午前、警察庁から長官名の訓戒の処分を受け、今月14日付けで警察庁の長官官房付への異動の内示を受けたことを明らかにしました。
議会終了後、白井本部長は記者団の取材に応じず、議会をあとにしました。
白井本部長は富山県警の本部長や警視庁の総務部長などを経て、去年(2023年)3月から京都府警の本部長を務めています。
後任には、警察庁長官官房会計課長の吉越清人氏が14日付けで着任します。
(NHKの記事から引用)
京都府警トップの本部長が部下に「殺すぞ」などと暴言を吐いていたとされる問題で、本部長が就任した当初から高圧的な言動が常態化していたことがわかりました。
部下に対し、突然「殺すぞ」と暴言を吐いたのは、京都府警のトップ白井利明本部長です。業務についての説明を受けた際、不快感を示して怒鳴ったといいます。京都府警によりますと、こうした訴えが複数あり、パワハラに該当する可能性があるとみて8月下旬から調査を進めていました。
白井本部長は、富山県警本部長や警視庁の総務部長などを経て、去年3月に京都府警に着任しました。就任当初は「重責に身が引き締まる思いであります。職員と共に治安(維持)の邁進に全力を尽くしたい」などと述べていました。
ただ、就任当初からパワハラを疑わせる言動があったといいます。京都府警の幹部は「(白井本部長は)来たときから派手にやらかしていたからねぇ」「みんな一度は洗礼を受けていると思うよ」と話します。
府警幹部が不適切な事務処理があったことを報告に行ったときには「どんな教養してんだ!俺に見せてみろ!こんな教養しかしてないから不適切になるんだ」「(担当者を)連れてこい!」と暴言を浴びせられたということです。また、資料を開いて白井本部長に渡すと「気を使うな、俺の資料に触るな」と怒鳴られることもあったということです。
浮かび上がるパワハラ疑惑。「殺すぞ」と発言したことに対し白井本部長は「私から部下職員に対する不適切な発言があったことは事実であり、大変申し訳なく思っています。この件については関係者の方もおられ現在調査を受けている立場でもあるので詳細は差し控えます」とのコメントを発表しました。
(京都新聞の記事から引用)
関西では兵庫県知事のパワーハラスメント問題がありましたので、京都府警でも本部長のパワーハラスメントに対し不満や鬱屈が露呈したのでしょう
警察庁官房付きというのは待機ポストで、次の異動先が決まるまでそこで「預かり」の身分となります。が、白井前本部長は56歳ですから出世コースへの帰り咲きの可能性はなく、このまま警察関係の外部団体へ出向させられるのかもしれません。本来なら政治家から声がかけられ、衆議院議員選挙とか県知事選挙への立候補など出世の途も考えられたのでしょうが、「殺してやる」発言ではいかに自民党でも声はかけられないはずです
(関連記事)
風力発電反対派の情報を警察が漏らし裁判 岐阜
鹿児島県警捜査資料漏洩 性暴行事件の不可解(2)
鹿児島県警捜査資料漏洩 性暴行事件の不可解(1)
鹿児島県警捜査資料漏洩 組織防衛第一
鹿児島県警捜査資料漏洩 巡査長に執行猶予付き有罪判決
鹿児島県警捜査資料漏洩 なおも不祥事相次ぐ
神奈川県警 警官が逮捕される件相次ぐ
兵庫県警警部の書類紛失 関係者400人に謝罪へ
兵庫県警警部が捜査資料紛失 泥酔の挙げ句
安倍元首相撃たれる 奈良県警のグダグダ
安倍元首相撃たれる 警備の失態