岡山操山高校野球部員自殺 遺族に見舞金支給
2012年7月、岡山県立操山高校の野球部マネジャーの生徒が自殺した件で、岡山県教育委員会が野球部顧問だった塩尻伸尻教諭によるパワーハラスメントを認めず、自殺はあくまで生徒個人の問題として片付けてきました
遺族の訴えが繰り返された結果、ようやくにして岡山県教育委員会は第三者委員会による調査に踏み切り、塩尻教諭のパワーハラスメントを認めた、という経緯があります。自殺から9年後の話です
ただし、塩尻教諭への懲戒はたったの停職3月にすぎず、パワーハラスメントを見て見ぬふりをしてきた校長らは定年退職してしまったのでしょう。教育委員会は教師を守るための互助会なのか、と言いたくなります
そして生徒が自殺した際、独立行政法人・日本スポーツ振興センターも遺族に対する見舞金を不支給としてきました。学校や教育委員会から「部活動に原因があって自殺したものではない」との報告があったからでしょう
しかし、自殺から12年を経て、日本スポーツ振興センターは不支給とした決定を取り消し、遺族に対して見舞金を支払ってと報じられています
岡山県立岡山操山高校の2年男子生徒(当時16)が2012年、所属していた野球部の監督による激しい叱責(しっせき)が原因で自殺した問題で、遺族に対する死亡見舞金を不支給とした独立行政法人・日本スポーツ振興センター(JSC、東京)が、不支給決定を取り消し、見舞金2800万円の支給を決めたことが1日、関係者への取材でわかった。
JSCは、学校で子どもがけがを負った時などに医療費や見舞金が支払われる災害共済給付制度を運営している。
男子生徒の自殺をめぐっては、県教委が設置した第三者調査委員会が21年3月、野球部の監督だった教諭からの激しい叱責が原因だったと結論づけていた。
関係者によると、遺族は同委の調査報告書をもとに22年10月、見舞金を支給するよう申請。JSCは23年7月、故意に死亡した場合は支給の対象外とするという、死亡当時の規定を適用して不支給とした。
これに対し、遺族側は同年10月に不服審査請求を行った。給付制度には精神障害などのケースを踏まえ、「自殺行為またはその結果に対する認識のないような場合には、故意とはみなさない」とする例外規定があり、遺族側は精神科医の意見書を提出。意見書は、男子生徒が当時、正常な精神機能を失って突発的な自死に至ったなどと指摘した。
JSCはこれらを考慮し男子生徒の自殺に例外規定を適用。今年9月20日付で支給を決定したという。
男子生徒の父親は「監督のパワハラ・体罰が息子を追い詰め、死に至らせたことをJSCが認めたことは意義深い」と評価。その上で「息子と同様の自死事件で不支給とされた全国の遺族の活動の積み重ねが、支給決定につながった。この件が不適切な不支給の防止につながれば」とコメントした。
JSCは取材に対し「個々の案件についての回答は控えたい」とした。
故意の死亡を対象外とするJSCの規定については、16年4月以降に学校でのいじめや体罰が原因で死亡した場合は対象になると改められている。
(朝日新聞の記事から引用)
生徒の自殺から12年もの歳月があり、その間、御両親はよくも心が折れずに闘い続けたものと敬服します
岡山県教育委員会の頑迷な態度、教師べったりで生徒を尊重しない風潮が少しでも改善されたのかどうかは不明ですが、息子さんのため闘い続けた結果が少しでも形になったことが両親にとって何よりだったと思います
日本スポーツ振興センターは見舞金の支給にあたり、学校や教育委員会から事情聴取します。その中で、「野球部監督のパワーハラスメントによって追い詰められ自死に至った」との真相は伏せたまま、あたかも生徒が勝手に自殺したかのように報告したのでしょう
本来ならば岡山県教育委員会が塩尻教諭によるパワーハラスメントを認め、懲戒処分をした時点で、日本スポーツ振興センターに対し過去の報告の誤りを伝え訂正を申し入れるべきでしたが、放置したままだったと思われます。またしても岡山県教育委員会のデタラメな対応振りが露見したものと解釈されます
記事では触れていないものの、公立高校の教諭がパワーハラスメントによって生徒を自殺に追い詰めたのですから、遺族は岡山県に対し、損害賠償請求をしたものと推測されます
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