ススキノ首なし遺体 瑠奈被告は再度の精神鑑定か
ススキノの首なし遺体事件では先行している田村母の公判が開始されているはずですが、8月下旬から報道が見当たらなくなり、裁判の進行が止まったかのようです
調べてみると、田村浩子被告の公判で証人に立つ予定だった夫、田村修被告がコロナウィルスに感染してしまい出廷できない状態になったと判明しました。公判に出廷する際にはマスクを着用していますので、法廷でコロナウィルスに感染したとは考えられず、札幌拘置所内で感染したのではないかと推測されます。拘置所や刑務所という閉鎖された環境では、コロナウィルスに限らず感染症が蔓延しやすいため、他の被告人への感染拡大が懸念されます
それはともかく、今後の裁判の見通しです
2023年に札幌ススキノのホテルで発見された頭部のない遺体に関連し、田村瑠奈被告(30)が殺人などの罪で起訴された。
父親の修被告(60)と母親の浩子被告(61)も死体遺棄ほう助などの罪で起訴されている。
この事件で、8月28日、修被告の公判前整理手続きが行われた。
新型コロナ陽性の影響での欠席
手続きは非公開で行われ、弁護側によれば、修被告は26日に新型コロナウイルス陽性が判明したため出席しなかった。
裁判員裁判となる修被告の公判に向け、裁判官と検察官、弁護人の間で争点や証拠について協議したという。
瑠奈被告と修被告の裁判
また、瑠奈被告の公判前整理手続きは9月5日に行われる予定だ。
瑠奈被告と修被告は裁判員裁判で審理される見通しだが、2人の裁判については分離されることが決まり、瑠奈被告の初公判の見通しは立っていない。
(FNNプライム・オンラインの記事から引用)
田村瑠奈被告の精神鑑定結果については公判の場で明かされるはずで、現時点では伏せられています。しかし、札幌地検は検定結果を受け刑事責任を問えると判断し起訴していますので、精神障害により心神喪失状態にあったとの判断を鑑定医はしていないのでしょう
これに対し、弁護側は精神障害による心神喪失を主張し無罪であると争う方針でしょうから、再度の精神鑑定を裁判所に申し立てるものと予想されます。この場合、瑠奈被告の刑事責任は問えないとする弁護側の方針に沿う鑑定をしてくれそうな精神科医を、弁護側は鑑定医として推薦します。せっかく2度目の精神鑑定を実施するのに、被告にとって不利な検定結果が出たのでは弁護活動の妨げになってしまうのですから
この事件では犯行の経緯や動機で争う点はほぼないはずで、もっぱら精神鑑定の結果で責任能力を認めるかどうかが争点になります
なので、鑑定医を法廷に招いた上で検事や弁護人があれこれ質問をぶつけ、どちらの鑑定結果がより妥当であるのか、裁判員と裁判官にアピールする形で展開するのでしょう
おそらく弁護側は瑠奈被告が解離性同一性障害であり、刑事責任を問えない重篤が状態であるとの線で無罪判決を得る狙いだと推測されます。が、当ブログでこれまでにも取り上げてきたように、解離性同一性障害だと認めた上で有罪判決を言い渡すケースもあり、かならず無罪判決が得られるとは限りません(解離性同一性障害を理由に減刑された例もありますが)
「別人格による犯行だから無罪」と、刑事ドラマや映画のようにはいかないのです
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