韓国ウェブトーン 人気低迷で中国市場から撤退
今年の1月~2月頃は「韓国の縦読み漫画:ウェブトーンが凄い」との報道を頻繁に見たのですが、その後は雲行きが怪しくなってきました
元々、韓国のウェブトーンを配信するプラットフォーム各社は、ウェブトーン事業単体では赤字を抱えていたのであり、「凄い」と自称するほど多額の利益を得ていたわけではありません。ともかく、「無料で読める」と謳って無料会員を集め、そこから有料会員への鞍替えを狙っていたものの、思うようには有料会員が集まらず苦戦しているのが実態でしょう
今年5月に「カカオ」がヨーロッパでの配信事業を停止した件を当ブログで以前、取り上げました。調べたところ、ほぼ同じ時期に「NAVER」も中国市場から撤退したとの報道を見つけました。13億人の人口を抱える中国市場からの撤退は痛手でしょう。近い将来、日本のマンガを超えてウェブトーンは4兆円の市場規模に達すると持て囃されていたのに、このままではジリ貧に終わりそうです
ネイバーウェブトゥーンの中国事業を担当するネイバーウェブトゥーンカンパニーが、香港に位置したワトンエンターテインメント(Watong Entertainment)に対する投資金を全額損傷処理した。 中国市場は知識財産権(IP)の概念が弱いうえ、現地のプラットフォームが強勢を帯びており、国内ウェブトゥーン業界の不毛の地に挙げられる。
15日、金融投資業界によると、ネイバーウェブトゥーンカンパニーは持分100%を保有しているワトンエンターテインメントに約287億ウォンの全額減損処理を行った。 わずか2年前にワトンエンターテインメントの有償増資に参加して追加投入した40億ウォンすら回収できないと判断したのだ。 昨年末基準でワトンエンターテインメントの帳簿金額は5400万ウォンに過ぎない。
(中略)
ネイバーウェブトゥーンカンパニーが中国で力を使えない理由は、中国市場自体の特殊性のためだ。 中国はインターネット規制が強いうえ、知的財産権に対する意識が弱い。 ライバル会社も多い。 クワイカン漫画やテンセントアニメーション、ウェイボアニメーションなど、現地のプラットフォームがウェブトゥーン市場を掌握している。
ネイバーウェブトゥーンは、米証券市場への参入を推進している。 これに関連して、中国事業を担当するネイバーウェブトゥーンカンパニーは清算する可能性が高くなっている。 2022年、ムンマン(原作名文明)などネイバーウェブトゥーン原作を映像化した作品が中国市場で興行し、少し息抜きができたが、以後興行作を作り出すことができず持続的な赤字に苦しめられているためだ。
ネイバーウェブトゥーンカンパニーは2020年に営業損失35億ウォン、当期純損失756億ウォンを記録したのに続き、2021年に営業損失6億ウォン、当期損失47億ウォンを記録した。 2022年には28億ウォン、昨年には30億ウォンの当期純損失を出した。 昨年基準の未処理欠損金だけで約2517億ウォンだ。
(朝鮮BIZの記事から引用)
中国市場に参入以来、赤字続きだったのでしょう。このままでは単年度での黒字が見込めないと、撤退を決めたものと推察されます
記事では不振の理由を、「中国市場の特殊性のため」としていますが、韓国のウェブトーンに「有料でも読みたい」と思わせるような作品がなかったのが事実なのでは?
有料で読んでくる会員が集まらなければビジネスが成り立たないのですから、「無料で読める」と宣伝しても収益には結びつきません
ここ最近は中国国内でも韓国ドラマへの規制が行われているようなので、「人気韓国ドラマの原作」だとの触れ込みも通用しないのでしょう
日本の編集者が尽力し、奮闘して担当作家を育て、人気作を生み出そうとするように、韓国ウェブトーンが作家を育てているのかも疑問です
良くも悪くも「なろう系」(小説投稿サイト「小説家になろう」の作品のように秀作も駄作も入り混じった状態)みたいなものではないか、と勝手に想像します。自分は冷やかし程度にしかウェブトーンを読んでいないので
【海外の反応】これが現代の漫画だ!ウェブトゥーン登場で漫画業界にて勝利宣言するも、日本漫画の人気は世界的に圧倒的だった。
(関連記事)
ウェブトーン「黒の月: 月の祭壇」が日本でアニメ化
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/504892358.html
韓国アニメ「スーパーシークレット」がすごい?
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/504693018.html
韓国ウェブトーン 人気凋落の理由
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/504892358.html
韓国アニメ「スーパーシークレット」がすごい?
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/504693018.html
韓国ウェブトーン 人気凋落の理由
韓国ウェブトーン配信大手 業績悪化で株価下落
中国の漫画・アニメ業界の「ヒーロー待望論」
いま一度、映画「ルックバック」を語る
日本アニメ「ルックバック」 上海国際映画祭で激賞
韓国ウェブトーンの「カカオ」 欧州から撤退
「日本漫画は衰退し、韓国ウェブトーンの時代」という記事
韓国ウェブトーン 人気低迷の衝撃
ウェブトーンが追いつけない日本の漫画
韓国映画惨敗で日本アニメは人気の理由 韓国コラム
映画『THE FIRST SLAM DUNK』試論を読んで
「中国アニメは天才に頼らず日本を超える」との記事
日本アニメ売上2兆92百億円 韓国アニメは8百億円
中国アイドルアニメ 劇場版『Re:STARS』日本公開もコケる
アニメ「葬送のフリーレン」を称賛する中国
文化強国目指す中国 実態はコンテンツの墓場