「紀州のドン・ファン」　初公判で殺害否認

事件を考える
和歌山県田辺市在住で「紀州のドン・ファン」と題する本を自費出版し、女性関係を自慢していた野崎幸助さんは、覚醒剤の過剰摂取により中毒死しています。ただ、野崎さんに覚醒剤を乱用していた事実はなく、また致死量を超える覚醒剤を飲み込んだ経緯も不明です
野崎さんの元妻、須藤早貴被告は初公判でも殺害を否認し無罪を主張しています
検察側はこの裁判で２８人もの証人申請しており、須藤被告の有罪を立証する構えです


「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん＝当時（77）＝を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告（28）の裁判員裁判の初公判が12日、和歌山地裁（福島恵子裁判長）で開かれた。須藤被告は「私は社長を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。私は無罪です」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
酒類販売業や不動産業などを興して一代で財を成した野崎さんは平成30年5月24日、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡した。50歳以上も離れた被告と同年2月に結婚したばかりだった。
和歌山県警は令和3年4月に須藤被告を逮捕。捜査関係者によると、被告のスマートフォンを解析した結果、「覚醒剤」「殺人」などの検索履歴が見つかったほか、任意捜査の段階では「（野崎さんが2階で倒れているのを見つけるまで）2階に上がっていない」と説明していたのに、健康管理アプリに2階と1階を行き来することを示すデータがあったことが判明した。
また覚醒剤摂取は夕食前後と推定されるが、この間に野崎さんと被告が2人きりだったことを防犯カメラなどで確認。事件前に被告が覚醒剤の密売人と接触した形跡もあった、としている。
一方、直接証拠は乏しいとされ、弁護側は被告の犯人性を示す証拠にはならないとの訴えを展開するとみられる。
公判は予備日を含めて25回の審理日程が組まれ、12月12日に判決が言い渡される予定。
被告は今月2日、野崎さんとの結婚前に、勤務していた札幌市内のキャバクラで出会った別の男性から現金約2980万円をだまし取ったとする詐欺の罪で、和歌山地裁で懲役3年6月の有罪判決を受けた。
（産経新聞の記事から引用）


犯行時、須藤被告と野崎さんだけが自宅におり、家政婦は帰った後だと言われています
野崎さんに自殺する理由はなく、自ら覚醒剤を飲んだとは考えられません。となれば、須藤被告しか犯人はいないと考えられます
ただ、それだけでは有罪の決め手にはならず、検察がどのように犯行を立証するか、注目されます。決定的な証拠となる隠し玉でも用意しているのでしょうか？
須藤被告は犯行を否認していましたので、保釈申請しても裁判官はこれを認めません。２０２１年４月に逮捕され、かれこれ３年以上、勾留されています。有罪判決が確定した場合、この未決勾留期間は服役したものと換算されます。これを未決算入と言います。つまり、須藤被告に懲役１８年の刑が確定したなら、被告人として勾留されていた３年少々が服役したものと換算され、実際に服役するのは１４年少々という形です
先に、北海道のキャバクラ勤務時に男性客から約３０００万円を騙し取った事件で、須藤被告は３年６月の判決を受けていますから、この刑期も加えた分、服役することになりますが

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