岡山女児虐待死を考える 母親に懲役10年判決
岡山市で西田真愛ちゃんが5歳から6歳にかけて母親の愛人だった船橋誠二受刑者から繰り返し虐待を受け、死亡した事件で、母親の西田彩被告に対し岡山地裁は求刑通り懲役10年の判決を言い渡しています
検察の求刑通りの判決ですから、検察の主張を完全に認めた判断です
岡山市で、交際相手の男と共謀して幼い娘に虐待を繰り返し死なせた罪などに問われている母親の裁判員裁判で、岡山地方裁判所は11日、懲役10年の判決(求刑懲役10年)を言い渡しました。
逮捕監禁致死と強要の罪で判決を受けたのは、岡山市の無職、西田彩被告(36)です。起訴状などによりますと、西田被告は2021年9月、当時の交際相手で、すでに懲役14年の判決が確定している船橋誠二受刑者(41)と共謀し、娘の真愛ちゃん(死亡当時6歳)に虐待を繰り返し、死なせたなどとされていました。
これまでの裁判では、虐待を実行したのは船橋受刑者で西田被告はそれを止めなかったということには争いがなく、西田被告に共謀が成立するのか、幇助にとどまるのかが最大の争点でした。
岡山地裁の本村曉宏裁判長は判決理由について「真愛ちゃんへの虐待は、被告が船橋受刑者に真愛ちゃんの素行を報告したことがきっかけであり、虐待について見聞きしながらも船橋受刑者を止めたり真愛ちゃんを助けたりしなかった。
しつけとして虐待を行うという意思を船橋受刑者と通じ合っていて、虐待に重要な寄与をしたと考えられ、共謀共同正犯が認められる」などと述べました。
判決後、裁判員3人と補充裁判員1人が記者会見に応じました。
裁判員を務めた40代の女性は、「真愛ちゃんと同じぐらいの子がいる母親なので西田被告の立場で考えた。自分の意見が偏ったりするのではないかという葛藤があった」と話しました。
一方で、「虐待の映像を見て、真愛ちゃんの気持ちを考えると涙が止まらなかった」と述べました。
また、裁判員を務めた61歳の男性は、「残された西田被告の別の子どもの人生を考えた時に、刑が重いとその子たちはどうなるのかというプレッシャーを感じた」と語りました。
(瀬戸内放送の記事から引用)
西田彩被告は船橋被告から精神的な支配を受け、逆らえなかったと主張し、虐待も船橋被告が単独で行ったものだから幇助に留まると情状を訴えてきました
が、判決はそうした西田被告側の言い分を退け、虐待に関しては西田被告も船橋被告と共同で責任を負うべきだ、と判断したのでしょう
未婚のまま4人のこどもを育てるのは大変だったと思いますが、経済的な支援と引き換えに娘を差し出し、虐待させることで船橋被告との関係を維持していたのは事実であり、言い繕いはできません
また、「3人のこどもの養育のため長期刑は回避すべきである」との弁護人の主張も、裁判官や裁判員にはあまりに身勝手な言い分に聞こえたのではないでしょうか(裁判員のうち、1名の方は西田被告への長期刑を躊躇したと上記の記事で述べていますが)
3人のこどもの養育のため西田被告が免責される、あるいは刑罰が軽減されるというのは、亡くなった真愛ちゃんの存在を無視するものであり、はなはだしく歪んだ考え方でしょう。死んでしまった者には何も与える必要などない、と言うようなものです
西田被告は判決を不服として控訴するものと予想されます。が、控訴審で大幅な減刑、という判決にはならないのでは
追記:西田被告は控訴を申し立てましたが、その後取り下げたと報じられています。なので判決が確定しています
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